All Chapters of 嘘つきの義妹に婚約者を寝取られ、婚約破棄されましたが、何故か隣国の王子に求婚されています。私の作った薬が必要と言われても: Chapter 21 - Chapter 30

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【義妹SIDE】アイリスを呼び戻そうとした結果断られる

 ディアンナと母、マリアは深刻な病に侵されていた。「ごほっ……ごほっ。げほっ!!!」「ごほっ! げほっ! ごほっ!!!」 二人は親子で仲良くベッドで寝込んでいる。「な、なんでよ……なんであの根暗女を呼び戻さなきゃなのよ。ごほっ」「し、仕方ないじゃないの。私達は死ぬわけにはいかないんだから。それで呼び戻してこき使ってやればいいのよ。婚約者のロズワール様はそのままあなたの婚約者として」「ごほごほっ……そ、そうね。お母様」「それに、風の噂ではあの根暗娘の作った薬、凄い高値で売れるそうなのよ!」「ええっ!! それは本当なのかしら。お母様!!」「本当よ!! それであの根暗女に病気を治してもらって、その上で薬を沢山作らせるの!! それを高値で売りさばくのよ!!」 二人は病気にかかっている事も忘れるくらい、目の前の欲に取りつかれていた。「そうすればこの屋敷の生活どころではないわ!! お城のようなところに住んで、使用人を何十人も雇って、それでお姫様のような生活ができるわ」「す、すごいですわ! お母様! だったら私はロズワール様との婚約を破棄して、もっと素敵な殿方と結婚したいですわ! 例えば隣国のエルドリッヒ王子や、それから弟のレオハルト王子のような、美しい上に才能にあふれた、家柄も王族か貴族の!! 素敵な殿方と結婚したいんですの!!」 ロズワールは名家の嫡男ではあり、それなりの美形ではあるが。主にはあの根暗女の婚約者を寝取る事に優越感を覚えていたのだ。他人の玩具を欲しがる。それがディアンナの性格である。  ロズワールを心から愛していたわけではない為、奪い取った時点でそれなりに満足をしてしまった。  当然のようにロズワールより上の男(物件)は世の中には無数に存在する。上には上がいるのだ。 だからディアンナはもっと条件のいい男と結婚できるチャンスがあったら平気で乗り換えるつもりだったのだ。 例えば上記の二人から求婚されたらディアンナは即断でロズワールを捨て、その二人の方に行くだろう。「そうよ!! あの根暗女をこき使えば素晴らしい未来が待っているのよ!!」「そうですわね。だったら我慢しますわ。お城のような生活をして、エル王子やレオ王子と結婚したいんですの!!」 二人はアイリスを呼び戻す事に一応の納得を見せた。 だが当然のように物事は彼女達
last updateLast Updated : 2025-07-29
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第二王子と出会ってしまいます

 その日、ヴィンセントはどこかから帰ってきたようです。 数日用があると言って、彼は私の執事から一時的に外れました。代わりの執事が雑務を担当してくれた為、特に困る事はありませんでしたが。 ですがやはりヴィンセントがいなくかった事で私は些か以上に寂しかったのは確かです。 見慣れた顔がないというのは違和感を抱きます。「お帰りなさいませ。ヴィンセントさん」 私は王宮でヴィンセントを出迎える。「ただいま戻りましたアイリス様。これより通常の業務に戻ります」「どこにいっていたのですか?」「大した用事ではありません。野暮用です」「野暮用ですか……」 あまりヴィンセントは話したくはなさそうでした。ですので私も深く聞くのをやめました。ヴィンセントは常に私の事を想って行動してくれています。 つまりヴィンセントが話さない事とは私が知らない方が良い事。知らない方が良い事というのは当然のように世の中には存在します。 ――と、その時でした。周囲の執事やメイド達がざわめく声が聞こえてきました。「レオハルト王子が帰ってくるらしいぞ」「レオハルト様が……そうですか」 使用人たちはかなり慌てた様子でした。「どうしたのでしょうか? レオハルト王子?」「エルドリッヒ王子の弟君です。第二王子として主立って騎士達を率いています。若いながらも気概と剣の才に満ちた少年です」 ヴィンセントはそう説明する。「はぁ……」 そういえば聞いた事がある。私が生活していたアルカトラス国の隣ルンデブルグ国。その王宮には二人の王子がいると。    第一王子がそのエル王子であり、第二王子、つまりはエル王子にとっては弟である。その弟の名を『レオハルト』だからレオ王子と呼ばれているらしいです。「レオ王子は騎士団と遠征による軍事演習を行っていました。その為、長い事王国にはいなかったのです。本来はもっと帰る予定は先でしたが、早まったようです」「そうなのですか……」 だから使用人たちは慌てているようなのです。最近王宮で働くようになった私はまだ王宮や王国の事を詳しくは知りませんでした。起こる出来事は知らない事や体験した事のない事の連続です。「か、帰ってきたぞ! レオ王子のお帰りだ!」「皆! 一列に並ぶんだ!」 使用人たちは一列に並び始めた。何となく、私もこのままでいいのか疑問を覚えました。
last updateLast Updated : 2025-07-29
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レオ王子が怪我をしてしまいました

