Semua Bab (改訂版)夜勤族の妄想物語: Bab 421 - Bab 430

482 Bab

6. 「あの日の僕ら2」⑨

-⑨ 離れた理由- ラムネと駄菓子を存分に楽しんだ高校生たちは各々の家路についた、1つ先の通りにある交差点で二手に分かれて帰って行った。 まだ昼の2時だったのでゆっくりと景色を楽しみながら守は家までの道を歩いた、無意識に笑顔がこぼれて自然に鼻歌や口笛が出ていた。 守が家に到着し、玄関の鍵を開けて引き戸を開けると奥からテレビの音が漏れていた。守(当時)「あれ?母ちゃん、今日休みなのかな・・・。」 普段、母の真希子はパートの仕事に出ているはずの時間帯なので音がはずは無かったのだが今日は違うみたいだ。 廊下を歩くと、リビングの入り口から真希子がテレビを見ているのが見えたので守は一先ず一言声を掛けた。守(当時)「母ちゃん、ただいま。」真希子(当時)「ああ、守。お帰り、あれ?あんた今日お昼までじゃ無かったのかい?思ったより遅かったじゃないか。」守(当時)「ああ、ごめん。久々に真帆ちゃんに会ってね、一緒に駄菓子屋に行ってたんだ。」真希子(当時)「真帆ちゃんって、あの圭ちゃんの親戚の子かい?子供の時からずっと髪型が変わらない子だね。」守(当時)「母ちゃん覚えてたのか、すごいな。」真希子(当時)「あんた、まさかあんな可愛い女の子の事を忘れてたとか言わないよね。」 何故か言葉に圧がある真希子、守は少したじろぎながら答えた。守(当時)「ちゃ・・・、ちゃんと覚えてたさ。」真希子(当時)「本当かい?まぁ、いいか。それにしても寄り道して駄菓子屋だなんて、今の学校は随分寛大なんだねぇ、まっすぐ帰れって言われなかったのかい?」 何故かやたらと詮索してくる母、守はこれはただ事じゃないと察知してリビングに入りソファに座った。守(当時)「全然、それに母ちゃんも昔寄り道とかしたろ?」真希子(当時)「そりゃあね、母ちゃんも昔はよく渚と寄り道して商店街にある肉屋のコロッケを買ったもんさ。それはそうとあんた、ちょっと話があるんだ。取り敢えず着替えてからまたここに来てもらえるかい?」守(当時)「嗚呼・・・。」 守はそら来たと思いながら自室に戻り、制服から部屋着に着替えた。話が終わり次第やろうと思っているので、鞄から数学の問題集を取り出しておいた。 守がリビングに戻ると真希子は先程と同じ体制で座っていた、息子に緊張感を持たせない為なのだろうか。守(当時)「母ちゃん、来
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-03
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6. 「あの日の僕ら2」⑩

-⑩ 真実を知る- 卒業式の後、友人に呼び出された真帆は守の制服から第2ボタンを引きちぎり大事に持ちながら友人の元へと向かった。本当は守が行く予定の高校を聞いた後、告白するつもりだったのだがどうやら次の機会になりそうだった。 守も地元の公立ではなく私立の「西野町高校」に通う事をこの日に伝えるつもりだった、なので校門前か先日の駄菓子屋でずっと待つつもりだった そんな中、校庭中に爆音が響き渡った。そこにいた全員が音の方向を見ると紫色のスポーツカーが土煙を上げて走っていた。 皆と同様に爆音に驚いた真帆は汗をかきながら音の方向を見た。真帆(当時)「何あれ・・・。」友人(真帆)「あれ、「紫武者(パープルナイト)」じゃない。ほら、「赤鬼」と一緒でここら辺で有名な走り屋。」真帆(当時)「あれがそうなの?初めて見た。」 そう、真帆は「紫武者」を見た事が無かったのだ。幼少の頃、真希子が愛車にカバーを被せていたのがその理由だった。 皆が紫のスポーツカーに憧れの視線を向ける中でただ1人、守は嫌な予感がしていた。守(当時)「ま・・・、まさかな・・・。」 そのまさかだった。母の真希子が愛車で卒業式に来ていたのだ、しかもド派手な着物で。真希子の車は校門前に立つ守の目の前に止まった。真希子(当時)「守、早く乗って。そこら辺の奴らがじろじろ見るもんだから急いで帰るよ。」守(当時)「母ちゃん・・・。これで来るからだろ、流石に目立つって思わなかったのか?」真希子(当時)「仕方ないじゃないか、いつものバンが修理中なんだから。ほら早く乗って、またじろじろ見られているから。」守(当時)「真帆ちゃんを待っているんだよ、まだ県立じゃなくて西野町高校に行く事を言ってなかったからさ。」真希子(当時)「そんなの後で言えば良いだろ、それより買い物に行くから手伝っておくれ。」守(当時)「おいおい・・・、まさかこれで行くのか?流石に1回帰ろうぜ、それに母ちゃん着物だろ?!」真希子(当時)「今はこれ以外足が無いんだから、ほら行くよ。」守(当時)「ったく・・・。」 守は仕方なく車に乗り込んだ、これがきっかけで「紫武者」が守の母親だとバレてしまった様だ。 守が車に乗ってから数分後、息を切らしながら真帆が戻って来た。しかし辺りを見廻しても守の姿は無い、その真帆に守の友人が声を掛けた。友
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6. 「あの日の僕ら2」⑪

