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ワインと呟き

last update Last Updated: 2025-11-04 08:00:35

ワインは全身に程よく浸透していきながら、脳にも酔いを回していく。

いつもの思考力と冷静さなんてそこにはなくて、あるのはただ自分の欲情に溺れるだけ。

碧生なんて呼ばれても、何も嬉しくない。

あたしは『九条家』の長女としてではなく、ただの「あおい」と呼んでもらいたい。

そんな事を人に呟くと、碧生は碧生でしょ?なんて皆頭に疑問符を並べるの。

あたしの名前を呼ぶ時は、皆九条家を通してあたしを見ているのが現実。

誰にも気持ちなんて分かると思わない。そう思っていたの。ケイジと出会うまでは。

彼は碧生の事を『九条碧生』としてではなく、ただの『あおい』として見てくれる。接してくれる。

だから有難いと思うの。

イスズもそうよ、彼と同じ。

ただビジネスが絡むか、絡まないかの違いなだけ。それでも凄く大切にしてくれている。

ビジネスが絡んでしまうとね、色眼鏡で見られるから、最初は凄く抵抗があったけど、今では全然、あたしが人間らしく人を『信用』しているのは珍しい事で、お父様が今のあたしを見て、驚いていた位なの。おじい様はどうだか、分からないけれどね…。あの人は碧生より蓮が大切で特別だから、あたしを見る事も、選ぶ事もないと思うの。

本音を言えば、姉であるあたしが皆から選ばれるのが『当たり前』そこには人間の感情なんていらない。プラスかマイナスかでどちらを候補者として選ばなくてはいけない。

そこにあたし達『姉妹』の人格は評価されないし、必要ないの。

悲しい事だけど、それが現実なのだから、何も出来ない。ただ周りの言う通りに動くだけ。

ただの操り人形としてね。

あたし達『姉妹』を争わせて、家を潰す為に動いている勢力も確認されているけど、それはあたしの勢力と蓮の勢力とは別物の話。姉
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