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第24話(3)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-04-07 14:00:42

 空になったグラスを受け取ろうと三田村が片手を伸ばしてきたが、反射的に躱す。不思議そうな顔をした三田村に腰を屈めてもらい、和彦はやっと、大事な〈オトコ〉に触れることができる。

 片手を頬に押し当てると、気が緩んだように三田村は顔を綻ばせた。和彦はそっと目を細め、何度も三田村の頬を撫でてから、あごにうっすらと残る細い傷跡に指先を這わせる。ここまでされるがままになっていた三田村がふいに手を伸ばし、今度こそグラスを取り上げられる。

 キッチンまで持っていく時間すら惜しむように、グラスを床の上に置いた三田村が立ち上がり、和彦は肩を掴まれてベッドに押し倒された。

 体中で三田村の重みを感じた瞬間、気が遠くなるような高揚感が和彦の中を駆け抜ける。

「三田村……」

 我ながら赤面したくなるような甘い声で呼びかけると、あっという間に三田村の表情が余裕のないものになる。だが、それは和彦も同じだ。三田村に荒々しく唇を塞がれると、もう何も考えられなくなり、すがりつくように三田村の背に両腕を回していた。

 激しく互い
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     賢吾のものが口腔で一層逞しく育っていく。息苦しさにぐっと喉が締まると、後頭部にかかった手の力がいくらか緩められた。和彦は頭を動かし、口腔から欲望を出し入れしながら、賢吾から言われるまま、唾液をたっぷり絡めるようにして、大きく湿った音を立てるようにする。 ときには根本に舌を這わせ、そのまま先端まで舐め上げると、また口腔深くまで呑み込み、しっとりと粘膜で包み込む。その頃には、賢吾の両手で髪を掻き乱されていた。それはまるで愛撫のようで、髪の付け根を指でまさぐられるたびに、和彦の体には肉の疼きが駆け抜ける。 賢吾の爪先に両足の間を押さえつけられる。自覚もないまま、和彦の欲望も高ぶっていた。「いやらしいな、和彦……」 愉悦を含んだ声で賢吾が呟き、口元に笑みを刻む。 口淫の途中で腕を掴まれて、ベッドに引き上げられていた。のしかかられながら余裕なく服を剥ぎ取られ、裸の体をベッドに横たえる。「賢吾……」 細い声で呼びかけた和彦は、向けられる冴えた眼差しに耐える。当然のように賢吾は、和彦の体を検分し始めていた。 別荘での守光と南郷との情交の跡は、かろうじて消えている。この部屋に滞在するようになってからは、二人とも指一本和彦に触れていない。だからといって、見られて平気なわけではなかった。 賢吾の指先が胸元から鳩尾を滑り落ち、さらに移動して下腹部へとたどり着く。緩く勃ち上がった欲望の形をまさぐられて、和彦は小さく声を上げたが、頓着した様子もなく賢吾に膝を掴まれた。足を大きく左右に広げると、秘められた部分もすべて晒す。「大事に扱われているみたいだな。よかったな。自分のものだと思った途端、横暴になる男じゃなくて」「……違う。長嶺賢吾のオンナだから、大事に扱ってくれているんだ……」「それは、どうだろうな」 意味ありげにそう言った賢吾が、内奥の入り口を指でまさぐってくる。和彦は反射的に腰を震わせていた。「関わった男を骨抜きにしてきたお前相手に、あるいは――」「変なことを言わないでくれっ。ぼくは&hel

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    「俺と〈あいつ〉が関わるのが、嫌か?」「……あんたは平気なのか」 質問に質問で返すなと、賢吾が大仰にしかめっ面を作る。「お前が何を考えているか、全部#浚__さら__#えるものなら浚っちまいたいと、本気で考える。そうすりゃ、勝手に一人で行動しないだろ。……お前はもっと俺を信用して、頼れ。それとも、俺はとっくに、信用を失ってるか? お前の目には俺は、オヤジにいいように扱われながら、威張ってるだけの愚鈍な男に見えるか?」「そんなこと――」「どうなんだ。言ってみろ」 畳みかけられ、凄まれ、和彦は怯む。信用していないわけではない。ただ賢吾と長嶺組が心配で、自分でなんとかできるならばと判断した結果だ。しかし、その行動を責められても仕方はなかった。結局、事態は悪化した。 追い打ちをかけるように賢吾に言われる。「――お前の荷物を詰めたバッグを持ってきている。里帰りに必要そうなものを、こちらで適当に見繕っておいた。どうせオヤジは、お前をもう、本宅やマンションに戻すつもりはないと思ったからな」 自分でも、顔色が変わるのがわかった。呆然とする和彦の頭を過ったのは、やはり賢吾に切り捨てられたということだった。 無意識のうちに賢吾の腕にかけた手が、ぶるぶると震え出す。「どうしてそんな、ショックを受けたような顔をする」「別に、そんな……」「俺がお前を、厄介払いしたがっているとでも思ったか? 勘違いするな。もう日がないから、仕方なくだ。お前を連れ出そうにも、オヤジが承諾しない。だが、俺がここに来て、お前に会うのはかまわないそうだ。オンナが不安がらないように」 賢吾の声にわずかな怒気が含まれたのは、きっと気のせいではない。和彦は、その怒りが自分に向けられているように感じ、委縮し、いっそのことこの場から消えてしまいたくなる。 こんなことなら、いっそ連絡も取れないままなのほうが楽だったかもしれないとすら考えたとき、賢吾がふいに沈黙し、改めて和彦の顔を見つめてきた。強い眼差しに、おどおどと視線を泳がせてしまう。 賢吾がため息を

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