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第4話 壊れる身体と心

Penulis: Aica
last update Tanggal publikasi: 2026-04-01 00:23:30

「お姉ちゃん、どうしてあんなことしてバレないと思ってるんだろ」

え……、あんなこと……? バレる……? なんの話……?

「まさか、あいつが俺の知らないところで、男漁りしてるなんて心底見損なったよ」

男漁り……? さっきも、それ言ってたけど……どういうこと……?

「お姉ちゃん、もうそれ病気なの……。一人の男性では満足出来なくて、常に自分の欲望を満たしてくれる男性を探し求めてるの」

ちょっと待って……! あまりにも身に覚えのない酷い綾乃の嘘に私は驚いて言葉を失くす。

「俺もまんまと騙されたよ。まさかずっと清純なフリをしてたなんてな」

酷い……! 一弥さんもどうしてその言葉を信じるの……!?

「本当は、一弥お兄ちゃんと結婚するのは私だったはずなのに……。

お姉ちゃんはたくさんの男の人と関係を続ける為には、お金の面でも生活の面でも安定した保障が欲しかったの……。だからあの時、私を騙して留学させて、その間に一弥お兄ちゃんを私から奪って結婚したの」

え……? は……? あまりにも綾乃の酷い嘘に私は呼吸をすることでさえ苦しくなってくる。

そんな人、一人もいない。

私の初恋は一弥さんで、一弥さんだけをずっと想い続けてた。

「酷い女だ……」

そんな綾乃の嘘にすっかり騙されてる一弥さんは、呆れたように冷たく言い放つ。

「お姉ちゃん。一弥お兄ちゃん以上にいい男見つけたって、私にそう言ってたの。その男の人とどうしても一緒になりたいんですって。ここだけの話、身体の相性も一弥お兄ちゃんと比べ物にならないくらいすごいって、興奮して私に話してきて……私そんな無神経なお姉ちゃん許せなくて……」

「フッ。最低な女だな……。なるほど。俺とのあの反応も言葉も全部演技だったって訳か……」

違う……! 全部誤解だって、綾乃の真っ赤な嘘だって、今すぐ飛び出して言いたかった。

だけど、きっと今の一弥さんは私の言葉なんて絶対聞こうともしてくれない。

そもそも私のことを最初から愛していなかった彼にとっては、そんな嘘が真実に思うほど、興味も元々なくそんな酷い私の印象が彼の中で、きっと存在している。

私に呆れる今の一弥さんは、心底私を軽蔑してるような、そんな表情……。

「私はずっと留学してた間も一弥お兄ちゃんのことを想い続けていた。政略結婚する相手が一弥お兄ちゃんだって知っていたら、絶対お姉ちゃんが結婚するのを止めて私が結婚していたわ」

「俺も……そうであってほしかったよ……」

綾乃の嘘と一弥さんの後悔がなぜか上手く重なってしまう。

聞けば聞くほど、私を陥れて罵る言葉しか聞こえてこない。

こんな饒舌な綾乃にかかると、全くの嘘でもこんなに本当のことだと思われてしまう。

「お姉ちゃん、一弥お兄ちゃんに一途に想われてる私がずっと羨ましかったんだと思う。だからって私を騙して一弥お兄ちゃんから引き離して自分のモノにして結婚までするなんて酷いよ……」

泣きつく綾乃を彼がそっと抱き締める。

私はそんな二人の姿と、あまりにも酷い綾乃の嘘に心が崩壊しそうになる。

そのショックで私は呼吸が荒くなり、過呼吸になりそうになる。

「はぁ……。はぁ……」

よろめきながら後ずさりし、冷たい壁に背を預けたまま、ずるりとその場に座り込んだ。

だめ……子ども……。

無意識のうちに、私は下腹部を強く抱きしめる。

ずしりとした鈍い痛みが、はっきりと伝わってきた。

どうして……。

どうして、よりにもよって――今なの……。

「たすけ……て……」

その言葉を口にした瞬間、身体からすべての力が抜け落ち、

私はその場で、意識を失った――。

薄れていく意識の中で、

一弥さんがこちらへ駆け寄ってくる姿が、かすかに見えた気がした。

……きっと、幻だ……

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