智昭は答えた。「先週、無事に終わったよ。今はリハビリ中だ。ただ、退屈して『遊び相手がいない』ってぼやいてるけどね」それを聞いて、真琴は笑って言った。「じゃあ、時間がある時にお見舞いに行ってもいいですか?」智昭は言った。「もちろん。君が行ってくれたら、天音も喜ぶよ」話しながら駐車場に車を停め、二人は会社に戻った。智昭は図面の仕上げにかかり、真琴も自分の仕事に取り掛かった。夜七時過ぎ、真琴の仕事が一段落し、智昭に挨拶して退社した。昼も夜も続けて適当に済ませていたので、お腹が空いていた。帰り道、紗友里から電話があり、食事は済んだか、いつ帰るかと聞かれた。「今、帰る途中」と答えると、紗友里は「待ってる」と言い、声を潜めて話題を変えた。「そうだ真琴。由美のやつ、精高テクノロジーと組みたがってるみたい。兄ちゃんも巻き込もうとしてるわ。午後、電話で話してるのを聞いちゃったの。ちょっと気をつけて。できるだけ兄ちゃんを関わらせないようにして。真琴やアークライトにとっても良くないし」ハンドルを握りながら、真琴は眉をひそめた。信行も関わるつもりなのか?少し考えて、真琴は言った。「分かったわ、気をつける」紗友里は念を押した。「会社の中にも、誰か由美と通じてる人がいるみたいだし、とにかく警戒して。あいつ、完全に真琴をターゲットにしてるから」真琴は頷いた。「ええ、肝に銘じるわ……教えてくれてありがとう、紗友里」電話の向こうで、紗友里は明るく言った。「何言ってんの、水くさい。早く帰ってきて。ご飯温めて待ってるから」「うん」電話を切り、真琴は少しアクセルを踏み込んだ。間もなく、車を庭に停め、家に入った。玄関のドアを開けると、紗友里ではなく、信行が二階から降りてくるところだった。「帰ったか」少し緩んでいた表情を引き締め、真琴は普段の冷静さを取り戻して答えた。「ええ」靴を脱ぎながら見回したが、紗友里の姿はない。信行はゆっくりと言った。「探してもいないぞ。紗友里なら爺さんに呼ばれて裏庭へ行った。飯は温めてある」「……そうですか」真琴はそっけなく答え、ダイニングへ向かった。テーブルに着くと、横に開いたままのノートパソコンが置かれていた。信行も来ていた。ノートパソコ
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