 その日から私達は宮廷での日常を過ごしていきます。私は調薬をする毎日です。そしてエルもまた仕事があります。あの日から私もまた、レオの言葉が気にかかるようになりました。  エルと私ではそもそも身分が異なるのです。今は薬師として重宝されていますが、将来それが続くとも限りません。世の中から病がなくなる事はありませんが、それでも沈静化される事はあると思います。 そうなると私も大事にはされなくなるかもしれません。十分にあり得る可能性でしょう。そうなるとエルと私が結婚する時、王族でもなければ貴族でもない身分ですから。あくまでも結婚とは可能性の話です。王族でも貴族でもない私との結婚を、保守的な貴族が反対するでしょう。  仮に国王と王妃が認めたとしてもです。そうなのです。二人の関係は茨の道なのです。 だから恐らくこのままの距離がいいのでしょう。王子と薬師。それで構いません。エルは素敵な男性だとは思いますが、きっと世の中にはもっとお似合いの女性がいるはずです。  ですから彼が幸せになれるような人と結ばれればよいのではないか。  私はそう考えています。そして、私をかき乱した問題のレオはまたもや騎士団と軍事演習を行っているそうです。お城の近くに演習場があり、そこで騎馬戦を行っているらしいです。安全には気をつけてはいるとの事ですが、戦争の練習をするのです。危険はゼロにはできません。 家でおままごとをしているわけではないのです。何となく私はレオの事を考えながら窓から青空を見あげました。 ◇ レオは考え事をしていた。実の兄エルの事。そしていきなりやってきた薬師アイリスの事。王宮に入ったのは百歩譲って許すとしよう。だが、エルと恋人関係になるような真似は容認しがたかった。 一時的な感情でそういう関係になってもきっと後悔するだけだ。なぜなら王族とそれ以外の立場の人間では身分が異なる。異なった身分の人間との恋は大抵上手くいかない。    天秤の釣り合いだ。片方が軽すぎても重すぎても均衡は保てない。分相応というものがあった。(兄貴……どうしてあんな地味女の事をそこまで)兄であるエルがそこまで執心する理由がわからなかった。どこにでもいそうな地味そうな女だ。確かに顔は整っていて、品はあるがそれでも王族のような派手さはない。あの程度の女、兄は四六時中アクセサリーのように身につ
last updateLast Updated : 2025-07-29
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レオ王子の治療をします

なんでしょうか。随分と慌ただしいです。使用人達は大慌てです。「どうかしたのでしょうか? 随分と皆焦っているようですね」「何かあったようです。他の使用人に聞いてきましょう」 私はいつも通り部屋で調薬をしていました。それが私のお仕事ですし、この場にいる意味ですから。お城にいる大抵の時間は調薬をして過ごしています。  ヴィンセントは他の使用人に話を聞きに行きました。「どうでしたか? ヴィンセントさん」「た、大変です! アイリス様! レオ王子がっ! レオ王子がっ! なんと――」 普段冷静沈着な印象を受けるヴィンセントが大慌てをしているのです。私は直感的にこれはもうただ事ではない事が起こったのだと理解しました。きっとこれは良くない事が起こったのです。「レオ王子が軍事演習中の事故でお怪我を負われたそうです!」「な、なんですって! レオ王子がお怪我を!」 確かに私は色々と悪口を言われましたが、それでもレオの心が真っ直ぐだからこそ発せられたものなのだと理解しておりました。本心はとても良い子のはずなのです。だからその不幸を喜ぶような卑猥な感情は微塵も抱きませんでした。ただただ私はレオの事が心配になったのです。「は、はい。どうやらその通りです」「どこにいるのですか?」「今、ベッドで横になっているとの事。出血が酷く、止血をしても中々血が止まらないとの事で」「ヴィンセントさん、私もすぐに向かいます!」 私は出来るだけの治療薬を持って、レオの元へ向かうのでした。 ◇「レオ王子! しっかりしてください! レオ王子!」「ううっ……ううっ」 レオを中心に、使用人数名が輪を作っていた。「今、医者を呼んできますから! レオ王子!」 止血をしつつ、使用人達は大慌てをする。あまり意味の無い事だ。朦朧としているレオには言葉は届いていないであろうし、大声がストレスになっている事だろう。 気が動転している使用人達もそこまで気を配る事ができていないのだ。「退いてください!」 治療薬を抱えた私は輪の中に飛び込む。「あ、あなたは薬師のアイリス様!」「皆様、静かにしてください。騒ぐだけで何事も解決するわけではありません」 私が言うと使用人達は沈黙した。 私は状況を観察しました。傷は深い、ですが心臓や肺は避けられているようです。怖いのは感染症でしょうか。ともかく
last updateLast Updated : 2025-12-21
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レオ王子に突然キスをされてしまいます

