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All Chapters of おいしい契約恋愛: Chapter 121 - Chapter 130

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121.恋人の始まり⑦

「てか。最近それもまた戻ってるよな」「え? どれですか?」「呼び方。また社長に戻ってる」「あっ……ホントだ……」「言っただろ。その社長って呼び方もやめて対等にしろって。お前が対等になりたいって言うんなら、お前も呼び方変えろよ」「そっか。そうですね。わかりました。慧……さん」「ん。それでいい」「はい。これからちゃんと自然に呼べるように頑張ります……」「そうしろ。っていうかさ、河野の存在って、多分オレにとっての柾弥みたいなもんだよな」「あっ、そうです! まさにそんな感じです!」「そっか。ならそういう存在に何も言えないこの状況は、お前にとってちょっと心苦しいよな」「はい……。あっ、でも社長と付き合ってるとか、もちろん公に出来ることでもないんで、隠さなきゃいけないのは仕方ないんですけど……」「お前には無理、させてるよな」「いえ! そうじゃなくて! 無理なんかはしてなくて! あたしは、しゃ……慧さんとのこの生活と関係が守れるなら、なんだって耐えること出来ます!」「そこまで?」「はい」「ん~。今はまだお前とは始まったばっかりだから、そういう公にするとかはまだ早いとは思ってるけど……。でも、時期が来たらお前との関係も別にオレは公表してもいいと思ってるよ?」「えっ! ホント、ですか?」「まぁ、そこまでお前との関係が続いて、オレがもうどうしても周りのヤツにお前のこと公表したくてたまらないってなることがあれば。だけどな(笑)」「えっ、じゃあそうなれるよう頑張ります! ん? 頑張るってことでいいんだよな?」「いいんじゃねぇの? 頑張るで(笑) それだけお前のこと好きになれば嫌でもそうしたくなるんだろうから(笑)」「そっか。じゃあ、やっぱもっと頑張らなきゃですね!」「でも。オレだけ柾弥に話してるのはズルいっちゃズルいよな」「いや、そんなことは……! 実際本村さんいてくれたおかげで、社長ともちゃんと向き合うこと出来た訳ですし、こうやって付き合うことも出来た訳ですし」「確かに。やっぱあいつは、オレのことなんでもわかってくれてるとこあるからさ。オレがあんまり上手く言葉に出来ない分、あいつが気持ち汲んで代弁してくれるとこもあって助かってるからな。実際あいつがいなきゃ、お前への気持ちも、オレ自身ちゃんと気付けなかったし」「本村さんの存在は、あたした
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122.恋人の始まり⑧

「それで、明日、桜子とご飯食べに行く予定してるんですけど、そこで引っ越しのことも話さなきゃいけない流れになりそうで……。なんて言ったら不自然じゃないでしょうか……」「ちゃんと話しておくか」「えっ? いいんですか?」「お前にも誰か相談出来るような存在必要だろ」「それって、慧……さんとのこと話してもいいってことですか……?」「親友なんだろ? いいよ。今一緒に住んでることも付き合ってることも、河野には伝えても」「ありがとうございます!」「じゃあ、オレのことは河野には何も話してないの?」「もちろんですよ! 誰にも話してません」「そっか。ちょっとしんどかったろ?」「いや、全然……大丈夫ですよ?」「ホントかよ(笑)」「でも。引っ越しのことよりも、あたしは初めて現実で好きになった人がいるっていうのは、桜子には伝えたいです」今まで琉偉のこともいろいろ聞いてきてもらって救われてきた。桜子は、同じ会社で社長のことも知ってる訳だし、ちゃんと好きな人だと伝えたい。今までは契約だけで繋がっていた関係だから、中途半端だったし、なんて説明していいかわからない関係だったけど、今は堂々と彼氏だと伝えられる。「明日。どこ行くとか店決めてんの?」「いや。別にまだそこまでは話してなくて」「なら。明日オレも同席していい?」「えっ!?!?」「ちょうど明日予定入ってないし、お前一人でこれまでの状況説明するより、オレからちゃんと説明する方が納得してもらえんだろ」「いや、でも、そこまでは!」「でも。お前にとって、なんでも話しておきたい大切な存在なんだろ?」「はい……」「なら。オレがちゃんとわかってもらえるように話すから心配すんな。今までまったくオレのこと話してないんなら、いきなりだと向こうも驚くだろうから。中途半端な関係から付き合うことになった理由も、ちゃんとオレから説明する」「ありがとうございます」「なら、柾弥も一緒に連れてくか」「え? 本村さんもですか?」「正直、あいつのがそういう説明はオレよりうまいとこあるから。実際いきなり社長のオレだけそんなとこ同席したとこで向こうも動揺するかもだし」「あっ、それは確かに。元々あたしたちは社長と関われる世界にいなかったですから……。あたしが社長と暮らしてるうえに、お付き合い始めただなんて、いきなり話したとこで桜子も
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123.恋人の始まり⑨

