บททั้งหมดของ あなたの「愛してる」なんてもういらない: บทที่ 151 - บทที่ 160

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151話

◇ 「──痛っ」 「茉莉花さん、大丈夫ですか!?」 料亭の、一室。 私たちは予約していた部屋に案内されていた。 そこで席に着くなり、私の足元に跪いた苓さんが靴を脱がせてくれたのだけど、その時に伝わった振動が捻った足首に響き、私は小さく声を上げてしまった。 私が痛みを訴えた瞬間、苓さんが慌てたように声を上げ、申し訳ないと何度も謝罪をする。 「大丈夫です、苓さん。我慢できずごめんなさい」 「我慢なんて出来るはずないですよ……こんなに赤く腫れてる……。藤堂社長、やっぱり茉莉花さんを夜間病院に連れて行きませんか?」 苓さんは傍らに立つお父様にぱっと顔を向けて提案する。 お父様も数秒悩んだあと、苓さんの言葉に頷いた。 「そうだな……それがいいかもしれん。茉莉花、明日から暫く会社は休みなさい」 「──えっ!だ、大丈夫です!骨に異常はないと思いますし、出社できます」 「駄目だ。治りが遅くなるだろう。完治するまで治療に専念し、仕事の事は一旦忘れなさい」 「お父様……」 お父様は、1度こうと決めたら絶対にそれを覆してはくれない。 頑固なところは、お祖父様譲り。 私はしゅんと項垂れてしまう。 「茉莉花。小鳥遊くんとの食事はまたいつでも出来るんだ。今日はこのまま病院へ行こう」 「……分かりました、私の不注意でこんな事になってしまい、申し訳ございません」 忙しいお父様の時間を無駄にしてしまった。 苓さんだって忙しい中、こうして時間を作ってくれたのに。 あの時、私が涼子の足に気が付いていればこんな事にならなかったのに。 私が落ち込んでいる間に、苓さんとお父様でお店の人に事情を話し、苓さんは急いで外に車を取りに行ってくれた。 私に肩を貸してくれながら、お父様がぽつりと呟く。 「それで、茉莉花。御影くんと一緒にいたあの女性は確か、速水商事のお嬢さんじゃないか?」 「え?ええ。そうです。面識があるのですか?」 お父様が涼子の顔を覚えていたなんて、と私は少し驚いてしまう。 確か、速水商事とうちの家は関わりは無かったはずだ。 私は学校で涼子との面識はあるけど、家同士の付き合いは無かったはず。 私の疑問に答えるように、お父様はふ、と困ったように眉を下げた。 「お祖父様と速水家の会長に少し面識が、な……。私も速水家の嫁とは学生時代に面識があ
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152話

「茉莉花さん!藤堂社長、こちらです!」 お店の外に出ると、すぐ目の前の道路に車を停めた苓さんが声をかけてくれる。 私たちの方へ駆け寄ってくると、お父様は自然な動作で私を苓さんに任せた。 「ここから近いのは……妻が入院している総合病院だな。私は院長に電話をしておこう。小鳥遊くんは茉莉花を車に運んでやってくれ」 「分かりました」 お父様の言葉にこくりと頷いた苓さんは、私の体をひょいと抱き上げると車の方へ歩いて行く。 慣れたように私が苓さんの首に腕を回し、落ちないように苓さんの体に自分の体を寄せる。 まさか、お父様が私たちのそんな姿を見て、眩しそうに目を細めていたなんて、気が付かなかった。 助手席を開けた苓さんが、私を優しく座席に下ろしてくれる。 「茉莉花さん、少しだけ我慢してくださいね。すぐに病院に行きますから」 「ふふ、大丈夫ですよ苓さん。心配してくれてありがとうございます」 「捻挫を甘く見たら駄目ですからね。ちゃんと処置してもらいましょう」 苓さんはそう話しながら、シートベルトをしめてくれて、最後に私の頬をするりと撫でた。 そして苓さんは運転席に回り込み、車に乗り込む。 お父様は後部座席で病院の院長と電話をしているようで、スマホを耳から離すと「小鳥遊くん」と苓さんを呼んだ。 「受け入れてくれるようだ。このまま病院に向かってくれ」 「分かりました藤堂社長」 こくり、と頷いたお父様は再びスマホを耳に当てて院長との話を続けている。 車を発進させた苓さんは、私の怪我に響かないよう普段よりも安全運転で速度を落とし、ゆっくりと向かってくれた。 苓さんの運転する車が病院に着くと、既に病院前で数人の医師が待っていてくれた。
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153話

