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第87話

مؤلف: 霜晨月
last update تاريخ النشر: 2026-03-12 19:13:28

皆川が住んでいるのは、都心にほど近い住宅街だった。

建物自体はそれほど高くなく、一見すると地味で、年季さえ感じさせる佇まいだ。だが商業中心地にも近く、「閑静な都会の隠れ家」とでも呼びたくなるような、なかなかの好立地である。

ナナミの話によれば、皆川の両親は現在海外におり、彼自身は独身主義で長らく一人暮らしを続けているという。

賃貸なのか持ち家なのかは不明だが、寸土が金に等しいと言われるこの界隈で文筆業一本で生活しているとなれば、その収入は少なくとも中の上に位置するはずだった。

颯斗が車を走らせて敷地内へ入ると、管理センターの警備員はスマートフォンに夢中で、こちらへ視線を向けることさえしない。やはり古い集合住宅だけあって、警備体制も随分と緩いようだった。

車を停めた三人はエレベーターに乗り、八階へ向かう。やがて802号室の前で足を止めた。

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