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第684話

Penulis: 桜夏
翼は親指を立てて言った。「君は本当に、とんでもない名利に淡泊な御仁ですね」

透子はその言葉の裏を読み取り、説明した。

「私にただ、もっと大事な条件と交換しただけです」

翼はそれを聞きながら思った。数千億円もの大金より価値のあるものとは、一体何だというのか。透子にあっさりと断らせるほどに。

彼が尋ねると、理恵が代わりに答えた。

それを聞いた翼は絶句した。

今度は、先ほどよりもさらに、自分の気持ちをどう表現していいか分からなくなった。ツッコミを入れる気力もなく、言葉も出なかった。

数秒が過ぎ、翼はかすかに微笑んで言った。

「如月さん、あのお金があれば、僕のチームを生涯雇って、プラチナ待遇で君を全力でサポートできますよ。僕自ら、新井を相手取って裁判を起こします。

なんなら、僕を君のボディーガードにすることだってできます。うちの事務所の弁護士全員に、空手や柔道の段位を取らせることだってできますよ」

その言葉を聞き、透子は思わず笑みをこぼし、例え話で言った。

「藤堂さん、そのご提案はとても魅力的ですけど、蚊は叩いても死なないし、蚊帳を張っても周りでブンブンうるさいんです。

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