病院の院長が同席した診察室は、とても重苦しい空気と、緊張感に包まれていた。 整形外科の医師に怪我の処置をしてもらい、医師が口を開いた。 「全治2週間ですね。3日ほどは絶対安静にしてください。お風呂も湯船に浸からず、シャワーで済ませてください」 「だそうだが、茉莉花。その足だと不便だろう?入院しておくか?」 「と、とんでもないです!家に戻りますお父様」 入院なんて、大袈裟だと思う。 多分松葉杖を使えば動き回る事も出来る。 それに、会社には行かせてもらえないだろうけど、家のパソコンで仕事は出来るから、家で仕事はしたい。 だけど、お父様は私が知らない内に相当心配性になったらしい。 顎に手を当て、「でもなぁ……」と渋っている。 「本当に大丈夫です、お父様。自宅の方が落ち着けますし、それにお手伝いさんもいますから助けてもらいます」 「……まあ、以前のマンション暮らしよりは安心か……」 お父様が納得してくれたようで、ほっとした時。 診察を見守ってくれていた総合病院の院長がふと思い出したかのように声を発した。 「そう言えば……藤堂様のお嬢様は、最近こちらへ来られましたか?」 「え?私、ですか?確かにお母様のお見舞いには最近来てますが……」 「そうですか。……お母様の病室はご存知ですよね?おかしいな……」 院長が不思議そうに首を傾げて言葉を零す。 何が、おかしいのだろうか──。 私がそう思った時、それまで診察の様子を黙って見守ってくれていた苓さんがふと口を開いた。 「……茉莉花さんのお母様に、何かあったのですか?」 苓さんの言葉を聞き、お父様の雰囲気が変わる。 鋭い視線を院長に向け、低い声で問う。
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154話

診察室での診察を終えた私は、苓さんに車椅子を押してもらいながら車に戻って来ていた。 私の後ろにいる苓さんにちらり、と視線を向けると、苓さんは不思議そうに首を傾げた。 「どうしましたか、茉莉花さん?」 「その……さっき苓さんが言った事が、気になって……」 「ああ……茉莉花さんのお母様の病室を変える事、ですか?」 苓さんの言葉に、私はこくりと頷く。 病室を変えて、名前まで変えてお母様の情報を隠すなんて──。 何だか、不穏な感じがして不安だ。 そんな私の気持ちを感じ取ってくれたのだろう。 苓さんは不安そうにしている私の額に唇を一つ落とし、安心させるように微笑んでくれた。 「念の為ですよ。俺たちの事業は、狙われる可能性があるでしょう?きっと、間違いなくこの事業は成功しますから。他企業に邪魔をされたら大変ですから。念には念を込めて、と」 「そう、なんですかね……?」 にこり、と笑う苓さんに何だか釈然としない。 だけどこれ以上苓さんに聞いたとしても、苓さんはきっとそれ以上の理由は話してくれないような気がした。 「そう、ですよね……。お母様が無事なら、私は何だっていい、です」 「だけど、茉莉花さんも周囲には気をつけてくださいね?新規事業の情報を狙う人間もいるかもしれませんから……」 「ふふ、分かりました。1人の時は十分気をつけます」 「ええ、そうしてください。本当なら、俺が毎日送り迎えをしたいんですが……」 しゅん、と眉を下げて真剣にそう言う苓さんに、私はふふ、と笑みを浮かべて「大袈裟ですよ」と返した。 苓さんに家まで送ってもらった私は、車を降りた苓さんに再び抱き上げてもらった。 玄関までの道をゆっくり歩きつつ、苓さんがふと提案を口
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155話

