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第565話

Author: 雲間探
「大森さんからの電話です」

今度は智昭も聞こえたようで、「うん」と応えたが、彼がスマホを見た時には、優里はすでに電話を切っていた。

智昭はスマホを取り上げ、和真に言った。「先に出てくれ」

「はい」

和真は社長室を後にする。

製品の技術をアピールし、国内外での影響力を拡大するため、藤田グループはその日の午後に、藤田グループと長墨ソフトの協力による新たな進展に関する情報を流し、記者会見の日程も急いで決まった。

その日、その情報を受け取った智昭は言った。「スケジュールを調整してくれ」

和真は一瞬止まって理解した。「社長も記者会見に出席されるのですか?」

「ああ」

「それは……」

明後日の朝、智昭にはすでに重要な予定が入っている。彼自身も承知しているはず。そうでなければ、スケジュール調整などを命じたりはしない。

ただ、和真は思わず口にした。「その日は毛利社長とのお約束があります。わざわざ遠方からお越しになるのに、急に予定を変更されると——」

智昭は何も言わず、ただ彼を見つめる。

その視線で、和真は悟った。智昭は毛利社長との面会を承知した上で、その重要性も理解している。それでもなお——

智昭の決意が固いと分かり、和真は言った。「承知いたしました。すぐに毛利社長側と調整いたします」

今回のプロジェクトは重要だが、会社の他の幹部が記者会見に出席するのに、智昭が自ら出席する必要はない。

そう考えて和真は続けた。「広報部は社長の出席を知らないはずです。そちらにも連絡を——」

「うん、だがそんなに手間をかけなくていい」智昭は淡々と和真の話を遮った。「壇上には立たない。観客席に席を用意してくれ」

壇上に立たないと?

和真は一瞬戸惑ってしまった。

智昭が発言をしないなら、何しに行くというのか?

しかし智昭がそう言う以上、和真はこれ以上詮索せず、指示通りに動くしかない。

藤田グループと長墨ソフトの協力による新たな進展のニュースは、すぐにネット上で広まっていく。

優里も含め、業界関係者は大半が即座に情報を受け取った。

彼女はニュースを読み終え、コメント欄で藤田グループと長墨ソフトが国外のボーダーラインを突破し、国の名誉を高めたと賞賛する声を見て、黙ってウェブページを閉じた。

記者会見の日はあっという間に訪れた。

会場には世界中から集まった記者
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Comments (48)
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トラ子
天の川さん 瞳キラキラの智昭……サブイボでるわ 玲奈、バッサリいこう、バッサリね! どーかオタク昭と玲奈が無事に離婚できますように。 読者みんなで祈ってるよー。
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トラ子
ソメイヨシノさん バ和真秘書、 玲奈さまの写真を貼った団扇とペンライト、社長にお持ちしてWW
goodnovel comment avatar
タチコマ
全く持って、同感です!具体的な描写無しでも、常識的にその関係有りだと認識される彼らの行動、行為で充分だと思います!堂々と連れ歩く智昭の人間性、人格が気持ちわるっ!玲奈も、もっと強く、毅然とした態度でプライド持って智昭には接して欲しい!離婚手続きに関しても受け身でなくもっと積極的に行動して成就させて、早く縁を断ち切り解放されなさいね! ここ数日、本文読まずに皆様のコメントで続読するかを検討中です、今回もハズレの様ですね、何時になるのでしょうか?ザマァ、スッキリと溜飲が下がる日を楽しみに、皆様のコメ欄での共感で癒されています 。毎回有難う御座います。
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