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第10話(34)

Author: 北川とも
last update publish date: 2025-12-29 14:00:16

「先生は物腰が柔らかいから、つい余計なことまでしゃべってしまいますね。こんな仕事をしていると、気恥ずかしくなるような話題とは無縁なので、俺も油断してしまいました」

 ようやく中嶋がいつもの笑みを見せたので、和彦は安堵する。ちょうどコーヒーも飲み終えたので、シャワーを浴びに行くことにしたが、中嶋も同時に立ち上がる。

 示し合わせたわけではないが、行動をともにする流れになっていた。

 着替えを取りに一旦更衣室に向かい、ロッカーは別々なので中嶋とは出入り口で別れる。

 和彦が借りているロッカーがある列に客は二人しかおらず、着替えながら世間話をしていた。軽く会釈して傍らを通り、自分のロッカーを開ける。

 バスタオルや替えのTシャツを取り出しているうちに会話の声は遠ざかり、和彦一人となったが、入れ替わるように足音が聞こえ、こちらに誰かが近づいてくる。和彦は開けたロッカーの扉から顔だけを出して、足音の主の姿を確認した。

「中嶋くん……」

 傍らに立った中嶋が手ぶらであることを訝しみつつ、声をかけ
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    last updateLast Updated : 2026-03-28
  • 血と束縛と   第12話(14)

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