苓さんとキスを交わしながら、私はここ最近感じていた違和感を確かめるように、自然な流れで薄っすらと唇を開いた。 だけど、苓さんはそれに気付いているはずなのに、唇を重ね合わせるだけの可愛らしいキスばかりを私に贈ってくれる。 以前、一夜を共にしてしまった時の、情熱的な、まるで食べられてしまうんじゃないかと言うくらいのキスは、お付き合いを始めてから1度もされた事が無い。 苓さんがしてくれないなら、と私からしてみようとしたその時──。 「──っ、茉莉花さん……っ」 「んっ、苓さん……?」 私が何をしようとしているのかを察したのだろう。 苓さんはがばり、と私から体を起こして離れてしまった。 私は、苓さんとのキスの余韻に頭がふわふわとしてしまっている状態で。 ぽうっと苓さんを見つめていると、苓さんの喉仏が大きく動いた。 「……っ、待ってください……。深いキスは……駄目です」 「え……?」 苓さんに言われた言葉が一瞬分からなくて。 そして、言われた言葉を理解した瞬間、私は自分がどんな事を苓さんにしようとしたかを自覚してしまい、顔を真っ赤にしてしまった。 苓さんは身動ぎしようとした私の動きを察知して、慌てて抱き上げている腕に力を込める。 「ちょ、ちょっと待ってくださいね茉莉花さん。ここで暴れたら、危険です。それに怪我にも響くので……っ」 「す、すみません……」 ああ、穴があったら入りたい、とは良く言った物だ、と実感する。 今、私は正に穴があったら入りたい。 わ、私から、自ら苓さんに深いキスをしようとしていたなんて……! 破廉恥な女だと、幻滅されてしまっただろうか。 積極的な女は嫌だ、と思われてしまっただろうか、と様々な考えが頭の中をぐるぐると巡る。 「ちょ、ちょっと場所を変えますね、茉莉花さん」 苓さんは周囲をきょろ、と見回し、庭にあるベンチを見つけると、そこを目指して歩き出した。 私を優しくベンチに座らせてくれた苓さんは、私の目の前に跪き、私の両手を包み込んでくれた。 「その……茉莉花さんが俺と、……そう言う触れ合いをしたいって思ってくれるのは、嬉しいんです」 「……え?」 幻滅、したんじゃないの? 私は苓さんの言葉を聞いて、俯いていた顔を上げた。 すると、ほんのりと目元を赤らめた苓さんが、私の目をしっかり見返してくれつ
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156話

苓さんは、少し恥ずかしそうに自分の口元を手で覆いながらまるで懺悔をするように告げる。 「それに……深いキスをしたら、我慢できなくなって茉莉花さんを襲ってしまうかもしれません……。俺の忍耐力なんて、茉莉花さんの可愛らしさの前では簡単に吹き飛んでしまうんです」 「──っ」 お、襲う……!? まさか苓さんの口からそんな衝撃的な言葉が出てくるとは思わず、私まで顔を真っ赤にして押し黙ってしまう。 ちらり、と苓さんは私を見あげ、そして周囲を確認した後にその場に立ち上がり、私に軽く口付けた。 「──だから、暫くはこのキスでお願いします」 軽く触れ合うだけの、キス。 でも、それでも苓さんと触れ合えるのは嬉しい事には変わりない。 私はこくり、と頷いた後、苓さんの服の裾を摘んだ。 「分かり、ました。お祖父様に報告したら……いっぱい気持ちいいキス、して下さい……」 「──〜……っ」 私の言葉に、苓さんが膝から崩れ落ちてしまった。 オロオロとする私に、苓さんは「大丈夫、大丈夫です」と掠れた声で呟き、暫くその場に立ち上がる事が出来ないようだった。 苓さんこそ、膝を打ってしまっていないかしら。 怪我をしてしまったんじゃあ、と私が心配していると、長く息を吐き出した苓さんがすくっとその場に立ち上がる。 「落ち着きました。今度こそ茉莉花さんのお部屋に送りますね」 「だ、大丈夫ですか苓さん……?」 私が苓さんに向かってそう問うと、もう普段通りの苓さんに戻っていて。 にこり、と爽やかな笑顔を向けられて頷かれた。 「大丈夫です。じゃあ、抱き上げますね?少し揺れると思うので……」 「わ、分かりました。ありがとうございます」
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157話

