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第762話

Auteur: 小春日和
「もう帰ったぞ」立花は眉を上げて言った。「どうした?怖気づいたか?」

「そりゃ怖いよ。立花総裁が女囲ってるなんて、楠木さんにバレたら説明つかないでしょ?」

「女を囲ってる?お前のことか?」

「他に誰がいんのよ?」

真奈は自分の体をちらりと見下ろして言った。「その楠木さんって、私よりきれいだったりするの?」

立花は真奈を上から下まで見て、淡々と答えた。「腰はあいつより少し細い、顔も少し整ってる……だが、悪知恵が……ちょっと多いな」

「どうもー、褒められて光栄だわ」

「褒めてないぞ」

立花は真奈を無視してくるりと背を向け、言い放った。「五分やる。下で車に乗れ」

そう言い残し、立花は階段を下りていった。馬場はその後ろからついてくる真奈の姿を見て、顔をしかめながら言った。

「ボス、楠木さんには瀬川さんを出ていかせると約束されたのでは?」

「ただの口約束だ。本気にするな」

それは女をあやすための方便にすぎない。楠木のひと言で、こんなに使える駒を手放すはずがなかった。

「はい」

そのとき、後ろから二人の会話が聞こえ、真奈が前に出てきて言った。「ねえ、さっき私の悪口言って
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