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第30話(26)

مؤلف: 北川とも
last update تاريخ النشر: 2026-05-17 17:00:15

「もちろん、あんたの背中にあるから、だからな」

「……俺は先生に、よほど嫉妬深い男だと思われているのか」

 ぼやき気味に呟いた三田村がおかしくて、声を洩らして笑っていた和彦だが、その間も手は動かし続けていると、今度は三田村の目の色が変わり始める。

 三田村の変化を目の当たりにして、ゾクゾクするような興奮が和彦の中を駆け抜ける。ふと、外で三田村に言われたことを思い出した。

 和彦が突然体を起こしたため、何事かという顔で三田村も倣おうとする。すかさず、肩を押さえて止めた。

「どうした――」

「三田村、うつ伏せになってくれ」

 一瞬、物言いたげな様子を見せた三田村だが、和彦が何を求めているのか察したのだろう。素直に従ってくれる。

 和彦は、露わになった三田村の背の刺青をじっくりと眺め、てのひらを押し当てる。そして、顔を伏せた。

 繰り返し何度も背に唇を押し当てているうちに、最初はリラックスしていた三田村の体に変化が起こる。肌が再び熱を帯び、ときおり筋肉がぐっと強張るのだ
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     喉元にかかった南郷の手が動き、浴衣の合わせから入り込む。胸元を手荒な手つきで撫で回されているうちに、和彦の意思とは関係ない反応として、胸の突起が凝っていく。それを待っていたように南郷の指に摘み上げられた。痛みを感じるほど強く抓られ、喉の奥から声を洩らす。「……優しくしてほしいか、先生?」 揶揄するような口調で南郷に問われ、和彦は顔を背ける。かまわず南郷が続けた。「優しくしてほしいなら、俺にも優しくすることだな」 再びあごを持ち上げられ、唇を塞がれる。同時に指の腹で胸の突起をくすぐられ、和彦はビクリと背を反らした。南郷に唇を吸われ、おずおずと吸い返す。すぐに南郷の口づけは熱を帯び、その熱に和彦は感化される。 帯を解かれ、浴衣を肩から落とされながら、南郷と唇を吸い合ってから、舌を絡める。胸の突起を指で挟まれ、くんっと引っ張られる。小さな疼きが胸に生まれ、和彦の呼吸が弾んだ。 南郷に抱き寄せられたまま、布団の上にゆっくりと押し倒され、のしかかられる。急に怖くなって南郷の下から抜け出そうとしたが、本気ではない和彦の抵抗を封じるなど、造作もないことだろう。南郷は喉を震わせるように笑い声を洩らし、露わになった胸元をベロリと舐め上げてきた。不快さに、一瞬息が詰まる。「――先生、聞きたいことがある」 顔を強張らせる和彦にかまわず、浴衣を脱がせながら南郷が話しかけてくる。「今日、クリニックからの帰りの車の中で、あんたが電話で話していた相手は、あんたの兄貴、でいいんだな?」「……そんなことまで、報告を受けているんですか」「あんたは、総和会にとって大事な会長の、オンナだ。そのうち、ビジネスパートナーにもなるようだが。とにかく、あんたも大事な存在だ。守るうえで、あれこれと知っておかないとな」 南郷の手が下着にかかり、さすがに制止しようとしたが、ささやかな抵抗など嘲笑うように一気に引き下ろされ、脱がされていた。南郷の前に裸体を晒し、たまらず和彦は顔を背けたが、視線の先には、掛け軸の中の金魚がいた。「電話の相手は……兄です」「揉めていたよ

  • 血と束縛と   第31話(10)

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  • 血と束縛と   第31話(7)

     礼を言って車に乗り込むと、途端に疲労感に襲われる。それと同時に、こめかみがズキリと痛んだ。明け方まで何度も守光の様子をうかがっていたため、睡眠不足気味だということもあるが、外の曇天具合を見るに、気圧のせいかもしれない。 もしくは悪い前触れか、と考えたところで和彦は、これは不吉すぎるなと、ブルッと身震いをしていた。** 午前中の最後の患者の施術を終え、手を洗いながら和彦は一声唸る。すぐに治るかと思われた頭痛に、まだ苛まれていた。我慢できないほど痛いというわけではないが、神経に障る。 鎮痛剤を飲む前に、何か食べておいたほうがいいのだろうと思いながらも、外に出るのが億劫だ。なんといっても、クリニックの外で待機しているのは、総和会の護衛なのだ。男たちの視線を気にかけつつ食事をするのは気が進まない。仕方なく和彦は、近くのコンビニに弁当を買いに行くというスタッフに、自分の分も頼む。 平日は、自分の足で歩くといえばクリニック内がほとんどのため、昼食時は数少ない外の空気を吸う機会なのだが、そうもいっていられない。「……ああ」 デスクの引き出しに入れておいた携帯電話の電源を入れて、小さく声を洩らす。千尋からの留守電を聞いた和彦は、仮眠室に入ってから電話をかける。待ちかねていたように、千尋はすぐに電話に出た。「今、話して大丈夫なのか?」『うん。じいちゃんが使っている個室にいるから、平気。そのじいちゃんは、検査に行ってるよ。先生から説明受けたけど、心電図をとる機械をつけたまま、明日まで過ごすんだって』「それで、会長の様子は?」 一度はベッドに腰掛けた和彦だが、外が気になって窓を開けてみる。相変わらず天気は悪いが、雨は降っていない。午後から天候が荒れるのではないかと、ふと考える。昨日から今日まで気忙しく過ごしていたため、天気予報を見ていないのだ。『心配ないよ。調子が悪そうって感じでもないし、泰然自若としてる。むしろ俺のほうが、何かあるんじゃないかって、緊張で胃がキリキリしてさ』「怖いことを言うなよ。ぼくまで胃がどうにかなるだろ」『――心配してくれてる? じいちゃんと

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  • 血と束縛と   第3話(33)

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  • 血と束縛と   第3話(36)

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  • 血と束縛と   第4話(27)

    「――先生」  呼ばれて、おずおずと振り返ると、そこに真剣な賢吾の顔がある。何か言われたわけでもないのに、和彦は小さく喘いでから賢吾の唇にそっと自分の唇を重ねた。すると、賢吾のもう片方の手に、和彦の柔らかな膨らみは包み込まれる。 「ひっ、あぁっ」  泡で滑る手に柔らかく揉みしだかれ、たまらず和彦は、ビクッ、ビクッと腰を震わせ、背をしならせる。下肢が、甘く溶けてしまいそうだった。 「あとでたっぷり、ここを揉んで悦ばせてやる。最近、弄られるのがよくなってきたみたいだからな。今は、洗うだけだ」  賢吾の的確に動く指は貪欲に、和彦の官能を刺激する

    last updateآخر تحديث : 2026-03-19
  • 血と束縛と   第4話(2)

     また指で呼ばれ、和彦は賢吾のあとについていく。工事後は待合室となるホールでは、施工業者の人間が集まって持ち込む機材について話し合っている。その様子を一瞥した賢吾は、奥の部屋へと向かう。 「……護衛の人間は?」  ホールを見て、賢吾が一人でこのフロアにやってきたのは確認した。 「物騒なツラした人間を、一般の業者がいる場所に連れてくるわけにはいかないだろ。設計士は前からの馴染みだが、業者のほうはそうじゃないんだ。クリニックを始める前に、妙な噂は立てたくない」 「自分は物騒なツラじゃない、と言いたいんだな」  皮肉でもなんでもなく、思ったまま

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