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29. 公宣からの提案⑥

Author: 鷹槻れん
last update publish date: 2026-09-17 05:14:00

 偉央いおは結葉ゆいはを連れ戻すつもりはないと言ってくれたようだけれど、じゃあ、と言ってそれを鵜呑うのみにしてのほほんと実家に住み着けるほど結葉ゆいははまだ図太くなれそうにない。

「俺が……あのアパートを出たらいいのか?」

 憮然ぶぜんとした口調で想そうが公宣に問うから、結葉ゆいはは「想そうちゃんっ!」とそんな想そうを心配そうに見つめた。

「想そう。お前は結葉ゆいはちゃんを一人ぼっちであのアパートに置いておけるほど薄情な男なのかい?」

 だけど公宣に全てを見透かされたような目で見つめられて、想そうは言葉に詰まってそっぽを向く。

 それが出来なかったから今みたいなことになっているのだ。

「じゃあ。親父は結葉ゆいはに実家にでも行けって言うのかよ」

 想そうが腹立たしげにつぶやいたのを見て、公宣が小さく吐息を落とした。

「それ、お
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