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第40話

Author: 花野めい
三久にもまったく見当がつかなかった。深くため息をつき、黙り込む。

「神崎社長があなたを引き抜こうとしたとき、素直に彼についていけばよかったのに」

梨々香が悔しそうに続けた。

「九洲グループも同じ西戸市にあるけど、酒井のそばで縛られているよりはずっとマシよ。五か月後にはお腹も大きくなって目立ってくるわ。万が一酒井に気づかれたら、それこそ逃げようにも逃げられなくなるわよ」

由樹の目の届くところで子どもを産む、そんな危険な賭けに出ようなどと、三久はこれまで一度たりとも考えたことがなかった。

口先だけで子どもの父親を言い繕い、絶対にバレないと高を括るなんて、あまりにもリスクが高すぎる。

「……もう少し、考えてみるわ」

「そうだ……!」

梨々香が何かを閃いた。

「神崎社長に連絡して、違約金を肩代わりしてくれるか聞いてみたらどう?同意してくれたら、そのまま九洲グループに移ればいいじゃない!」

三久は考えるまでもなく、その提案を断った。

「由樹の面目を潰すためなら、神崎社長は面白がって絶対に四千万を出してくれると思う。でも、そんな恩を着せられた立場で九洲グループに移っても、重用
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