やっぱり社長は優しい。こんなあたしにまで、そこまで思ってくれる。桜子と大ちゃんみたいな関係とはまた少し違うけど。今始まったあたしたちは、社長は社長が出来る範囲で、出来るだけあたしに寄り添って向き合おうとしてくれる。あたしをちゃんと一人の人間としての意思も尊重してくれる。あたしが一人で抱えないように、自然に話しやすい環境に持って行ってくれる。なら、社長は……?社長は、そういう時は、どうするんだろうか。本村さんに全部話せているんだろうか。これからは、あたしだからこそ、あたしにしか解決出来ないこととか、存在はしたりしないのだろうか。あたしでも力になれるようなことはあったりしないだろうか。あたしなんかじゃ頼りにはならないかもしれないけど、あたしも社長のことはなんでも知っておきたい。「社長……。いや、慧さんも、なんでも話してくださいね?」「ん?」「こうやって、慧さんは、あたしの負担を出来るだけなくそうとしてくれる。だけど、あたしは同じようなことは出来ないかもしれないけど。でも、もし何かあたしでも出来ることあるなら、力になりたいっていうか、話してほしいって思ってます。……って、あたしじゃ頼りないと思いますけど(笑)」「そんなことないよ」「え?」「ちゃんと、逢沢がいてくれることで力になってるから」「ホント……ですか……?」「あぁ。今までは、異性とどれだけ一緒にいても必要以上に自分の心が動くことはなかった。だけど、お前はさ。一緒にいてくれることで、いろんな気持ちが動くし、一緒にいて穏やかにもなれる。お前がいるっていうことがさ、オレにとってすごく意味あることだから」「あたしの存在だけで……ですか?」「そう。お前が思ってる以上、オレにとって、お前はしっかり大きい存在になってるから」「嬉しい……です」「だから。ちゃんとお前が大切に思ってる親友にもちゃんと会ったおきたいって思った」「それで……ですか?」「あぁ。ちゃんとホントのこと話してわかってもらいたいって、勝手だけどそう思ったっていうかさ。柾弥がオレにとって、こうやって力になってくれてるように、お前の親友にも、お前の支えになってほしいから」「はい。わかってほしいです」「うん。最初は契約から始まった関係だけどさ。今はちゃんとお前のことはいい加減な気持ちじゃないって、ちゃんとそう伝える
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124.親友への報告①

