その頃、宇佐美は帰路に着いた。 海希と分かれてから自分の店を経由して、まかないを持って砂南市の自宅へ帰ってきた。「玲、ただいま〜」 暗い室内に、返事のないドア。「またなの ? はぁ……」 このところ、娘の玲は夜遊びが増えた。 ピンポーン ! 「うわっ ! びっくりしたァ」 帰ってすぐのインターホン。「宅配便かな ? 」 時計を見ると21:30。 少し遅めの時刻。「はい」「砂北警察署です」「えっ !? 」 慌ててドアを開ける。「け、警察 !? 」 酷く動揺する宇佐美に目の前の刑事は小さくお辞儀をする。 鏡見と柊だ。 この時、逃走防止のためベランダ下にも加賀や他の刑事がアパートを固めていた。「刑事課の鏡見と柊です。お子様の宇佐美 玲さんからお話を聞きたいのですがご在宅でしょうか ? 」「それが……今日はまだ帰ってなくて」「この時間にですか ? 」「……ええ。あの、なにかあったんですか ? うちの玲がなにか ? 」「行先に心当たりはありませんか ? 」 鏡見の対応を見て宇佐美は只事ではない空気を察知したが、なぜ娘の玲なのかが分からない。「危険な事ですか ? そ、そうだ ! スマホのGPSサーチ。あれなら分かるかも ! 」 すぐにバッグからスマホを取り出すが、アプリの使い方が分からない。「えっと……あれ ? 起動するけど、なんで設定されてないの ? あれ ? パスワードってなんだっけ ? 」 隣で柊が他の刑事に合図を送る。「宇佐美さん、スマホを置いて。 一先ず警察署へご同行願います」「え ? はい。でも、娘が帰宅したらどうすれば……」
最終更新日 : 2026-01-13 続きを読む