ケルピー(kelpie)。 妖精界に存在する幻獣で、美しい馬の姿をしている。彼らは水辺で待ち伏せ、気に入った人間を見つけると、背に乗せようと誘惑する。無防備な人間が背にまたがると、たちまち豹変。池や湖、川の深みをめがけて疾走し、その人を沈めて命を奪い、魂を妖精界へ連れていってしまう。一度、妖精界へさらわれた人間は、二度と元の世界に戻ることができない。スコットランドでは、ケルピーは邪悪な妖精馬だと言い伝えられてもいる。*** イングリッシュ・ブルーベル(学名・Hyacinthoides non-scripta)。 花言葉は「変わらぬ心」。見た目がとても可愛らしいこの花は、実は毒性が強く、スコットランドでは「死者の鐘」という異名があるほど。このベル型の花が風に揺れ、鐘の音を鳴らせば、それは死を告げるものだと考えられている。 もしも、森や野原の茂みでブルーベルの花を見つけたら、決して摘み取らず、そうっとその場を離れること。どんなに魅惑的でも、ブルーベルが咲く場所には、必ず妖精たちが潜み、魔法が溢れているという。一度、そこへ踏み込んだ子どもは二度と家族のもとへは戻れず、おかしな世界へ連れていかれる。大人であっても油断は禁物だ。彼らの魔法はどんな人間にもかなわない。永遠に、森の中をあてどなくさまようことになるだろう。
Last Updated : 2025-09-01 Read more