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20.グランドファイナル

last update Terakhir Diperbarui: 2025-08-18 17:00:48

8月31日、渋谷。2,000人が入る大きなホールは観客で賑わっていて、会場には司会進行役のタレントやゲストの配信者など、有名な人もたくさん集まっているようだった。午前中からバトルソウルの試合が行われ、野田と笹原部長が現在進行形で頑張っている。

俺たちは応援もそこそこに、5人で集まって最後のミーティングを開いていた。

「さ、さすがに緊張するよね~……。会場も雰囲気あるし、人もいっぱいいるし」

珍しく、律先輩が真っ青な顔をしていた。玲先輩が、お兄ちゃんらしく隣で背中をさすってあげている。

「落ち着いてくださいよ、律先輩。……いつも通りにやればいいんですから」

「えっ、いおりんは逆になんで落ち着いてんの??」

「えっ??」

「神谷はメンタル強そうだもんなぁ~。俺も正直、手が震えてるよ」

萩原先輩も珍しく弱音を吐きながら、苦笑していた。玲先輩が背中をさすりながら補足してくれる。

「……この中で全国の決勝まで進んだことがあるのは、小神野だけだからな。俺たちは前回、違うチームだったから」

「そうだったんですね。……じゃあ、小神野先輩も」

「あー……俺もこういうのは平気。注目される状況は、むしろアガる」

「うわぁ……メンタルお化けだぁ……」

そう言いながら、「うっ」と吐き気に口元を押さえる律先輩。俺にも何かできることはないかと探していると、ふと、萩原先輩と目が合った。

「……そうだ! じゃあ、神頼みでもするか」

にっと笑って言った萩原先輩が俺と小神野先輩を並んで立たせ、手を合わせる。

「あー、そういうこと……」

玲先輩が納得したように言って、同じように頭を下げ、手を合わせた。

(どういうこと?)

律先輩も「そういうことね」って顔で笑うなり、俺たちを拝んでいる。

「ゼログラ攻撃チームの神様っ! 神業と神プレーに期待してますっ!!」

「いや、ほら……お前らどっちも『神』だからさ」

萩原先輩に言われて、ようやく気づいた。そういえば。

「神谷と小神野……。本当ですね、神繋がり」

「今、気づいたのかよ」

「いおりん、遅いねー」

「元気になったんですか、律先輩……」

呆れて言うと、先輩はけろっとした顔で「ちょっと元気出た」と笑っていた。

会場からいちだんと大きな歓声が響いてくる。「今年は新葉が3位だってよ!」と誰かの声が聞こえてきた。ステージが見られるモニターに、笑顔で喜び合う部長と野田の姿が映っていた。

「やったな、あいつら」

「バトルソウルで全国3位は、新葉史上初だよね」

「気合い入るなー」

いい空気感だった。何だかいい試合ができそうな、そんな気がしてくる。

「じゃ、円陣でも組むか」

小神野先輩の言葉に、5人が集まって円になる。かけ声は萩原先輩にお願いした。

「いくぞっ! 新葉~ファイッ」

「「「おーーー!!!」」」

こういうのは体育会系の部活っぽくてあんまり慣れない、けど。

「……行くぞ」

真剣な顔の小神野先輩に声をかけられ、背中を押されるのは悪くないかも、とそう思った。

◇◆◇◆◇◆◇

舞台の上は暑く、数々の照明がまぶしかった。

チームの紹介をしてもらっているあいだに、セッティングと動作確認を済ませる。イヤホンとヘッドセットをつけてしまえば、あとはいつもと同じだった。部室と同じように、隣には小神野先輩がいる。

全国大会を勝ち上がった高校4チームでの、最後の試合が始まった。

試合の展開と勝敗の行方を決めるのは――はじめの本拠地ガチャ。

「って、こんなときに工業団地かよっ!」

「いちばん守りにくいところが来たな……」

「みんな落ち着けよー。プランBで行くぞ」

もし、龍鳳高校が守りの固い基地を引いた場合……犬桜高校と白雲高校、どちらもまず新葉を攻めてくる可能性があるというのが俺たちの読みだった。新葉を攻めつつ、ついでに新葉の基地に攻めてくる龍鳳の攻撃チームを撃破する。

その読みは当たっていて、俺たちの守る工業団地はあっという間に戦場になった。フラッグを守る防衛戦。ここで小神野先輩をひとり離脱させるのが、俺たちの作戦だった。

「今だっ、オカピ先輩! ここは俺たちで頑張るから、行って!」

「わかった」

「あとで合流します!」

しばらくすると、犬桜高校の本拠地にたどり着いた小神野先輩があっという間に3人をキル。新たな拠点ができたところで、オトリにしていた本拠地を捨て、先輩と合流した。

この時点で犬桜高校は拠点を失って敗退、白雲高校は残り3人、龍鳳高校は拠点こそひとつ増えたものの、残りは4人になっていた。計画通りだ。

小神野先輩と白雲高校の本拠地に攻め込み、残った3人を撃破する。

「部長さんっ、すみません!」

先輩の連絡先を聞いた部長は俺が撃った。

……個人的な恨みがあったわけじゃないけど。べつに。

「ふたりともっ! ヤバいっ、玲がやられた!」

イヤホンから律先輩の声が響く。その奥から、玲先輩の悔しそうな「クソっ!!!」という声が聞こえてきた。

「メディックがいなくなるのは痛いよ……。龍鳳がふたりこっちに来てて、俺ももうやられそう!」

「わかりましたっ! じゃあ、俺が……」

「俺が行く」

俺のセリフをさえぎったのは、他でもない小神野先輩で――。

俺は耳を疑った。

(こういうサポートをするのは、いつも俺の役割だったはずだ)

先輩は誰かのサポートよりも、自ら敵陣に切り込んでいくことを好む。いつか理由を聞いたら、「だって、その方がカッコいいだろ」って笑っていたのに……。

「神谷は敵の本拠地に」

「で、でもっ……!」

俺はこの数か月、先輩と一緒にプレーしたおかげでFPSのスキルが格段に上がった。

できなくはない、と思うけど……。

画面の外にある横顔を一瞬だけ見ると、目が合った。

『お前なら、もうできるよな』。

言葉なんてひと言も発していないのに、たしかにそう言っているような気がして――。

「……了解っ」

「萩原っ! そこの拠点はもう捨てていいから、神谷の援護!」

「オーケー、すぐ行くっ!」

イヤホンから、萩原先輩の頼もしい声が聞こえてきた。

後に知った話だが、小神野先輩が超攻撃型のプレーヤーだということは去年の試合の様子からも明らかだったらしく……生配信で入った解説の人も、俺たちの動きがいつもと違うことに気がついていたらしい。

小神野先輩が先にたどり着き、姿を消せる律先輩のキャラ『ファントム』の回復をしながら2人の敵を撃破する。

俺も先輩の指示通り、萩原先輩と一緒に龍鳳高校が本拠地としている要塞基地に駆けつけ、残り2人をキルしてフラッグを取ることに成功した。

VICTORY。画面にはそう表示され、ファンファーレが流れた。俺たちの使っているキャラクターが肩を組み、誇らしげに国旗を掲げている。

俺はイヤホンとヘッドセットを外すと、小神野先輩と初めてハイタッチをした。先輩に抱き着く俺に、覆いかぶさってくる他の先輩方……。

この年、新葉高校はeスポーツのゼロ・グラウンド部門で、初めて全国大会優勝の成績をおさめた。

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