【第二王子レオ視点】 日の光が差し込んできた。チュンチュンチュン。小鳥のさえずりが聞こえてくる。「うっ……俺は」 レオは目を覚まします。体には包帯が巻かれていた。「俺は……そうだ。あの時軍事演習の時俺は、馬に吹き飛ばされて、それで」 最後に覚えている光景。それは杭に落ちる自分の姿。「すーっ……すーっ……すーっ」 規則正しい寝息が聞こえてきた。ベッドに顔を伏せて眠っていたのは例の彼女であった。「こいつは……あの地味女……俺をずっと看病してくれていたのか」「はい。その通りです。レオ王子」「お前は……ヴィンセント」 レオの前にヴィンセントが姿を現す。「彼女は付きっ切りであなたを看病していたのです。容態が落ち着いたから使用人が代わるといったのですが、容態が急変するかもしれないと一晩中看病を代わりませんでした。その結果、朝には疲れ果てて眠ってしまっていたのです」「俺は……この女に助けられたのか」「ええ。その通りです。ですからどうか命の恩人を『地味女』など呼ばない事です。いくら王子でもバチが当たりますよ。それではしばらく彼女の事はそのまま眠らせてあげてください。王子の看病で余程疲れているようですから」 そういってヴィンセントは去っていく。「俺は……間違っていたのかもしれねぇな。兄貴の事も、この女の事も」「すーっ……すーっ……すーっ」 規則正しい寝息。愛らしく無邪気な寝顔にレオは微笑を浮かべた。「ったく、この地味女、そんな寝方してると風邪ひくぞ」 レオは羽織ものをかける。「って、また『地味女』って言っちまったな。アイリスだったか」 レオは笑った。 ◇「うっ……ううっ……ここは。私、眠っていたのですか」 私はどうやらレオの看病をしていた時に眠むってしまっていたようです。私は目を覚まします。「よっ。おはようアイリス」 レオ王子が私にそう挨拶をしてきます。「レオ王子……体の具合はよくなったんですか?」「ああ。見ての通りだ。ピンピンしてるぜ」 レオは無理に体を動かそうしていました。元気だというアピールがしたいようです。「よかった。ですが無理をしないでください。それだけの重傷だったのですから」「アイリス、ありがとうな。あれだけこっぴどく地味だのなんだの言っていた俺を助けてくれて、本当感謝しているよ」「何を言っているんですか
last updateLast Updated : 2025-12-21
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【義妹SIDE】治療薬を買う為に屋敷を売り払う

