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第1018話

Author: 風羽
桐島霞は実に如才ない人だった。

お正月早々なのに大変な役目を引き受けてくれた。桐島霞は感謝の気持ちを込めて、10万円の交通費を使用人に渡した。おかげで相手も文句一つ言わず、翌日にH市へ飛んだ。飛行機が着陸するとすぐ、桐島邸へと向かった。

桐島宗助は重要な人物だったため、お正月の時期でも家にはほとんどいなかった。

挨拶回りで家を空け、慰問などに追われていた。自宅に戻ったのは、夜9時半を回っていた。

彼が車から降りると、家の使用人が駆け寄り、小声で言った。「奥様が人を使って招待状を送ってきました。お昼頃に届いたのですが、重要な用事があるようで、その方は8時間くらいもじっと待っていたのです」

桐島宗助はわざと優雅に歩きながら、微笑んで言った。「なぜ、彼女が俺のことを思い出したんだ?もしかして.....」

後半の言葉は、彼は口にしなかった。

彼は桐島霞にうんざりしていて、彼女に会う気はなかった。

二階に上がり、書斎で一口お茶を飲んで仕事に取り掛かろうとしたが、どうも落ち着かない。そこで首をゆっくり回し、中村秘書を呼んで言った。「招待状を持ってきてくれ。会わないけどな」

中村秘書はすぐに言われた通りにした。

5分ほどで、彼は招待状を持ってきて、桐島宗助に渡した。

桐島宗助は彼に部屋から出ていくように言った。

静まり返った夜、彼は招待状を開いた。中には、元妻の切々とした直筆のメッセージが綴られていた――

【宗助へ。

新年あけましておめでとうございます。急ですが1月6日に、家で小さなパーティーを開こうと思っています。お正月のお祝いと、私たちの間に新しい命が訪れたことを周りの友達にお知らせする為です。

前回のような別れ方をしたので、あなたがこの招待に応じたくない気持ちも分かります。しかし、私たちには長年連れ添った夫婦の縁があり、私たち親子に会うのを拒むほどあなたは冷たい人ではないでしょう。芽依もあなたに会いたがっていて、毎晩泣いています。まるであなたを呼んでいるように聞こえます。どうか、この気持ちが少しでも伝わればと思っています。

宗助、芽依ちゃんは神様からの贈り物です。

家族が一緒に過ごせることを願っています。

霞より】

......

桐島宗助は一言一句、何度も読み返した。

彼は背もたれに寄りかかり、白いタバコに火をつけた――

淡い青色
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