結局、こういうことは自分みたいな女が口を挟むべき話じゃない。女は目元を細めて笑った。「そんなことで悩まないで、今は楽しいことを優先しましょう。きっとうまくいくに決まってる」その言葉を聞いて、敦も一理あると思った。彼は立ち上がり、女を横抱きにして別の部屋へ移る。女も事情はよく分かっていた。あの部屋に何がいるのか、十分承知だ。だからこそ、敦には徹底して気に入られなければならない。敦についていけば、得られるものは多い。けれど、常に気を配り、逆らわず、機嫌を損ねないようにしないと。そうしなければ、本当のお得は手に入らない。確かに敦はどこか普通ではない。けれど、機嫌よくさせれば見返りも大きい。愚かじゃない彼女は、それを理解していた。利益がある限り、そばにいる価値はあるのだ。敦も、そんな者たちの思惑などとっくにお見通しだった。だが、金は彼にとってただの数字。金で持ち上げてくれるなら、それでいい。終わると、敦の顔には満足げな色が浮かんでいた。今日の彼は、特別な「趣味」を女にぶつけなかった。常に刺激だけでは続かないと理解している。時には普通の人間のように扱える者も、近くに置いておく必要がある。敦はカードをひらりとテーブルに置き、気だるげに言う。「好きなもん買っとけ。普段は用がない限り連絡するな。こいつらの管理さえちゃんとしとけ。俺も相応に返す」女はうなずいた。長年彼の側にいて、色々見てきた。金ほど確かな価値はない。財布が膨らんでいくのを見るたびに、心の底から安心できる。「任せてください」女が甘ったるく言う。敦は何も言わず、服を着て去った。二人の関係は情よりも取引に近い。長く続いた暗黙の了解がある。だから任せられる。敦が去ると、女は服を整え、表情が一変する。さっきまでの媚びた笑みは消え、冷たく高慢な雰囲気が浮かぶ。これから向き合うのは「商品」同然の存在。価値も見返りもない。ただ敦に貸しを作るため、見張るだけ。よく分かっているから、無駄な情は一切ない。女はドアを開け、先ほど入らなかった部屋に足を踏み入れる。暗闇が広がっている。鎖の金属音が鳴り、息を潜める気配がある。彼らはこの女を恐れていた。女は鼻をつまみ、ひらひ
더 보기