私が自宅で仕事をしている間、苓さんから度々連絡は来ていた。 けど、苓さんもお仕事が忙しいらしく、以前より連絡頻度は減ってしまったように思う。 それに、何だかお父様も難しい顔をして何かを調べているような事が増えた、ような気がする──。 新事業の事だろうか、と思ったけど。 それなら、私にも情報は共有してくれるはず。 それなら、なんだろうかと考えて、私は1つ思い至った。 「お父様はもしかしたら、あの日病院で院長が言っていた事を調べているのかしら……?」 あの日、お母様の事を聞いてきた女性がいる、と確かに院長は言っていた。 苓さんが、もしかしたら新事業の邪魔をしようとしてる企業がいるのかもしれない、と言っていて、その日は納得したけど。 「……お母様の事を探る?のは少し視点がずれているように思うわね……」 お母様は長い間、意識不明だ。 だから今、藤堂家と小鳥遊家、田村家で始めようとしている事業の事は知らない。 新規事業の事を狙うなら、私や他の人に探りを入れるはず。 それなのに、苓さんはお母様の病室の変更と、名前の変更まで提案していた──。 「お母様に、何かあったの……?」 それか、もしかしたら危険が迫っている、とかだろうか──。 考えれば考えるほど、不安が募る。 でも、もし本当にそうだったらお父様が私に話をしない訳がない。 私に共有されていないって言う事は、お母様は大丈夫なの? それとも、それを今はまだ調べている最中なのだろうか。 だから、お父様は最近難しい顔をしている事が多いの……? 「駄目だわ……気になってしょうがない……。明日は、約束していた苓さんとのカフェ視察だし……苓さんに聞いてみようかし
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158話

駐車場に向かって私が歩いていると、私を迎えにこようとしてくれていたのだろう。 途中で苓さんと会った。 私が歩いてやって来ているのを見た苓さんが、驚いたようにぎょっと目を見開く。 「茉莉花さん!?俺が迎えに行くのに……!怪我の痛みは?大丈夫なんですか?」 「大丈夫ですよ。走ったり、急いで歩いたりしなければもう痛みは出ません。じゃないと、苓さんと視察に行けませんもの」 「そ、それはそうですが……」 苓さんは困ったように眉を下げつつ、何かあった時にすぐに支えられるように手を差し出してくれた。 今は、お祖父様もご在宅中。 どこかの窓から駐車場を見られてしまったら大変だから、恋人同士のような手の繋ぎ方は出来ない。 それに、いつものように苓さんに抱き上げてもらって、移動も難しい。 だからこその、エスコートなのだろう。 私は苓さんの意図を汲み「ありがとうございます」とお礼を言ってから苓さんの手に自分の手を重ねた。 「今日の服装は、珍しくパンツスタイルなんですね?」 「ええ、そうなんです。スカートだとやっぱり可愛い靴を履きたくなっちゃいますから。そうすると、必然的にヒールのある靴を選ぶしかなくなっちゃって」 「なるほど……だから、今日はショートブーツなんですね?でも、パンツスタイルの茉莉花さんも普段の可愛らしさとは違って格好よくて素敵ですね」 「あ、ありがとうございます苓さん。その、苓さんもいつも格好良いですけど、今日は一段と素敵です」 何だか、少し気恥ずかしくて。 私が顔を逸らしながらそう言うと、苓さんは嬉しそうに笑った。 車に乗り込んだ私たち。 苓さんが車を運転しつつ、今日行く予定のカフェについて話してくれた。 「今日向かうカフ
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159話