-⑪ 贖罪として- 真帆は守をギュッと抱きしめ泣き続けた、数年もの間大好きな人に会えなかったから当然の事だ。真帆「昔の事なんてどうでもいい、約束なんてどうでもいい、だって真帆の目の前に会いたかった守兄ちゃんがいるんだもん。大好きだよ、守兄ちゃん。」 大抵の男なら思わず嬉しくなる一言だが未だに好美への想いが心の中に残る守は返事に困っていた、守にとって真帆はただの幼馴染で決して思いを寄せる恋人ではない。守「ごめん・・・。」 守は真帆を引き離した、その行動により真帆は心に大きな傷を負った。真帆「どうして・・・?」守「俺には亡くなった好美っていう恋人がいる、俺は好美が最初で最後の恋人だって思ってた。今の俺は新たな恋に踏み出せそうもない、ごめん・・・。」 失意の念に駆られた守はソファに座り込んだ、真帆の気持ちを裏切ってしまった罪は決して軽くはない。すれ違いとは言え、守はあの時ちゃんと西野町高校に通う事を伝える事が出来なかった事を反省した。真帆「さっきも言ったじゃん、昔の事なんてどうでもいい!!ずっと・・・、ずっと・・・、会えると信じて、気付いて貰えると信じてこの髪型にしていたんだよ。」 確かにそうだ、女の子が幼少の頃からずっと同じ髪型にしているなんてよっぽどの事だ。真帆「今目の前に大好きな守兄ちゃんがいる、それだけでいい!!」守「真帆ちゃん、俺には何が出来る?せめて、今までの償いをさせてくれ。」真帆「なら・・・、なら・・・、守兄ちゃんを1日独り占めしたい!!」 守は少し動揺した、空の向こうにいる好美に申し訳なく思ったからだ。しかし真帆を裏切り何年も何年も待たせてしまったのは真実だ、真帆の願いを叶えなければならない理由としては十分といったところか。 守は圭の方に一瞬振り向いた、圭は少し悔しそうだったが渋々首を縦に振った。圭「仕方ないね、真帆に譲るか。」 ただ守は決して圭の物では無い、というよりは誰のものでも無い。強いて言うなら好美の物なのだろうか。真帆「真帆嬉しい!!今までの事、全部忘れても良い位嬉しい!!」守「でも・・・、俺には好美が・・・。」圭「もう過去の恋よ、いつまで引きずってるつもり?」守「俺にとって好美は何よりも大切な存在なんだ、好美のいないこの世界に生きる価値なんてあるのかよ!!」 圭は涙を流しながら守に強くビンタした、
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6. 「あの日の僕ら2」⑫

