ドアが静かに閉まり、病室には再び深い静寂が戻った。それからしばらくして、ようやく仁志が戻ってきた。星はまだ眠っていた。おそらく鎮静剤が効いているのだろう。彼女は深く眠り込んでいたが、その眉は微かにひそめられ、何かうなされているようだった。仁志はベッドの傍らに立ち、静かに彼女を見つめた。柔らかな明かりが彼女の顔に落ち、その輪郭をひときわ優しく浮かび上がらせていた。仁志の眼差しは深く沈み、彼自身にも言い表せないある種の複雑な感情を帯びていた。なぜかは分からないが、星を見るたびに、彼の心の中に渦巻く暗い苛立ちや焦燥感は、不思議と凪いでいくのを感じた。仁志はゆっくりと手を伸ばし、空中で少しちゅうちょしたが、結局彼女には直接触れず、ただ肩口までずり落ちていた掛け布団を静かに引き上げてやっただけだった。彼の動作はとても慎重だったが、布団を引き上げる際、指先がふいに彼女の頬をかすめ、温かく柔らかな肌に触れてしまった。仁志の手がピタリと止まり、その漆黒の瞳は、窓の外の濃い夜の色のように深く沈み込んだ。……星が目を覚ました時、外はすっかり夜が明けていた。彼女は瞬きをし、一瞬だけ意識がぼんやりした。今回の眠りは今までになくひときわ深く、夢一つ見なかったように感じた。体を動かしてみると、傷口の痛みも少し和らいでいるようで、体全体もかなり楽になっていた。振り向くと、仁志がソファに座り、スマホゲームをしているのが見えた。朝の光がカーテンの隙間から漏れ込み、彼の整った体に落ちて、淡い金色の縁取りを施していた。星の心臓が、心臓がトクンと一瞬跳ねた。彼女の視線に気づいたのか、仁志が顔を上げて彼女を見た。仁志の声は相変わらず清らかで、耳に心地よかった。「起きたか?昨夜はよく眠れたか?」星は言った。「ええ……ただ、一度も目を覚まさないくらい、すごく深く眠っていた気がするわ」仁志の瞳に浮かんだ光が、星には気付かれないほど微かに沈んだが、すぐにまた元通りの穏やかな色に戻った。彼は航平のことには一切触れなかった。実のところ、仁志も昨夜航平に出くわすとは予想していなかった。彼が予想していなかった理由は、航平にそんな度胸がないと思っていたからではない。航平がこれほど下劣だとは、思いも寄らなかったからだ。航
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