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第5話

Author: 天然水
真司は駆け寄ってくると、私の荷物を載せたカートの前に立ちはだかった。

私だと気づいた途端、その顔から血の気が引く。

「どうしてここに?どこへ行くつもりだ?ここは国際線の出発ロビーだぞ」

私は彼の手を振り払った。

「私を追いかけてきたの?」

真司は一瞬、言葉を失った。

その背後から、絵里が彼の名前を呼びながら足早に駆け寄ってきた。

私は皮肉げに笑って言う。

「忘れたの?私たち、もう別れたでしょう。早く戻ってあげて。あなたの婚約者が待ってるから」

真司は信じられないというように目を見開いた。

「別れって、本気なのか。

こんなに長く一緒にいたんだぞ。それでも俺を置き去りにするつもりなのか」

絵里が真司の腕に触れようとしたが、彼に乱暴に振り払われた。

真司は私の肩を強くつかみ、目を赤くしながら低く言った。

「そんなの認めない。どうして、もう少しだけ待ってくれないんだ。

あと少しなんだよ。あと少し待ってくれれば、俺は……」

私は何も答えず、静かに彼の腕の内側へ視線を落とし、そして、絵里の腕を指差す。

「先に私たちの約束を裏切ったのは、あなたでしょう」

二人の記
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