-⑫ 試着- 2人は待ち合わせ場所からゆっくりと歩きだした、別に恋人同士と言う訳でも無いので歩幅を合わせたり手をつないだりと言う心遣いは全く持って無い。 朝早い時間帯が故か、そこら辺中通勤中のサラリーマンやOL、そして通学中の学生達が右往左往していた。 そんな中、互いに休みだった2人は一先ず緑色の看板で有名な全国チェーンのカフェに入った。珈琲の良い香りがそこら中に広がる中、2人は珈琲やサンドイッチ、そしてクロワッサンを頼んで屋外のテラス席へと向かった。真帆「今日、何しよっか?」 突然決まった事なので別に予定が決まっている訳では無い、しかし実際に行動しながらこの後の予定を一緒に決めるのも楽しみの1つと言っても良いのではないだろうか。 しかし、今でも好美以外の女の子と出かけるイメージが無かったから守は全くもって案が浮かばなかった。守「真帆ちゃんに任せるよ、何がしたいとかある?」真帆「真帆、守兄ちゃんと服見に行きたい。」守「う・・・、うん・・・。」 守は少し抵抗した、初めて好美と出かけた時も衣服を買いに行った事を覚えているからだ。でも背中を押してくれた好美の気持ちには少しでも応えたいという思いがあった。 守は念の為に財布と相談し始めた、一応財布の中には十分な資金が入っていた。しかし、あの時みたいに奮発する必要があったのだろうか。守「まぁ・・・、良いか・・・。」 守はこう呟きながら財布をポケットにしまった。真帆「何が良いの?」 どうやら守の独り言は真帆に聞こえていたらしい。守「何でも無い、行こうか。」真帆「うん・・・。」 真帆は少し寂しそうな顔をしながら店へと向かった。 店へと入ると、真帆は数点ほど手に取って姿見を見ながら合わせていった。守は今度こそ失敗するまいと必死について行った、前回は別の場所で服を見ていたので好美に怒られた事を覚えていたからだ。真帆「守兄ちゃん、真帆試着したい。」守「勿論良いよ、しておいで。」 真帆は手に取った数着ほどを持って試着室へと入り、数分程ゴソゴソと動いた後に守に声を掛けた。真帆「守兄ちゃん、目の前にいる?」守「うん、いるよ。」真帆「新しい服を着た真帆の姿見てくれる?」守「勿論、見るよ。」真帆「守兄ちゃん・・・。」 真帆は試着室のカーテンを開きながら意味深げに聞いた。真帆「ずっと真帆と
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6. 「あの日の僕ら2」⑬

-⑬ 何も失いたくない- 少し気まずく、暗くなってしまった雰囲気を何とかしようと2人は店を出て屋外へと出た。外の空気を吸いながら散歩でもしようという事なのだろうか、店を出ると2つ先の交差点の向こうから何となく良い匂いがして来る。空腹により匂いに気づいた真帆は守の腕を引いて近辺にあるのぼりを指差した。真帆「守兄ちゃん、お腹空いた。向こうの公園にキッチンカーが来ているんだって、行ってみない?ほら、お酒の屋台もあるみたいだよ。真帆、ケバブでビール呑みたい。」 偶然にも2人は歩きで来ているのでビール片手にケバブ等の料理を楽しもうという事になった、汗が滲む程の今現在の暑さでは一番欲しくてたまらない組み合わせだ。 ただ2人には1つ気になる事があった、先程からパトカーのサイレンが鳴り続けていたのだ。真帆「何だろ、うるさいね。」 真帆の言葉を聞いた買い物帰りの女性が声を掛けた、見た目50代位の感じだ。女性「あれね、信号無視を続けてる暴走車がまだ止まって無いんだって。」真帆「何それ、怖いですね・・・。」女性「まぁ心配しなくても良いんじゃない、この歩道歩いていれば大丈夫よ。」 そんな中、遠くのパトカーからスピーカーの警官の声が響いていた。ただ何処からか頼りなさを感じる台詞なのだが。警官①「そこの車、止まりなさーい・・・。えっと・・・、止まらないと・・・、お前のアイス食べちゃうぞ・・・!!」 勿論そんな言葉で暴走車が止まる訳が無い、ただスピーカーからは別の警官の声もした。どうやら、先輩警官らしいのだがこっちも何となく頼りない。警官②「馬鹿かお前は、アイスは駄目だろう。ほら、止まらないとお前の・・・、ラムネ飲んじゃうぞ!!」警官①「先輩もじゃないですか、ラムネって何なんですか。」警官②「暑い時はラムネだろ、俺はそうだぜ。」 警官達の頼りないやり取りを響かせている中、街中の警察署では美恵と文香が調べものをしていた。特に美恵は気になる事が数点あるらしく、長年のパートナーである文香の力を借りる事にした。美恵「文香、ちょっと良い?」文香「何、どうした?」美恵「好美が働いていた工場の我原 悟って何処に住んでいるか分かる?住民票が見つからないのよ。」文香「この前偶々聡さんのカフェに行ったんだけど、一緒には住んでいないみたいよ。それで私聞いてみたんだけど、今の居
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6. 「あの日の僕ら2」⑭

