25話 崩壊の入り口 何も出来る事なんてない。少しずつ狂い始めた歯車を止める事は出来なかった。杉田から一言、メッセージが入っている。内容を見てみると、自分の知らない所で、何かが起ころうとしている予兆のように見えた。 あれ以来、気まずくて顔を合わせる事が出来なかった。色々な事を考えていると、邪魔をするように、後ろから抱きしめられていく。 「何、考えてるんだ?」 タミキは自分に振り向くように、仕掛けていくと、その罠に簡単に堕ちていく僕を見て、満足そうに言った。 「杉田から連絡が入ってさ、何かあったみたいなんだ」 杉田の名前を出すのは、なんだか少し気が引ける。そんな内情を把握しているタミキは、欲望の味を僕に共有しようとしている。 「ん」 いつもなら軽いキスで終わるのに、今日は違った。他を見ないように、ダイレクトに感情を伝えていく。そんなタミキを見つめながら、ただただ息を漏らしていく。 「激しい……むう」 唇と唇が離れたかと思うと、今度はより深く、貪るように僕の唇を堪能しているようだった。息が上がっていくのを止める事は出来ない。話の続きをしたいのに、ぼんやりと思考が溶けていく。 「はぁはぁ」 「他の奴の事なんて考えるなよ。俺がいるのに……」 理性を飛ばす為の下準備を終えたタミキは、僕を抱き上げると、ベッドへと運んでいく。顔を真っ赤にし、タミキの腕を掴みながら、息を大きく吸った。 「タミキっ……」 彼の名前を呼んでも、一度スイッチの入ったタミキは、自分の気持ちを優先させていく。困っている表情も、震えている体も、何もかもがご褒美だ。堪能出来る瞬間を逃す手はなかった。 「大丈夫、俺に任せて」 不安そうな顔で見つめる僕は、タミキの言葉で少しずつ落ち着きを取り戻し
Huling Na-update : 2025-06-14 Magbasa pa