「じゃあ、もう少しだけ様子を見るわ」椿の言葉で、玲奈は閃いた。「誰か他の女性に、天音と要の子供を産んでもらうってのはどうかしら」「代理出産、ですか?とんでもないです。そんなこと、万が一バレたら隊長のキャリアは終わりですよ」暁は驚いて言った。暁の言葉を聞いて、玲奈は呆然とソファに座り込んだ。「海外に行って、身分を隠して……」「千葉様!私の意見を聞きたいのでしたら、絶対に反対です。隊長も、きっと賛成しないでしょう。それに、隊長は……その……もう子供を持つつもりはないようです」暁は口ごもった。「天音に子供ができないのは分かってるわ」玲奈は言ったが、暁の気まずそうな様子に気づいて問い詰めた。「今の言葉、何か裏があるの?」「その……ちょっと、言いにくいです」「要に口止めされてるの?大丈夫よ、あなたの名前は出さないから」玲奈は約束した。「隊長に、パイプカットの手配を命じられました」「なんだって!」玲奈は驚いて立ち上がった。自分の耳を疑ったが、暁は真剣な眼差しでこちらを見ていた。玲奈は歩き回りながら、声を潜めて言った。「要がそんなことするなんて、許さないわ!そんなことするくらいなら、天音の方が……いえ、天音もダメだわ……」玲奈は天音のカルテを思い出し、深くため息をついた。「天音も、手術なんてとんでもない」あんな身体で、手術なんてできるわけがない。「とにかく、時間を稼いでちょうだい。要に手術をさせないで。このことは、まず裕也と相談するわ」暁は頷いた。その時、ドアの開く音がして、二人は口を閉ざした。要が書斎から出てきた。「どうしてここに?」「天音にはもう実家がないでしょ?だから私が、あなたに天音を連れて家に食事に来てほしくて」玲奈は言った。要は携帯を取り出して天音に電話したが、誰も出なかった。「妻がどこにいるか、調べてくれ」暁はすぐに天音を護衛している特殊部隊の隊員に連絡した。そして、すぐに返事があった。「隊長、奥様は学校近くのレストランにいます」要は腕時計に目をやった。授業が終わるまで、まだ20分ある。「誰と一緒だ?」「風間社長です」要の表情が冷たくなった。「お母さん、今夜は行けない」要はくるりと背を向けて書斎へ向かった。「要?見に行かないの?」玲
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