そして次の日。「あのさぁ、桜子。今日ご飯行く前にちょっと話したいことあるんだけど」「ん? そのまま ご飯行けば良くない?」「ん~。それはちょっと~。とりあえずご飯食べる前に、落ち着いて話しておきたいっていうか」「何それ。食べに行く時間遅くならない?」「あっ、それは予約してあるから大丈夫」「あっ、予約してくれてるんだ? なんかよくわかんないけど、まぁ話聞くよ」そう言って、社長と待ち合わせの時間までに、桜子をカフェに引っ張っていくことに成功。「で? 改まって話って何?」「あのさぁ。いきなり、なんだけど。あたし、好きな人出来た」「ん? 琉偉くんでしょ?」「いや、琉偉は推し。好きな人は現実の身近な人」「え! そなの!? いつから!?」「ん~。なんか気持ち気付いたのは最近なんだけど……」「最近なの?」「うん……」「へ~そっか~! ついに依那にも好きな人出来たかー! もう一生琉偉くんだけ好きなまま年くってくのかと思ってたわ~(笑)」「うん。あたしもそう思ってた……」「どんな人?」「えーっと、それは……実際会ってもらった方がわかりやすいかな~って」「ん? 何それ」「なんか嘘みたいな話なんだけど、ついこの前、その人とお付き合いすることになって……」「えっ! マジで!? はや! 何それ!」「ホント、何それだよね~……。しかも、実は、今その人と暮らしてて……」「はっ!?!? えっ!? ごめん、ちょっといきなり情報多すぎて意味わかんないんだけど」「ですよねぇ~」「えっ、依那。そんなの出来るような子だった!?」「いえ、全然。恋愛超ド級の初心者です」「だよね!? なのに、なんでそんな恋愛得意な女みたいな感じになってんの!?」「まぁ、これにはいろいろと理由がありまして……」「そっか。じゃあ、引っ越しももう済ませてるってことか」「うん。その人に手伝ってもらって……」「え、そこまでしてくれる人なんだ!?」「うん。すごい優しい人で」「へ~ホントだね」「それもまだ付き合う前だったし」「え、何それ。どんだけ優しい人なの!? そんな暇な人なの!? え、学生!? てか、依那大丈夫? 騙されてない!?」いやいや、暇どころか、超忙しい人だけど、たまたま手伝ってくれた優しい人なんです。そして学生どころか、うちの社長なんです。騙されてる
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125.親友への報告②

「ねぇ。依那。ちょっとこのお店すごいんだけど」「あぁ。うん。そだね。あたしも来てみてビックリ」そして、そのあと、社長が指定した店へと桜子と到着し、社長たちが来るのを待つ。そして、通された部屋までの店の雰囲気も、まさに高級なお店って感じなうえに、待たされた部屋は完全個室のVIP的なお部屋。社長の話によると、このお店も社長がプロデュースしたお店らしく、あえてそういう業界の人が来やすい仕組みになってたりするお店らしい。なもんで、すごくVIP感漂う雰囲気で、事情をわかってるあたしでも少し緊張してしまう。なのに、何も知らない桜子は、あたし以上にそりゃ驚いちゃうよな。「ねぇ。ここ。依那の彼氏が予約してくれたお店なんだよね」「うん」「依那の彼氏何者?」うん、そりゃそう思うよね。こんなお店連れてきてくれる人なんて。「ねぇ。ホントに騙されてない? なんか変なこと巻き込まれてないよね!? てか、不倫とかじゃないよね!?」あまりのお店の豪華さにあたしの心配までしてくれる桜子。「ハハ。大丈夫だよ。全然怪しい人とかじゃないから(笑)」確かに今までのあたしを思えば、こんなところ連れてきてくれる彼氏なんて謎でしかないよね。でも、それが社長だとわかったら桜子もすぐに納得するだろうけど。そして、しばらくすると、個室の扉が開く。それから自分たちが座ってる前に社長と副社長が到着して席につく。「えっ!?!?」当然目の前に現れた二人の姿に驚きまくっている桜子。「待たせた?」「いえ。全然。まだ時間前なので」社長が着いた早々声をかけてくれる。「えっ!? 社長……と副社長だよね……? なんでここに二人が!? なんかうちらやらかした!? いや、でもここにいることがそもそもおかしいよね。てか、なんで依那普通に話してんの!?」と、桜子はありえない状況をなかなか呑み込めてない様子。「桜子。えっと……。あたしがお付き合いすることになった……うちの社長です……」少し気まずいまま桜子に伝える。「はっ!?!? えっ!? いやいや! どういうこと!?」「だよね~。そうなるよね~」思わずあたしも苦笑いしながら桜子に相槌を打つ。「えっ、なんで社長と依那が!? 全然意味わかんないんだけど!」「とりあえず。その話は長くなるから、先に飲み物注文してい?」「あっ、はい!」社長
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126.親友への報告③

