紅の屋敷にきて、十日ほどが過ぎた。 この夜、蒼は久しぶりに紅に閨に呼ばれた。「久し振りに一緒に眠れるね、蒼。こっちにおいで」 手招きした手が伸びてきて、蒼の腕を掴まえた。 目の前に座らされて、向き合う形になった。「蒼から口付けて。いい?」 頷いて、蒼は膝立ちになった。 紅の肩に手を置いて唇を重ねる。 舌先で唇をチョンと押して割開く。たどたどしくしながらも、舌を絡める。 紅が蒼の舌を強く吸った。 霊力を吸い上げられて、快楽がせり上がる。 同時に強い妖力が流れ込んできて、頭がくらくらした。「気持ちいいね、蒼」 紅の胸に倒れ込んで、縋り付く。 流れてきた妖力も紅の体温も温かくて、眠気が襲う。 蒼の小さな体を、紅が自分の膝の上に抱いた。「じゃぁ、今日も一日一個のお願い、聞かせて」 一緒に寝ていなかった数日間も、キスとお願いの話はしていた。 お菓子が食べてみたいとか、入浴剤を入れてみたいとか、そんな話をしていた。 きっと紅からしたら些細なお願いでも、馬鹿にしないで聞いて、叶えてくれた。(今日のお願いは、話したら、もしかしたら紅様は怒るかもしれない) それどころか、嫌われるかもしれない。 そうなったら、この場で喰われる可能性もある。 蒼の体に自然と力が入った。「蒼、緊張してるの? 今日のお願いは、そんなに大変?」 頷いて、蒼は決意した顔を上げた。「僕に、霊力の使い方を教えてください。霊元の育て方とか、霊力の増やし方とか、放出の仕方とか、霊力が今より美味しくなる方法とかを、教えてほしいんです」 紅が蒼を見詰めている。「どうして急に、知りたくなったの?」 相変わらず優しい指が、蒼の髪を弄ぶ。「僕の霊力が増えて、美味しくなったら、紅様の食欲を満たせる。僕が一人で紅様を支えられます。ニコはそろそろ溶けるって、芯が教えてくれました。でも、紅様は追加の子供を買
Terakhir Diperbarui : 2025-06-13 Baca selengkapnya