「ごほっ……げほっ! ごほっ!」「ごほっ! ごほっ! げほっ!」 ディアンナのマリアは相変わらず床に伏せっているだけであった。容態は日に日に悪くなっていく。このままでは座して命を落とす事になるであろう。「お、お母様! ……私達、このまま死ぬの」「い、嫌よ。嫌な事言わないでよ……私だってまだ死にたくないのよ。げほっ!」「ごほっ! ごほっ! げほっ!」 その病床には父であるレーガンの姿もあった。ついには父も流行り病にかかり、床に伏したのである。「仕方ない……マリア、ディアンナ、聞いてくれ」「お、お父様……どうされたのですか?」「アイリスはもう戻ってこない。私達のために薬を作ってはくれないだろう。王宮に頼み込んでも取り付く島もないんだ。どうしようもない」「……ええ。それでどうするというのですか? あなた。ごほっ、げほっ」 マリアは咳き込む。そして一家は苦渋の決断を強いられる事となる。「こうなったら仕方ない。この屋敷を売り払って治療薬を買おう」「「な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!! ごほっ! ごほっ! げほっ!」」 親子は病気である事も忘れるくらい、大声で叫んでいった。そして盛大に咳き込む。「聞いてくれ。今薬は大変高額で取引されているらしい。一個で家一軒程の金額だ。三個分購入するにはこの屋敷を売り払わなければ足りないだろう」「で、ですがお父様!! この屋敷を売り払ってどうやって生活するのですか!? ごほっ! ごほっ!」「そ、そうよ!! 屋敷で生活できなくなるなんて、そんな平民みたいに暮らせというの!! ごほっ! ごほっ!」 二人はせき込む。「このまま死んでは何の意味もないだろう。命あっての物種だ。それに背に腹は代えられない。その後の生活は命が助かってから考え
last updateLast Updated : 2025-12-22
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レオとエルが決闘を始めてしまいます

「はぁ~…………」 あの日から私は頭の中がいっぱいになってついぼーっとするようになってしまいました。あんな事とは当然レオ王子の介抱をしていた時の事です。 まさかレオ王子がそんな事をするとは思ってもみなかった事で大変びっくりとしてしまいました。 それだけではありません。心臓がドキドキとして、聞こえてきてしまう程でした。 その事に気を取られて、調薬の仕事も手が付きません。注意力散漫です。仕事がはかどらないのです。「どうかしたのかい? アイリス」 そんな時でした。私の仕事場にエル王子が来たのです。きっと一晩中介抱をしていた私の事が気になったのでしょう。「エル王子……」「大丈夫かい? どこか調子が悪そうだけど。顔も赤いし。熱でもあるんじゃないか?」「い、いえ……そんな事ないと思いますけど」「見せてごらん」「あっ……」 エル王子は私の額に自分の額を重ねてきました。反則です。エル王子のかっこいい顔がすぐ目の前にあります。唇だってすぐそこに。触れてしまいそうなほど近く。 兄弟そろって私の心拍数を上げすぎです。「やっぱり、熱があるみたいだ」 人の病を治す薬師が風邪をひいては本末転倒です。「ち、違います! 風邪じゃないんです。私の体が熱くなったのは」 仕方ありません。私は大人しくエル王子に事情を話す事にしました。 ◇「なんだって……それは本当か、アイリス」「え、ええ……それで唇を。その上でいきなり求婚されまして。私ドキドキしちゃって」 私はエル王子に事情を説明しました。「くっ……レオのやつめ。アイリスになんてことを」「き、気にしないでください。私の唇なんて別に。減るものじゃないですから。何か酷い事されたわけで
last updateLast Updated : 2025-12-23
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エルとレオが決闘をしてしまいます

「はあああああああああああああああああああああああああ!!!」 キィン! レオの剣とエルの剣が交錯します。本物の剣です。身体に当たったら大変です。大怪我をしてしまいます。  二人ともチャンバラ遊びをしているのならいいのですが、完全に真剣です。「ふっ……思ったより腕を上げたな。レオ。以前よりやりがいがある」「へっ。伊達に騎士団を率いてはないぜ。兄貴。油断してると足元救われるぞ! おらっ!」 キィン! 剣と剣がぶつかり合います。二人とも手加減をしているようには見えません。身体に当たったら最悪死んでしまいます。 こんなの間違っています。なんで兄弟で喧嘩なんてしなければならないんでしょうか。喧嘩ではなく決闘ですか。 どちらでも私からすれば同じようなものです。「くっ!」「へっ! どうだっ! 兄貴!」 レオの剣圧の凄まじさにエルが一歩後ずさってしまいます。小競り合いをレオが制したのです。「なぜだ……レオ」「ん? ……何かおかしな事でもあった」「なぜアイリスに手を出した……貴様、アイリスを情婦か何かだとでも思っているのか?」「へっ。なんだ、アイリスとキスした事を根に持ってんのかよ。それが俺の決闘する気になった理由か。憂さ晴らしってわけだな。けどな、勘違いするなよ。俺はマジでアイリスに惚れたんだよ」「お前は俺に色々と言ってきただろうが。アイリスと俺達王族では身分が違うだのなんだの。矛盾している事に気付いてないのか?」「うるせぇ! 前言撤回だ! 惚れちまったら身分も何も関係ねぇだろうが!」 レオは剣を振るってくる。キィン! エルはその剣を防ぐ。「そうか。だったら今から俺とお前は兄弟じゃない。敵同士だ」「上等じゃねぇか!」「や、やめてって、二人とも!」 私は叫びます。ですがその声は届きそうにもありません。二人とも興奮
last updateLast Updated : 2025-12-24
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【義妹SIDE】義妹ディアンナ婚約者に婚約破棄される

