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第454話

Penulis: 花野めい
「そういうお名前の妊婦さんがいらっしゃったような気がします」

龍太郎は表情を崩さなかった。

「お知り合いですか?」

久留美は頷いた。

「高崎家の遺伝性疾患の兆候がないかどうか、覚えていらっしゃいます?」

紫織ははっとして久留美を見た。

「お義母さん、それってどういう意味ですか?」

「あなたは黙っていなさい」

久留美は釘を刺すような目で紫織をちらりと見てから、また龍太郎へと視線を戻した。

龍太郎は数秒黙り込んでから、ゆっくりと首を横に振る。

「担当している患者が多すぎまして。そういう方がいたことは覚えていますが、詳しい状況までは」

久留美は声を落とした。

「次の検診は、いつ頃の予定です?」

「そろそろかと。妊娠後期は検診の頻度も上がりますので」

「では、その時に確かめておいてくださらない。高崎家の遺伝性疾患が、お腹の子に遺伝している可能性がないかどうか」

久留美は先ほどの封筒をもう一度取り出すと、龍太郎のポケットへ押し込んだ。

「わかり次第、すぐに知らせてね」

「申し訳ありませんが」龍太郎は真剣な顔つきになった。

「私にも、越えられない一線というものが
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