「誠、何か変だよ。前にこの家を見に行きたいって言ったときにはダメだったのに、どうして昨日は連れてきてくれたんだ?しかも雪を連れて、あちこち案内してさ」誠も手に持っていたあんまんを置いた。ティッシュで指を拭き、呆然としている雪を見上げて口を開いた。「ああ、彼女は俺にとって特別な存在だ」とても真摯で、真剣だった。航はふと安堵のため息をついた。「びっくりしたよ。雪のこと好きになったのかと思った」言い終わって二秒後、航はハッとした。「今の言葉、どういう意味だ?」誠は雪を見て、はっきりともう一度口を開いた。「君が好きだ。雪」雪はあんまんを一口かじったところで落としてしまった。「え?」雪は誠のイケメンな顔を見て、二秒ほど躊躇してから頷いた。「あ……子供みたいな感じの好き、でしょ?」まるで可愛い子供を見て「好き」と言うような感じ。「君と結婚したい」航は驚いて立ち上がった。「二人、俺に隠れて何かしたのか?」この時の雪は航よりマシという程度だった。驚きと戸惑い。そして途方に暮れていた。昨日はこんなこと言ってなかったのに。「ただ、俺の好意と今後の希望を伝えただけだ。考えるのも決めるのも君次第だ」誠は残りの半分になったあんまんを再び箸で掴み、声には何も出ていなかったが、動作はどうにも緊張しているように見えた。「もし君が俺を好きじゃなく、受け入れてくれなくて、俺に会うのが気まずいなら、俺は海外に行く。国内にはいない」誠は拒絶されることも考えていた。しかし雪はまだ何も考えていなかった。さっきまで「誠さん」と呼んでいたのに。今や「誠さん」は自分の夫になりたいと言っている?このテンポ……早すぎじゃない。「おい、マジかよ?」航の驚きは雪と大差なかった。「どうして彼女を好きになったんだ?」雪は頭に疑問符を浮かべながら航を見た。「何よ、私が好かれてもいけないの?」しかし言い終わると、雪は誠を見て正直に繰り返した。「どうして私を好きになったの?」航は真剣な顔をしていた。同じく誠を見た。二人の視線の下、誠は真剣に答えた。「ずっと君が好きだった。君も俺のことを好きだと思っていた」誠は雪の視線と視線を合わせた。「でも、君は他
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