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第203話

Author: 猫ちゃん
「これは素晴らしいです。ますます、凪さんの経歴を改めて詳しく拝見したくなりましたね」

黒崎グループの役員たちが、再び熱のこもった議論を交わし始めた。

渉は、凪の表情を確かめようとした。

しかし、凪は何事もなかったかのように椅子に深く腰掛け、淡々と資料に目を通していた。

まるで……たった今のやり取りが、どうでもいいとでもいうように。

どうしてだ?

大勢の前で愛人だと呼ばれても、何も気にしないのか?

凪は以前、自分といた時ですら、こんなに気持ちを我慢することはなかったというのに。

渉の胸が締め付けられた。

渉の刺さるような視線に凪は居心地の悪さを覚え、顔を上げる気になれなかった。

30分後。

「ミツキホールディングスと恒業グループを、ひとまずの候補といたします」

周囲の者たちもこの結果に意外ではなく、黒崎グループの役員たちも退室の準備を始めた。

外に出ると、辺りはもう暗くなっていた。

渉は凪を追いかけ、家まで送ろうとした。

「一人じゃ、危ないだろう」

「心配いりません」

その時、別の声が割って入った。

渉と凪が驚いてそちらを見ると、車から降りた隆が、恭し
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