-⑭ 暴走行為の裏には- 2重の恐怖から真帆はずっと泣き崩れていた、もうキッチンカーでビールどころではない。そこにこの地域にずっと住んでいるが故に2人と仲良くなっている美恵と文香が駆け寄って来た、一体どれほど足が速いのだろうか。それとも警察署の近くでずっと暴走行為が行われているのだろうか、もし後者だったのならこの辺りの警察はかなり舐められていると言えるのではないだろうか。文香「真帆ちゃんじゃない、怪我はない?守君も大丈夫?」 歩道に倒れ込む2人に手を差し伸べてゆっくりとだが起こそうとする文香、ただ2人は真帆をかばった守が少し擦りむいた以外はほぼ無事だったので自力で起き上がった。美恵「守君、あんたやるじゃない。もしかして真帆ちゃんは新しい彼女だったりして?」 好美を亡くしたという理由があるが故に少しいやらし気な口調で質問する美恵、守は傍らの刑事の質問を払いのける様に答えた。守「ち・・・、ちげぇよ・・・。ただの幼馴染だっての。」真帆「えっ・・・、真帆はまだ「ただの・・・、幼馴染」なの?」 未だに1人の女として見られていない事を知った真帆はまた再び目が潤んだ、正直今日何回目だろうか。本当、守は罪作りな男だ。守「そうだ、そう言えば暴走してたの「わ」ナンバーのレンタカーだったよ。」美恵「えっ、守君ナンバー見えたの?」 走り屋である真希子から車での被害に遭った時は真っ先に相手のナンバーを確認する様にと学生時代から教え込まれていた事が役に立った様だ、守は必死に思い出した。守「確か5ナンバー車で「25-12」だった様な・・・。」美恵「「25-12」?!文香、あの写真!!・・・って何であんたも一緒に泣いてんのよ。」文香「ごめん・・・、あれだよね・・・、ちょっと待って。」 美恵の食らいつき様が異様な位だったが故にたじろいでいた守をよそに、目の前の刑事は何故か真帆の横で泣く相棒の方を振り向いて声を掛けた。 長年の相棒である先輩に頼まれた文香は震えながら胸ポケットから1枚の書類と写真を取り出して確認した、2人の様子を見るにどうやら確証が持てたらしい。美恵「やっぱりね・・・、ビンゴだよ。」文香「美恵さん、やったね・・・。」美恵「守君、あんたお手柄だよ。後でちょっとだけお話聞かせてね。後文香、涙拭きな。」守「ああ・・・。」 真帆が無事で何よりと思う守
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6. 「あの日の僕ら2」⑮

-⑮ 既視感と涙の正体- 数分前の事、息を荒げて守の腕を強く引く真帆の様子を見て辺りを見廻した美恵は、近くののぼりや仄かに匂ってくる料理の香りからキッチンカーがすぐそこの公園に多数止まっている事を知り、懐の財布から2000円を取り出して2人を呼び止めた。美恵「ちょっと待って、これ持って行きな。守君には重要情報をくれたお礼、それと真帆ちゃんには怖い想いしたと思うから少ないけどヤケ酒代。」真帆「ありがとう美恵おば・・・、お姉さん、でも良いの?」美恵「良いのよ、個人的にお小遣いあげたくなったから何も言わずに持って行って頂戴。」守「ど・・・、どうも。」 守からすれば大したことをしたつもりは無かったので素直に受け取りづらかったが、すぐにそんな事など気にならなくなってしまった。 目的の公園に入ると先程から微かに匂って来た香りが一層強くなった、多数ののぼりと共に沢山のキッチンカーが並んでいて真帆が目を輝かせていた。真帆「守兄ちゃん、早く早く!!」守「う・・・、うん・・・。」 興奮により真帆の力が一層強くなったので守は一瞬躓きかけたが何とか追いついた、並んだキッチンカーの近くに到着すると真帆は早速吟味を始めた。真帆「何にしようかな、何から行こうかな・・・。」 真帆の「何から」という言葉に少し嫌な予感がした守は一先ずビールを買いに行く事にした、それを見かけた真帆は自分の分もと頼んでまた吟味をし始めた。 公園内にはテーブルが多数並んでいて、多くの客が飲食を楽しんでいた。守はすぐ近くに空いているテーブルを見つけるとそこに真帆のビールを置いてゆっくりと呑み始めた。 それから数分後の事だ、守の目には驚愕の光景が・・・。守「げっ・・・、マジか・・・。」 真帆が大量の料理を乗せた皿を運んで来た、ほぼほぼホテルのビュッフェ感覚と言った所か、正直言っていくらかかったか想像したくはない位だ。しかし驚くのはまだ早かった、真帆が皿を置いた瞬間に放った言葉に守は開いた口が塞がらなくなってしまったのだ。真帆「これで・・・、足りるかな?」 周りの全員から「十分だろ」と言わんばかりの視線を感じた守は一先ず真帆を座らせる事にした。守「冷めちゃったら勿体ないから食べようよ、それにビールもぬるくなっちゃうだろ。」真帆「そうだね、ごめんごめん。」 真帆は守と乾杯すると購入した料
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-08
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6. 「あの日の僕ら2」⑯

