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第17話(39)

Author: 北川とも
last update Petsa ng paglalathala: 2026-02-28 14:00:31

 ここまで言われて、嫌だと返事ができるはずもない。和彦が頷くと、賢吾は満足そうな表情となる。

「服装はなんでもいいから、早く支度を整えろ。朝メシも外で済ませるぞ」

「呆れた……。朝も食べずに、ここに来たのか」

 洗面所を出ていこうとした賢吾が、肩越しにちらりと和彦を見る。

「俺は、大勢でにぎやかにメシを食うのが好きだが、先生と静かにメシを食うのも好きなんだ」

 賢吾のその言葉に、咄嗟に反応できなかった和彦だが、洗面所のドアが閉まった途端、動揺する。

「ヤクザの組長が、何言ってるんだっ……」

 そう毒づいたものの、なんだか気持ちが落ち着かなくて、仕方なく和彦は冷たい水で顔を洗い直すことにした。

 傍らに置いたコートを、和彦は無意識のうちに撫でていた。柔らかく滑らかな感触はしっとりと肌に馴染む。今日初めて、外で着て歩いてみたのだが、思っていた以上に着心地がいい。

「――ようやく、そのコートを着ている姿
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