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第148話

Auteur: 風羽
しばらくして、彼はようやく動きを止めた。

彼は彼女の柔らかな唇に自分の唇を寄せ、囁くように言った。「彼を好きになるな!」

九条薫は彼を押しやり、冷淡な口調で言った。「食事の予約を取る!好きとか嫌いとか、子供っぽくない!」

彼女は彼に引き戻された。

藤堂沢は再び彼女にキスをした。彼女を抱き上げてキスをした。結婚して数年、九条薫は藤堂沢がこの事でどれほど夢中になれるのかを初めて知った。彼が彼女を下ろすと、彼女のすらりとした両足は震えが止まらなかった......

彼女は先ほどのできごとを思い出すのも恥ずかしく感じた。

藤堂沢はまるで獣だ!

彼の上品な外見はただの偽装で、根は好色で下劣な男と何ら変わりはない......むしろ、もっと激しい。

九条薫の心は動かなかった。

彼女は藤堂沢を深く愛していた。彼の気品、富、そして必要な時には見せる優しさと思いやり......これらは、恋に憧れる若い女性にとっては抗しがたい魅力だろう。

しかし、九条薫は彼に3年間も傷つけられてきた。

3年という歳月は、どんなに熱い心も冷ましてしまう。彼女はもはや、藤堂沢が自分を愛しているとは感じていなかった。

もし彼が彼女を愛しているなら、さっき玄関で彼女にああいうことはしない。彼にとっての彼女の好意は、結局体の関係でしかない。彼女といると気持ちが良く、満足できるから......すべては独占欲のせいだ!

飽きたら、自然と身を引くだろう。

その時、彼女は自分の心を保てる。

......

実は藤堂沢はかなり忙しかった。最近、彼自ら携わらなければならないプロジェクトがあった。

それなのに、九条薫が彼を困らせていた。

彼はH市まで彼女を追いかけてきたが、会社での多くの仕事も放っておけず、夜には幹部と会議を開いた。

会議が終わると、既に午前1時だった。

九条薫は眠っていた。

藤堂沢は浴衣を取りシャワーを浴びて、ベッドに横たわると、九条薫を優しく抱きしめ、彼女の手に触れた。実は、彼は彼女が起きていることを知っていた。呼吸のリズムで分かったのだ。しかし、彼女がとぼけているのを彼はあえて指摘しなかった。一日疲れていたので、彼女とそういうことをする気力もなかった。先ほどの玄関でのことは、ただ軽く彼女を満足させただけだった。

彼は彼女が理性を失う姿が好きだった。

夜はますます更
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