二日が経ち、大輝は、海外のプロジェクトでどうしても自分が行かなければならないと言い出した。真奈美は深く考えず、大輝のために自ら荷造りをした。出発の前夜、大輝は真奈美に寄り添い、前回と同じように彼女を愛し、自分は我慢強く冷たい水を浴びに行った。妊娠中期であれば、母体の状態が良好であれば、医師もいくつか注意しておけば、適度な夫婦生活は問題ないと言っていた。しかし、大輝はリスクを負いたくなかった。彼はこの子を何よりも大切に思っていた。浴室からは長い間、シャワーの音が聞こえていた。真奈美はずっと眠れずにいた。明日、大輝が海外へ発つことを知っていたからだろうか、彼女の心は晴れず、ベッドに横になっても全く眠気が来なかった。シャワーを浴び終えた大輝は、彼女がまだ眠っていないのを見て少し驚いた。「まだ起きていたのか?」「なんだか眠れないの」真奈美は横になり、濡れた髪から滴る水滴を見つめながら言った。「寒いから、早く髪を乾かして」大輝は微笑んで、「ああ」と答えた。数分後、大輝は髪を乾かした。彼は電気を消してベッドに入り、真奈美を抱き寄せた。大きな手が、彼女の少し膨らんだお腹に優しく添えられた。赤ちゃんも父親を待っていたようだ。大きな手が触れた途端、元気に蹴り返した。お腹が小さく震えた。夫婦は顔を見合わせ、同時に微笑んだ。真奈美は優しい声で言った。「この子の性格、きっとあなたに似るわね」大輝は小さく笑い、「俺に似て何が悪いんだ?」と言った。真奈美はわざと彼をからかった。「短気なところなんて、全然良くないんだから」「ああ、男の子だったら俺みたいなのも困るけど、女の子だったらいいだろう。誰にもいじめられないようになるから」「女の子で、あなたみたいな性格だったら、誰がもらってくれるっていうの?」「それならそれで構わないさ」大輝は得意げに言った。「石川家で何不自由ない暮らしだってさせられるから」真奈美は言葉を失った。これ以上話すと、胎教に悪い。彼女は話題を変えた。「何日くらい行くの?」「三四日くらいかな」大輝は低い声で言った。「できるだけ早く戻る」「ええ、来月の8日までに戻ってきてくれればいいから」誠也の誕生日会まで、あと十日だった。大輝は大丈夫だと思ったから、彼は、「間に合
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