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第420話

Author: 風羽
輝は横顔を傾け、愛しい娘を見つめた——また背が伸びた気がする。

黒いベントレーが発進しようとした時、収納スペースに置いた携帯が鳴った。

電話を受けた瞬間、輝の表情は厳しくなる。

会社で緊急の案件が発生し、即座に戻らねばならなくなったのだ。

だが茉莉は、食事を楽しみにしている。

電話を切った輝は、娘に向かって穏やかに話した。

「先にパパの会社へ行こう。少し用事があるんだ。その間、絵里香にご飯を一緒に食べてもらえるかな。会社の向かいに、美味しいレストランがあるんだ」

茉莉の白い頬に、わずかな陰りがさした。

——一週間に一度やっと会えるのに、また仕事。

それでも彼女は素直に頷いた。

「うん。おばさんの言うこと聞くよ」

瑠璃は決して娘の前で大人の確執を口にしなかった。だから茉莉の心は澄んでいて、絵里香への偏見もなかった。

輝は腕を伸ばし、娘の頭を優しく撫でる。

「用事が済んだら、夜の遊園地に連れて行ってやる」

「じゃあ、ママに電話してね」

「もちろん」

黒い車体は滑らかに瑠輝グループの前に停まった。

茉莉にとって、初めての場所。

輝は娘を大事そうに抱いたまま、エレベーターへと向かった。

その愛らしい姿に、社員たちの視線が自然と集まる——あれが赤坂社長と周防社長のあいだに生まれた娘なのか、と。

小さな顔立ちは可憐で、どこか気品さえ漂い、手塩にかけて育てられているのが一目でわかった。

人見知りの茉莉は父の首にしがみつき、甘えるように身を寄せている。

そのまま、二人は最上階へと上がっていった。

エレベーターの扉が開くと、白川が迎えに出てきて、笑みを浮かべながら頬をつついた。

「茉莉ちゃん、秘書室で遊んでみる?」

輝は淡々と応じる。

「いや、絵里香に連れて行かせて何か食べさせてくれ。授業のあとで空腹なんだ」

白川は少し驚いた。普通なら、わざわざ妻と会わせる必要はない。

だが輝は考えていた。これからはできるだけ娘と過ごす時間を増やしたい。

そうなれば絵里香が接する機会も増えるのだから、今のうちに慣れさせておいた方がいい。

最近の絵里香は殊のほか優しく、気遣いも細やかで、彼女なら茉莉の良き「おば」としてやっていけるだろう——そう思ったのだ。

実際、絵里香も茉莉を歓迎していた。

——男の子どもを手に入れること、それこそが心を
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Comments (1)
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良香
ふざけんなよ!バカがお前! 何が託したのよ、だよ。 お前の命を賭けて茉莉ちゃん守れよ。 何や、瑠璃さんを傷付けたかったんか?? そうかそうか。羨望と嫉妬。決して自分の手に入れられないものやもんな。 茉莉ちゃん死んだらお前、終わりやぞ。
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