-⑯ 昔のあの事- 覆面パトカーで文香が美恵から聞いた名前に震えていた頃、公園では守が真帆の暴飲暴食っぷりに震えていた。そう、真帆は好美や桃と同様に、いや2人以上の大食いだったのだ。先程真帆が大きめの皿にかなりの量を盛って来たので食べ切れるか最初心配だったが、今は財布の方が心配になってきた。真帆「よし、お代わり盛って来よーっと。」守「おいおい、まだ食うのか?」真帆「勿論だよ、守兄ちゃんはビールのお代わり良いの?」守「いや、今から行こうかと思って。」真帆「じゃあついでに真帆の分も宜しく。」守「またかよ。」 完全に真帆の独壇場でビュッフェ感覚になってしまっている、食べ放題の焼き肉屋や某有名チェーンの餃子ならどれだけ食べるのだろうか。 守がビールを持って席に着いた数分後、真帆はまた大量の料理を皿に盛って帰って来た。先程の1皿目並み、いやそれ以上だ。一体何台のキッチンカーをはしごしたのだろうか。 2人が食事を再開すると、真帆が唐突に切り出した。真帆「ねぇ、何でさっき美麗(みれい)お姉ちゃんの名前が出たの?」守「ああ・・・、昔の事を思い出してな。」真帆「それ聞いても良い話?」守「俺から話すのは少し酷な気がするな、美麗(メイリー)が良いなら良いけど。」 すると守の背後から聞き覚えのある女性の声が。女性「何?呼んだ?」守「美麗(メイリー)!!」真帆「美麗(みれい)お姉ちゃん!!」美麗「守君と真帆ちゃんじゃない、もしかして2人出来てるの?」守「いや、腹減ったから飯食ってるだけだよ。それにしても今日は店に出なくて良いのか?」美麗「パパが人数が揃っているから大丈夫だって、それに今日は仕事も休みだったの。」 美麗は全国でチェーン展開をする宅配ピザ屋の会社に就職して休みの日は松龍の手伝いをする日々を送っていた、勿論時給制でのお小遣い制度は未だに健在だ。美麗「それより何で私の名前が出たの?」守「ああ・・・、昔の事を思い出してな。ただその事を真帆ちゃんに話しても良いのかなって考えてたんだよ、ほら秀斗の・・・。」美麗「ああ・・・、そういう事ね。じゃあ私から話すからビール買ってきて。」守「お前もかよ・・・。」 美麗に小銭を渡された守はビールを買いに席を立った、酒の屋台に客が少し並んではいたが難なく購入できた。 守が席に戻ると美麗の話を聞いた
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-10
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6. 「あの日の僕ら2」⑰

