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第440話

Author: 栄子
一方で、綾の困惑した視線の中、誠也はしゃがみ込んだ。

上着の内ポケットから鍵を取り出し、綾の足枷を外した。

鉄の鎖は脇に投げ捨てられた。

綾は眉をひそめた。

誠也は立ち上がり、優しい笑みを浮かべながら綾を見つめた。「さあ、もう出て行けるよ」

綾は彼を見つめた。

そして、少し戸惑った。

誠也は特に何も言わなかった。

その様子を見た綾は恐る恐る一歩前に出た。

誠也も彼女を止めなかった。

すると、綾は深く息を吸い込んで、走り出した。

足首に突き刺さるような痛みを感じたが、構わずドアノブを回し、勢いよく外へ飛び出した――

しかし、次の瞬間、綾は立ち尽くした。

ここは南渓館ではなかった......

長い廊下を見ながら、綾はすでに予想していた。

しかし、信じたくない気持ちで、足を引きずりながら廊下を歩き続けた。

廊下を抜けると、海風が吹きつけてきて、綾の心は沈んでいった。

甲板に出て、広大な海面を目の当たりにすると、信じられない思いだった。

彼らは南渓館にはいなかったのだ。

そこはプライベートクルーザーの上だった。

彼女が立ち尽くしていると背後から足音が聞こ
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