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第856話

Author: 藤原 白乃介
「そうだよ、どうかしたのか?」

「今日はちょうど暇でね、昼ご飯も家で食べるし、ついでにちょっと話でもしようと思って」

その言葉を聞いて、知里の父はふっと笑った。

「石井おじさんのこと、もう怒ってないのか?」

「怒る理由ないでしょ。あの件はおじさんがやったわけじゃないし。二十分後に帰るね」

二十分後。

知里がリビングに入ると、ちょうど誠健の父と祖父が将棋を指しているところだった。

彼女はにこやかに近づいて、

小さな声で「石井おじさん」と呼びかけた。

誠健の父は彼女の姿を見るなり、すぐに駒を置いて手招きしながら言った。

「知里、叔父さんからプレゼントだよ」

バッグから小さな上品な箱を取り出し、彼女に手渡した。

「これはね、君の叔母さんが買ってくれたんだ。きっと気に入るだろうって」

知里が箱を開けると、中には青いダイヤのピアスが入っていた。

まさに彼女が一番好きなデザインだった。

彼女は嬉しそうに微笑み、「あとでちゃんとお礼言います、すごく気に入りました」と言った。

誠健の父は彼女が素直に受け取ったのを見て、満足そうに笑った。

「叔母さんね、君のことすごく気
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