-⑰ 一緒だった理由- 守達のテーブルに駆け寄った香奈子は揚げたての春巻きに齧りついて口をハフハフさせていた、熱さを凌ごうと美麗からビールを奪い取り一気に吞み干した。香奈子「やっぱ合うわ、最高!!」美麗「私のビール!!守君買いなおしてきて!!」守「何で俺だよ、自分で行ってこい。」香奈子「あ、私の分も宜しく。」美麗「ぶーっ。」 美麗は頬を膨らませながら駆け足でビールを買いに行った、それを見送って守が香奈子に話しかけた。守「結婚式場の下見に行ってたんだろ?美麗が一緒に行っても良かったのか?」香奈子「何言ってんのよ、美麗がいてこその下見じゃない。」 香奈子も美麗と同じ事を言っているがどういう事だろうか、不思議に思う守の目の前に大量のビールが置かれた。美麗「お待たせ、重かった!!」守「お前これだけ全部呑むつもりか?」美麗「守君も呑んで良いよ、勿論真帆ちゃんもね。」真帆「ありがとう、美麗お姉ちゃん。」 守はさっきから気になっていた事を聞いてみた。守「そう言えばさ、「美麗がいてこその下見」って言ってたけどどういう事だよ。」香奈子「美麗ね、何処の雑誌よりも結婚式場に詳しいのよ。」美麗「そこら中の結婚式場の経営者は知り合いだらけだからね、凄いでしょ。」 自慢できることなのだろうか、と言うよりどうやって知り合ったかが気になるのだが。 そんな中、裕孝がやっとのこさで追いついた。裕孝「香奈子、行くの早いよ。」香奈子「ごめん、早く食べたくて。」守「おう、来てたんだな。」裕孝「守もな、それにしても珍しい組み合わせじゃんか。森田と一緒なんてよ。」真帆「貢先輩、お久しぶりです!!」 真帆は裕孝と同じく陸上部だったので、かなり礼儀正しく接した。所謂体育会系という奴だろうか。裕孝「それにしても聞いてくれよ、美麗って凄いんだぜ。あいつが顔を出すだけで何処の結婚式場でもすぐに見学させてくれるんだよ。」守「そこまでなのか?」 守が美麗の方をチラッと見ると美麗は踏ん反りがえっていた、これにも既視感を感じた。 一方その頃、松龍に1本の電話が入った、出前の注文だろうか。龍太郎「もしもし、松龍です。はい・・・、「出前」・・・、はい・・・、「炒飯と餃子」ね?焼き加減は?「両面焼き」、分かりました、お電話有難うございます。」王麗「父ちゃん、どうした?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-10
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6. 「あの日の僕ら2」⑱

-⑱ 警視総監- 龍太郎が原付に乗って出前に向かうのとほぼ同刻、キッチンカーのある公園では美麗が少し不思議そうな顔で語り始めた。美麗「最近ね、パパがぎっくり腰になっちゃったから出前はやめていたんだけど何故かバイクも岡持もそのままにしているんだよね。」真帆「え、龍太郎おじさんが?!」美麗「そうなの、そりゃたまにママが行く時もあるけどさ。ママは原付じゃなくて車で行くのよね。私は教習所以来原付なんて乗って無いし・・・、どうしてだろう。」 すると、守達が吞んでいた公園の前を怪訝な表情で原付に乗った龍太郎が通ったので美麗は父親に向かって手を振った。美麗「おーい、パパー!!」 しかし龍太郎に声が届かなかったのか、龍太郎は表情1つ変える事無く通り過ぎてしまった。美麗「パパひどい、もう口利かない!!」守「まぁまぁ、そんな事言うなよ。龍さんにも色々あるんだろ。それにしても現役でバイクに乗って出前してたじゃんか、大丈夫なんじゃないの?」美麗「おかしいな・・・、帰ってママに聞いてみよう。」 一方その頃、警察署では拘留されていた暴走車の犯人の取り調べが行われようとしていた。しかし警察署長が普段取り調べを行う美恵や文香に今回は行くなと指示を出していた。文香「署長、どうしてですか?逮捕したのは巡査数人と私たちなのに。」美恵「そうですよ、普段から私達が取り調べをしているじゃないですか。」署長「奴が絡む事件の取り調べだ、すまんが奴をずっと追ってる警視総監にお願いする事にしたんだよ。」文香「そんなに凄い方に取り調べをお願いしても良いんですか?」署長「奴が絡む事件に限っては自分が取り調べをしたいと仰ったのは警視総監ご自身なんだ、すまんが私の我儘を聞いてくれ。」美恵「それにしても警視総監ってどんな方なんですか?」署長「普段は警視庁含め何処にも留まることなく人に紛れておられる方で正体を知っているのは私含めた数人だけだ、実際に会った時に緊張して欲しくないと本人が希望されてな。」文香「そうですか・・・。あ、そろそろ犯人を取調室に連れて行く時間じゃない?」美恵「そうね、行きましょうか。」 美恵たちは犯人が拘留されている部屋へと向かい、犯人が入っている独房の鍵を開けた。美恵「取り調べの時間よ、出て来なさい。」 文香が出て来た犯人の両手に手錠を付けると第2取調室へと連
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