女児誘拐連続殺人事件が解決後。 ありから二ヶ月になる。 ──八本軒。 時刻 10:30。 鏡見は鹿野にからまれていた。「これなんかどうだ ? 」「貴方が本当に山の神ならば、春画にこだわるのはなぜなんだ ? 浮世絵を触らず、春画に搾らなくても……」「性行為は繁殖の縁起物でもあるからな。昔から性器を模した像なんかも多いんだよ」「山は女神では無いのですか ? あくまで神の使いという事なのか ……ううむ。 しかし、これの場合は風刺画の延長では ? 春画を描いてない画家が少ない程だったと言うじゃないですか。ならば基礎から学ぶべきでは ? 」「まぁ〜確かん興味あんだよなぁ〜」 何故か角の席で男子と言うにはおこがましい、大きな男子がはしゃいでいる。「えぇいっ !! うるさい ! ここは食堂だぞ !? 何故卑猥な話をアル中としているんだ !? 」 新聞を読んでいた紫麻が、テレビのボリュームを上げる。「だいたいな ! 開店前だぞ !? なんでお前がここにいる ! 」「営業時間中じゃ、貴女のご飯を食べなきゃいけませんから。美味しいから癪です」「失礼にも程がある ! 美味いならいいじゃないか ! 」「営業後は夜間ですし。襲われたら怖いですから」「何を女みたいなことを ! こちらから願い下げだ ! 」「なぁ ! 鏡見君よ。この遊女なんかは淑やかさが違ぇだろ ? 」「鹿野 ! いい加減にしてくれ ! 」 紫麻は諦めたように煙草に火をつけると、鏡見をそばに来るよう促した。「おい。早く言い出さないと海希が出勤して来るぞ」「やっぱり。貴女は勘もいいんですね」 鏡見は紫麻の持っていた新聞に視線を落とした。そして紫麻もその記事を見つめる。「これの件か……」 鏡見は医者の下した休職期間を待たず復帰していた。精神状態的問題
最終更新日 : 2026-01-23 続きを読む