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記憶の聖者

Auteur: 吟色
last update Date de publication: 2025-09-15 08:00:00

地下図書館に響く激しい戦闘音。

記憶監視官たちが口伝魔法で攻撃してくるが、八人は連携して応戦する。

「《多重連携・文字解放》」

八人の花紋から魔導書が現れ、文字の魔法が地下図書館を照らした。

それは十年ぶりに現れた、美しい文字の光。

「まさか……文字魔法を……」

監視官たちが動揺する。

文字派の人々も勇気を得て、隠し持っていた本を取り出す。

地下図書館が一瞬にして文字の聖域に変わった。

しかし、その時——図書館の入り口に巨大な影が現れた。

現れたのは、白い髭を蓄えた威厳ある老人。

身長は普通だが、その存在感は圧倒的だった。

彼の目は深く澄んでおり、まるで世界のすべてを記憶しているかのようだった。

「私が記憶の聖者オムニスだ」

老人が厳かに名乗る。

周囲の空気が一変する。

監視官たちも文字派の人々も、彼の前では息を呑んで立ち尽くしている。

「久しぶり
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