それから、飲み物や少しずつ食事が来て少し落ち着いた頃に。「さっ。話。始めようか」社長が口を開いた。「驚かせて悪かったな、河野」「いえ……。でも、すいません。まったく状況が把握出来なくて……」「うん。そうだろうな。ホントは逢沢が事前に話してればこんな戸惑うこともなかったんだろうけど、そこはオレに気を遣って逢沢が誰にも話さないでいてくれたから」「あっ、そうだったんですね……」「だけど。親友の河野には、ちゃんと全部話しておきたいからって逢沢に相談されて。お前らの間に行き違いや勘違いが生じないように、ちゃんとオレからも状況説明する必要があると思ったから、今回オレらも同席させてもらった」「はい……」その二人を見て。「さすがにお付き合いすることになったのは、社長だと話したところで、桜子は意味わかないんだろうし、相手は社長だから、すぐには言える状況じゃなくて……。今まで言えなくてごめんね、桜子」すかさず、あたしも桜子に声をかける。「そっか。うん。状況はわかった。いや、まさか……うちの社長とは……。ちょっとまだ依那と社長が結びつかなさ過ぎて、未だ信じられないんだけど……。でも。依那、社長とそんな接点あった!? 前に会社ですれ違って話した時、あの時全然そんな感じじゃなかったじゃん」「うん。あの時はホントに全然。あれがまともに社長と初めて話したみたいなもんだし……」「だよね!? あの時、依那、社長全然好みじゃないって興味ない感じだったよね!? ……あ、すいません!」あたしについ、いつもの感じで話してしまった桜子が、社長の前で言ってしまった言葉にすぐに気付く。「いや、いいよ(笑) あの時は、オレもそんな感じだろうと思ってたから」「ですよね!? ってことは、あの時はまだそんな感じじゃなかったってことですか!?」「もちろん。でも、あの日がきっかけだったかな」「えっ! そうなんですか!?」「逢沢があんな風にオレに興味がなかったから、そうなったっていうか」
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127.親友への報告④

「えっ!? どういうことですか!?」「偶然、ある店で逢沢と出会ったことで、オレが逢沢にあることを頼んだんだよね」「頼んだ?」「あのね、桜子。あたしが前から勉強のために、うちの会社がプロデュースした店いろいろ巡ってたの知ってるでしょ?」「あぁ~。依那、夢叶えるために、いろいろ巡って勉強してるもんね。あたしも何件か一緒に行ったこともあるし」「そう。その勉強でね。行ったお店で、たまたま社長と出会って」「そうなんだ? まぁ、確かに会社でプロデュースしてるお店に行ってたら、会ってもおかしくはないか」「その時にさ、たまたまいた逢沢に。オレから声かけた」「社長からですか!? よく依那だって気付きましたね」「まぁそりゃあんなあからさまにオレに拒否反応見せて、金しか頭にないようなヤツ今まで会ったことなかったし。さすがに印象ありすぎんだろ」「ですよね(笑) あたしもこの子いきなり何言ってんだろうって思ってましたから(笑)」「だから、逢沢なら上手くやってくれるかなと思って、急遽事情があって恋人役をその場で頼んだんだ」「え!? 恋人役ですか!?」「あぁ。ちょっとその時、オレ的に女性と面倒な流れになってた時でさ。オレだけではどうにもならなそうだったから、逢沢に無理やりお願いした」「無理やりだなんて、そんな」別にあの時は無理やりでもなかった。実際あたしはあの瞬間お金に釣られた訳だし……。「で。依那がそれちゃんと役目果たせたってことですか?」「あぁ。思ってた以上にいい仕事してくれたよ」「そうなんですね。よかった」「それでそのあとお礼も兼ねてそのまま一緒に食事して。その時に、まぁお互い落ち着いて話出来たというかさ」「へ~そんなことがあったんですね」桜子は社長の話を聞いて、少しずつ理解していってるみたいだ。「その時にね、会社の話とか社長のこととかいろいろ聞いて、またそういう意味でも勉強になったの」「なるほど。そういうことも社長は依那に話してくれたんだね」そして、あたしも桜子にその時の状況を報告する。「なんか、逢沢ってさ。話聞き上手なとこない?」「あぁ。確かに。依那は、いつでもこっちの話一方的にしても、一緒にその気持ち寄り添ってくれたり楽しんでくれたり喜んでくれたり、親身になって聞いてくれるから、つい安心していろいろ話しちゃうんですよね」「そう
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128.親友への報告⑤