お店に着いた私たちは、店員に案内されて席に着く。 お昼時を外した中途半端な時間と、車がないと繁華街から離れた場所にあるからか、店内はそこまで混みあっておらず、すんなりと中に入れた。 席に着いて、メニューをいくつか注文したあと、私は苓さんに話しかける。 「やっぱり、庭園があるとアクセスの良い都内だと難しいんですね。広い土地が無いと日本庭園を付加したカフェが作れません」 「……そう、ですね。そうするとやっぱり郊外か、都外になってしまいますね……都内に住んでいる人の多くは車が無くても不便じゃないですし、庭園カフェには中々来る事が出来ないかも……」 口元に手を当て、考える苓さんに私も頷く。 「そうなんですよね……アクセスの良さを取ったら目玉の庭園を活かせないし、庭園にばかり目を向けてしまったらアクセスの良さを活かせない……」 「どっちも取れるような、いい案が浮かべばいいんですけど……」 「ええ……。でも、その部分はお父様と虎おじさまがきっと色々と考えて下さっているかもしれません」 「確かに……田村様だったら良いアイデアを出して下さるかもしれませんね」 「ええ。数々の事業コンサルを行っていますし……虎おじさまの発想力は凄いですし、私たちが考えつかなかったような物を提案して下さるかも……!」 私が興奮して前のめりになって話していると、苓さんがにこにこと嬉しそうに見つめている。 こ、子供っぽくてはしたなかったかしら、と私が席に座り直すと苓さんが口を開いた。 「ふふっ、茉莉花さんは好きな物に対して凄くアグレッシブになるんですね。お話している時の目がキラキラしてて、凄く楽しそうでした」 「こ、興奮してしまい、すみません……恥ずかしいですね、大人になって、こんな……」 私が反省していると、苓さんはきょとんと目を瞬かせ「どうして?」と言うように首を傾げる。 「いいじゃないですか。好きな事は好きだと言う方が格好良いですよ。それに、好きな事を楽しそうに話す茉莉花さん、とても可愛かったです」 ずっと見ていたいくらい、と笑う苓さんに私の顔が赤く染まっていくのが分かる。 何とか絞り出すように「ありがとうございます」と呟いた時、ちょうど注文していた品物が席に届いた。 今回頼んだのは、ホットコーヒーとホットカフェラテ。 そして、デザートにわらび餅を頼んだのだ
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160話

ぱくり、と苓さんの口にわらび餅が消える。 苓さんの口端にきな粉がちょっぴり付いてしまっていて。 私は紙ナプキンを取ろうと腕を伸ばしたけど、その前に苓さんが口端に付いたきな粉を自分の舌でぺろり、と舐め取った。 その時に覗いた、苓さんの赤い舌がどうしてかとても扇情的に見えてしまって──。 私は慌てて苓さんから顔を逸らす。 「──ふっ」 けど、私がどんな想像をしたのか。 目の前の苓さんにははっきりと分かってしまったのだろう。 それに、私の顔も赤く染まっているから丸わかりだったのかもしれない。 苓さんはゆっくりと自分の腕を伸ばし、手の甲で私の首筋をするり、と撫でた。 「首まで、真っ赤ですよ茉莉花さん」 「だ、誰のせいですか……っ」 「ええ?誰ですかね……?」 くつくつ、と喉奥で楽しげに笑う苓さんについついじとりとした目を向けてしまう。 今日は、デートだけども視察でもあるのに……! いえ、もっと言えば、視察の目的の方が大きい。新規事業のために、お店のメニューを勉強したり、内装を色々見て回ったりしたいのに。 それなのに、苓さんがこう言う事をするからちっともそちらを確認する余裕が出ない。 苓さんは、一頻り私の反応を楽しんだあと、さっと手を差し出して「もう揶揄ったりしませんよ」と言って、食事を進めるよう促してくれた。 凝ったデザインに、凝ったお料理。 純和風な内装もとても落ち着く空間で、お店に流れているBGMも落ち着いたオルゴール調。 「……何だか、長居したくなっちゃうくらい、居心地がいいお店ですね」 「確かに、そうですね。時間を忘れてまったりしてしまいます」 「私たちも、こう言うお客さんが落ち着いて過ごせるお店を作りたいですね」 そのためにはお仕事を頑張らなくちゃいけない。 私が拳を握り、ぐっと気合いを入れているのを、苓さんは何故か眩しそうに目を細めて優しく見つめてくれている。 「──苓さん?」 どうしたのだろうか? 私が不思議に思い、苓さんに声をかけると、苓さんはふるふると首を横に振って笑う。 「いえ、何でもないです」 「そう、ですか……?」 「ええ……。茉莉花さんには、仕事に集中してもらえるように、俺頑張りますね?」 「??」 にこり、と笑う苓さん。 だけど苓さんの目は、どこか決意に満ちてい
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