開始と共に、素早く距離を取られた。 これがアマのいつものパターン。遠距離になればなるほど、銃を有効手段として使わなければいけなくなる。 ここで銃を使うと痛い目を見るのがコイツ。"人外カウンター"で倍になって返され、それを避ける事に神経を注ぐ事になってしまう。 だからといって、近付く事もほぼ不可能に近い。なぜなら、アイツは好き放題に銃を撃てる上に、剣による接近戦も得意としている。 つまり、ほぼ隙が無い。 前回どう勝ったかというと、今まで俺の銃一丁という印象を利用した事が大きい。一発目を反射させてる合間にもう一発撃ちこむという超苦行で、アマのが先に付くか、俺のが先に付くかの運勝負。 その大会は1先だったからこそ使えた技で、この大会のような3先になった場合、そんな運要素はほぼありえない。 最近はアマ対策で、可能性のありそうな近距離戦を練習する人が爆増した。コイツはそれほどの影響をプレイヤーたちに与えてしまった。 さらには、アマの真似をするプレイヤーも少しずつ出てきていると聞く。まだ下位互換ではあるらしいが、今後さらに練度が上がってくるだろう。 現状、コイツに安定して勝っている人間は、日本代表の人たちだけじゃないだろうか。後、含めていいのか分からないけど、三船コーチ。まぁ、三船コーチに関しては誰も勝てないし⋯⋯ 「さぁ、撃ってみなよ。君の新しい銃とやらを」 考えてる間にも、アマの連射が俺の頬を裂いた。このまま避け続けるのも、体力的に限界が来る。 ARは現実世界の拡張でしかない。それ故スポーツと同じく、体力や技術的な面が物を言う場面も多い。 なので、俺が三船コーチと考えてきた作戦はこうだ。俺が疲れ切ったように見せかけたところで、隠してきたこの≪トライロングフック≫をすぐ使う事。 こいつを使えば、設置した3か所に対し、選んで高速で飛んでいける優れもの。これはコーチから借りた最高級サポートアイテム。 扱いがあまりに癖が強くて難しく、入手も非常に困難なため、使ってる人は手に数えるほどしかいない。 これのために特訓をこそこそとやってきた。普通に使ってしまえばバレて対策されるが、不意の一撃は強力。まさか持ってるとも思ってないだろう。 「さぁ早く撃てよッ! さっきから使っている"あの銃"をッ!!」 想定以上にアマの攻撃
Terakhir Diperbarui : 2025-08-13 Baca selengkapnya