「それで結構話し込んでたら時間遅くなって、逢沢をついでに自宅まで送ろうとしてた途中で、急に泊まるとこ探さなきゃいけないってなって」「あたし、お姉ちゃんと一緒に住んでたでしょ?」「あぁ、うん」「元々そこ住んでたお姉ちゃんの彼氏がその日急遽帰ってきて、その日にもう家追い出されちゃって」「えっ、何それ!?」「それで困ってたところ、社長が家泊めてくれて」「あ~。そうなんだ。そういう流れなんだ? でも、社長がそのまま依那を泊めたっていうのがビックリですけど……」「あっ、誤解しないでほしいんだけど、男女の関係になったとかそういうのは一切ないから」「あっ、そうなんですね。そういう流れだと、ついそういう狙いかと……」「いや、さすがにこいつ、自分の身内の社員に手出すほど女に困ってないから(笑)」すると、すかさず本村さんが少し笑いながら横から社長のフォローをする。「ですよね。社長、そんな身近な依那に手を出さなくても、素敵な女性選びたい放題ですもんね」「いや、桜子、言い方……」「そうなんだよね。慧は、放っておいても言い寄られちゃうような男だからさ。逆に逢沢さんみたいな人のが居心地よくて安心出来たんじゃないかな」すると、またさらっと本村さんが今度はあたしまでいい感じに言ってくれる。「と、いうと?」「う~ん。こいつは訳あって、自分からは必要以上に女性とは距離近づこうとはしないから。実際こいつは自分の意思でそういう面倒な関係にはならないようにしてる」そして、桜子に話すその話の内容は、あたしもまだ知らなかった社長の話が飛び出し始める。「えっ、そんな感じなんですか!?」「言い寄ってくる女性は多いから、こいつも誤解されやすいんだけどね。実際慧の気持ちは関係なしに狙ってくる女性も少なくないし、オレみたいに女性に慣れてるタイプじゃないからさ。そういうの断るのも一苦労っていうか。だけど酒弱かったりして、そういう時ちょっと自分守りにくくなるとこあるから、こいつ的には案外女性に対して努力してること多いんだよ」そっか……。やっぱりそういう感じだったんだ。最初に会った頃は、自己管理出来ない人なのかなとか思ったりしたこともあったけど、実際はちゃんと社長は断り続けてたんだな。だから、あたしが恋人役を頼まれた時も、ちゃんとそうやって断ってたってことなんだ。「なんか意外です
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129.親友への報告⑥

