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第204話

作者: 猫ちゃん
高級レストランにて。

音楽が優雅に流れ、着飾った人々が食事を楽しんだ。

テーブルの真ん中には赤いキャンドルとバラの花が置かれていた。狭い二人用テーブルに書類を広げる余地はなく、食器だけで埋め尽くされていた。

凪は眉を上げ、向かいの渉を冷ややかに見つめた。

「商談をするには、少々不適切な場所だと思わないの?」

「ここが一番いいレストランだと聞いたんだ。凪の好きな料理もあるしね」

渉は何でもないことのように、淡々と説明した。

だが、予約されている席は窓際の特等席だ。すぐそばには賑やかな商業施設が並び、少し向こうには美しい夜景が広がっていた。

並んだ料理の数々は、どれも凪の好物ばかり。

まるで昔のようだった。

凪は自分と渉がまだ恋人同士だった時のことを思い出した。

しかし凪は食欲がなく、景色を楽しむ気持ちもなかった。彼女はフォークすら握らず、視線を落として冷たく言った。

「好きな料理は、食事を共にする相手のせいで台無しになるものね。仕事の話をしないのなら、私のプライベートの時間を無駄にしないで」

凪がナプキンを外し、席を立とうとすると、渉に引き留められた。

「大地
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