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第26話

Auteur: かぜわら
あの日からずっと。千晃は声を持たない影のように、私の傍でひたむきに見守り続けてくれていた。

ずっと後になって知ったことだが、千晃には私に隠しているもう一つの大きな秘密があった。

伯母のメアリーから譲り受けたあの会社――実は、すべて裏で千晃が手を回して準備していたものだったのだ。彼は海を隔てたこの遠い故郷の情報を早くから調べ上げ、私がいつ傷ついて逃げ込んできてもいいように、前もって万全の環境を整えてくれていたらしい。

恩着せがましく手柄をひけらかすこともなく、ただ私が歩きやすいように花道を敷き、私が自分から振り向いてくれるのを黙って待っていてくれたのだ。

「ねえ千晃さん、まだ質問の答えを聞いてないわよ」

私は彼を見上げ、少しだけ甘えるように拗ねた声を出して、昔に思いを馳せている彼を現実へと引き戻した。

千晃は目を細め、底知れぬほどの愛おしさを目尻に滲ませる。

「……ずっと、ずっと昔から好きだったんだ。マリアさんがおれの存在を知るより、ずっと前からな」

甘い蜜を孕んだような低くて優しい声が、耳元を撫でる。

「焦らずゆっくりいくつもりだった。君が完全に心を開くまで、どれだけ
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