「そうだよな。逢沢はそんな普通ではない始まりだったんだけど、もしかしたらオレ的には逆にそれがよかったのかもしれないな」「そのお店で出会ってからですか?」「うん。とりあえず逢沢はその日追い出されるカタチになって、行くところに困ってたから、オレん家にしばらく泊めることになった。といっても、オレん家は空き部屋も結構あるし、柾弥やいろんな知り合いがしょっちゅう泊まること多かったから、実際逢沢もそんな流れで泊めただけ」すると、社長がその日の状況を説明しだしてくれた。「そっか。そこからの偶然の流れで始まったってことなんだ」「そん時に、逢沢は泊めてくれるお礼にって、家の掃除とか料理とかしてくれて」「あぁ~依那。普段からしてるからそういうの苦じゃないって言ってるもんね。あたしは逆にそういうの得意じゃないから、いつもすごいなぁって思ってる」「うん。それをさ。ホント自ら進んでやろうとしてくれるんだよ。必要以上に全部。でも、そういうのさせようと思って住ませた訳じゃないし。なんかオレがそういうの嫌で」「それって依那が彼女気取りで身の回りするような存在に思ったってことですか?」「いや、違う違う。その逆。こいつはオレを気遣っていろいろやってくれようとしてるのわかってるし、それでオレの気を引こうとか一切そういうんじゃなくて、逆に逢沢の方が一線引いてそっちに特化しそうになってたというか。だから彼女でも家政婦でもなく、逢沢自身をちゃんと尊重したくて、契約ってカタチを取ったんだ」「えっ? 契約??」「逢沢はその時、金が必要だって言ってたから。それなら、全部それをしてくれることに対価を払うって言って、契約で全部やってもらうことにした」「あぁ……。確かに、依那。あん時、お金お金って言ってたもんね……」「いや。まぁ、それは……はい……」「だけど、実際それをしてくれることでオレ的には助かるのは確かだったし。それならそれで平等になるんじゃないかと思った」「平等どころじゃないですよ。あたし的には、ただ勝手にやりたくてやってることなのに、そのすべてに価値をつけてくれたのは社長で。ホント感謝しかないです」「逢沢は、まぁずっとこんな感じだから、契約といいつつ、いろいろやってくれて気遣ってくれてさ。一緒に住むようになって、逢沢の良さもわかっていって、オレにとってどんどん必要な存在になって
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130.親友への報告⑦

「そうですか。わかりました。ちゃんと社長は依那のホントの中身や心まで理解してくれてるってことですよね」「そういうことだな。一緒にいたからこそ、それがわかったというか。でも、きっとまだまだ知らないことも多いだろうから、もっと逢沢っていう人間をオレも理解していきたいし知っていきたいって思ってる」「フフ。社長。依那をもっと知っていくともっと深みにハマっていきますよ?(笑)」「何それ」「依那の魅力にもっとこれからハマっていっちゃうってことです! あたしのホントの自慢の親友なんで!」おおっと! なんかすごい恥ずかしくなるようなことを桜子が言い出した!だけど、そんな風に社長に堂々と言ってくれて嬉しい。「そうだな。逢沢がどんだけいい女なのか、これから知っていくの楽しみにしてるよ(笑)」「ちょっと社長まで! なんで二人してあたしのハードル勝手に上げてくかなー!」「何、お前自信ないの? オレ今からお前にどんだけハマっていけるか、すげー楽しみにしてんだけど(笑)」うっっ!何その誘惑!しかも意地悪く嬉しそうに笑う社長に、またドMの心がくすぐられてキュンとしちゃうじゃないか!ルイルイ好きな時は、こんなくすぐられかたしなかったぞ!てか、社長ホント、ルイルイと差がないほど可愛いとカッコよさのジャンルは違うとはいえ、ふとした時見せるそういう顔とかたまらないんだよなー!しかも上から見下ろされるこの感じがまた……好き!って、危ない危ない。本村さんも桜子もいるのに、つい自分の世界に入りそうになった。社長もこんな皆の前でそんな顔見せなくても。「どした? 自信ない?(笑)」「は……は~!? 言ったじゃないですか! もっとあたしを好きにさせるって! これからもうすんごいハマらせてくんで覚悟しておいてくださいね!」社長に煽られてつい勢いのまま乗せられてしまう。
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