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第530話

Author: ドドポ
それは、息が詰まるほど圧迫感のある教室でのことだった。

彼らは「生徒」と呼ばれていたが、実態は「囚人」と同じだった。

洵が初めて「雪」を見た時、彼は確かに彼女から目を離せなかった。

彼女はひどく特別だったからだ。

シルバーグレーに染められた長い巻き髪、口元には無骨な歯列矯正のワイヤー、そして瞳には誰にも従わないという反抗的な光が宿っていた。

顔立ちは端正だったが、頬には目立つそばかすがあった。

そのため、当初の洵は「雪」を美しいとは思っていなかったのだ。

洵は澪の寝顔をじっと見つめながら、なぜかその顔をかつての「雪」の面影と無意識に重ね合わせていた。

「違う……」

洵はゆっくりとまぶたを閉じ、その考えを振り払うように強く首を横に振った。

俺はもう、雪を探すのはやめたんだ。

あの時、俺が雪との再会をあまりにも強く渇望し、焦りすぎていたからこそ、あのピアノの旋律を聞いただけで、千雪を雪だと盲信してしまったのだ。

あの日、少年院の門前で一晩中雨に打たれ続けた夜。

俺は、過去の自分と完全に決別したのだ。

俺はもう、過去を振り返らず、前へ進むと決めた。

過去の俺は、
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    それは、息が詰まるほど圧迫感のある教室でのことだった。彼らは「生徒」と呼ばれていたが、実態は「囚人」と同じだった。洵が初めて「雪」を見た時、彼は確かに彼女から目を離せなかった。彼女はひどく特別だったからだ。シルバーグレーに染められた長い巻き髪、口元には無骨な歯列矯正のワイヤー、そして瞳には誰にも従わないという反抗的な光が宿っていた。顔立ちは端正だったが、頬には目立つそばかすがあった。そのため、当初の洵は「雪」を美しいとは思っていなかったのだ。洵は澪の寝顔をじっと見つめながら、なぜかその顔をかつての「雪」の面影と無意識に重ね合わせていた。「違う……」洵はゆっくりとまぶたを閉じ、その考えを振り払うように強く首を横に振った。俺はもう、雪を探すのはやめたんだ。あの時、俺が雪との再会をあまりにも強く渇望し、焦りすぎていたからこそ、あのピアノの旋律を聞いただけで、千雪を雪だと盲信してしまったのだ。あの日、少年院の門前で一晩中雨に打たれ続けた夜。俺は、過去の自分と完全に決別したのだ。俺はもう、過去を振り返らず、前へ進むと決めた。過去の俺は、あの初恋に対して本気だった。そして今の俺は、この澪に対する感情に本気なのだ。洵はゆっくりと、澪の顔に近づいていった。澪の寝顔には、彼を強烈に引き寄せる魔力があった。彼の視線は、微かに開いた、規則正しい寝息を立てる彼女の赤い唇に吸い寄せられた。洵の鼻腔に、甘いフルーツのような香りがふわりと届いた。それが澪の塗っているリップグロスの香りなのか、それとも彼女の唇そのものがこんなにも甘い香りを放っているのかは分からなかった。洵の耳には、自分自身の激しい心臓の鼓動がはっきりと聞こえていた。彼はさらに身を乗り出し、自分の唇を彼女の唇に重ね合わせようとした。しかし、二人の唇が触れるか触れないかというその瞬間、澪がふいっと顔を反対側へと背けてしまったのだ。洵は眉をひそめ、不満と、そして少しの未練を感じた。澪は目を覚ましてはおらず、まだ深い眠りの中にいた。彼は静かにため息をついた。本当なら、澪の顔を強引にこちらへ向かせ、そのままキスを奪うことなど造作もなかった。しかし、澪を起こしてしまうことを恐れた。彼女はひどく疲れているようだった。洵は、彼女

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