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第13話(12)

作者: 北川とも
last update 公開日: 2026-01-17 08:00:23

「どうかしたのか、佐伯」

 澤村に声をかけられ、和彦は正面に向き直る。

「いや……、なんか、変な気配を感じたというか……」

「気配?」

「気のせいかな。誰かに見られていたような感じがしたんだ」

 そう答えながら、もう一度周囲に視線を向ける。

「お前、疲れてるんじゃないか。意外に神経質なところがあるからな。それで神経が過敏になってるってことはないか?」

「……ああ、そうかもしれない」

 表の世界から、裏の世界へと引きずり込まれたときから、和彦は庇護される存在となった。守られることが、当たり前の生活となったのだ。その生活に慣れてしまうと、組の人間から離れて行動することに多少の不安感を覚える。

 友人と楽しい時間を過ごしていながら、その不安感は消えなかったらしい。

「あまり気にするなよ。少なくともお前以外は気づいてないみたいだし」

「そう、だな……」

 そう
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