「ディアンナ、君とはもう婚約者ではいられないよ」 薬を飲んだ事で病が癒えたディアンナ。しかしこれで万事解決で幸せな未来が待っていたかとそうではない。 ロズワールに呼び出されたディアンナはいきなりそう告げられてしまう。「な、なぜですか!! ロズワール様!! ど、どうしてそんな事を」「理由を言わなくてもわかっていると思うけど……ディアンナ」「やっぱり、お金のせいですの。屋敷を売り払った事でギルバルト家が落ちぶれたから、私と結婚できない、って事ですの」 屋敷を売り払ったギルバルト家は落ちぶれた元名家という事で界隈で有名になっていた。その為、交友のなくなった名家、伯爵家は数えきれない。そして婚約関係にある事で密な関係になったロズワールの家もまた例外ではなかった。 お金の切れ目が縁の切れ目という事である。これは貴族だろうが一般庶民だろうが言える普遍的な真理であろう。「端的に言うとそうなるね……。申し訳ないが我がエルフリンデ家はそれなりの名家でね。やはり妻とする女性はそれなりの家の令嬢じゃなければならないんだ」「そ、そんな……そんな事って……ううっ」「悪いが僕を恨まないでくれ。エルフリンデ家に生まれた宿命なんだ。世の中には分相応というものがある。今の僕と君では世間的に釣り合いがとれていないんだよ。悪いけどもっと今の君にふさわしい男を見つけてはどうかな」「ま、待って! ロズワール様!」「悪いね。ディアンナ。これから見合い話があってね。僕はそっちへ行く予定なんだ。今までありがとう。短い間であったけれど。君の幸運を祈っているよ」 ロズワールは去っていく。「うっ、うう! あんまり! あんまりですわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!! うううーーーーーーーーーーーーーーーー!!! なんでこんな事にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 別れ際、ディアンナは号泣していた。「&h
last updateLast Updated : 2025-12-26
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【義妹SIDE】国王にアイリスを追い出した罪を問われる

「こ、国王陛下!! い、一体どういったご用件でしょうか!?」 ディアンナ達は王国の国王陛下に呼び出された。威厳のある国王が目の前にいる。  目つきが怖い。何かに怒っているようだった。「我が国には疫病が蔓延している。そして隣国では薬師アイリスの手腕により、落ち着きを取り戻しているらしい」「そ、それがどうかしたのでしょうか? 国王陛下」 父は慄いていた。「なぜじゃ! なぜアイリスが我が国ではなく隣国へ行ったのじゃ! 一体どうしてなのじゃ!」「そ、それは……」 (な、なんですの! ま、またあの根暗女ですの! 私が何をしたというんですの! それだけの事で婚約者も失い、屋敷も失ったのですのよ!) ディアンナは表情を歪めた。「お前達の責任は重いぞ。薬師アイリスという、優秀な人材を流出させた罪。おかげで我が国は疫病で多くの死人も出ている!」「そ、そんな! 国王陛下! 私達が悪いというのですか!」 父は嘆いた。「うむ。そうなるな。だが安心せい。諸君らが行った罪は直接的な罪ではない。意図して犯した罪ではない。禁固刑などといった刑罰は与えはしない」 良かった。と胸を撫でおろす父だが、結局はその事に関して、何らかの責任。罰が与えられるのは確実であるようだった。「これより薬師アイリスを国外流出させた罪に対して与える刑罰を発表する。ギルバルト家よ!! 貴様達から伯爵家の資格をはく奪する!」 国王は宣言した。「な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 国王の前であるにかかわらず、ディアンナは叫んだ。「そ、そんな国王陛下!! それじゃあ私達は平民になれというんですの!!」 もはや屋敷を失い、伯爵家の地位を失ってしまったらもうディアンナ達には何も残っていない。完全にゼロである。「うむ。そうなるな。そしてさらには、制裁金金貨100枚も要求する!」「な、なんですって!! 金貨100
last updateLast Updated : 2025-12-29
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