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第831話

Author: 藤原 白乃介
知里はもともとサバサバした性格で、人に対しても誠実だ。

颯太と付き合うつもりなら、誠健との関係についてもきちんと話しておくべきだと、彼女は思っていた。

二人はお酒を飲みながら、のんびりと会話を楽しんでいた。

気がつけば、テーブルの上には酒瓶がずらりと並んでいる。

颯太が心配そうに言った。

「もうやめとこう。送ってくよ」

知里は少し赤らんだ顔で彼を見て言った。

「トイレに行ってくる。それから帰ろう」

「一人で大丈夫?」

「うん、平気」

お酒はかなり飲んでいたものの、知里の意識はまだはっきりしていた。

彼女はトイレに向かい、用を足したあと、洗面台で手を洗い、簡単にメイクを直した。

ちょうど出ようとしたそのとき、突然、目の前に黒い影が現れた。

その人の顔を確認する間もなく、口を塞がれ――

そのまま意識が遠のいた。

再び目を覚ましたとき、知里はホテルの大きなベッドで横になっていた。

全身が火照って、まるで体中が焼けるように熱い。

それでも意識はしっかりしていた。

――薬を盛られた。

知里はすぐに起き上がろうとしたが、
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