Beranda / BL / 血と束縛と / 第13話(13)

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第13話(13)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2026-01-17 11:00:13

 もともとイベント事に疎く、興味もないため、誰かと集まって騒ぐこともなかったのだが、今年は特別だ。特殊な環境で日々を過ごし、普通の人間であればありえないような出来事を体験してきた。世間と切り離されたような世界にいても、人並みに何かのイベントに立ち合えるかもしれない。

 ここでふと、ヤクザにもクリスマスなど関係あるのだろうかと考えた途端、和彦は顔を伏せて笑ってしまう。あまりに似合わなくて、おかしかったのだ。

「どうした、佐伯?」

「今年はいろいろあったから、クリスマスぐらい能天気に楽しめるかなと思ったんだ」

「いい傾向じゃないか。お友達と集まって、クリスマスパーティーでもしたらどうだ」

 明らかにからかわれているとわかり、笑いながら和彦は、澤村の脇腹を肘で小突く。

 エレベーターで一階に降り、当然のように澤村はロビーに向かおうとしたが、和彦は立ち止まって声をかける。

「澤村、ぼくはここで」

 振り返った澤村が、不思議そうに首を傾げる。

「車で来たんじゃないのか? 駐車場はこっちからのほうが近い
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