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第1298話

Autor: 小春日和
「なぜ追わない?追え」

2階の奥から、低く重厚な男の声が響いた。

その人物は全身を黒いマントに包み、白い仮面で顔を隠し、声も変成器で加工されたものだった。

泰一が言った。「福本家を刺激しても何の得にもなりませんよ」

「ここは海城だ。たかが福本家ごとき、刺激したところでどうということはない」

その人物が軽く手を上げると、背後にいた男たちが一斉に階下へ駆け下りた。

会場に集まった人々は事態が飲み込めず、記者団のカメラもす強制的にシャットダウンされた。

「何をするんだ!」

記者たちは次々とホテルから追い出され、誰もが思わず冷や汗をかいた。

海城で数十年の経験を持つ彼らは、今夜このロイヤルホテルで必ず激しい争いが起こると予測した。

彼らにできることは、亀の首を引っ込めるようにじっと待機し、余計な口を挟まないことだけだった。

「どいて!福本のお嬢様を傷つけたら、命で代償を支払うことになるわよ!」

幸江は男たちを脅していたが、真奈は会場から迫る足音を察知していた。「美琴さん、状況がおかしいわ。急いで逃げましょう!」

「怖がる必要なんかないでしょ?彼らは私たちに手出しできな
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