『ねえねえ、これはいくら?』『銅貨50枚だよ』『この服の素材は何を使ってるんだ?』『これはドゥルマの魔毛を使ってますよ』『この服素敵!試着してもいい?』『羽織る程度ならいいわよ』 出店を一軒通るたびに店員と客の会話が聞こえる。 馴染みのある会話もあれば馴染みのない会話もあって、なんだか不思議な気分。 お店に並んだもの、お客さんが手に持ってる物を見ても知ってるものや知らないもの、様々だ。 さっきの『ドゥルマ』ってなんだろう。これは絶対この世界特有のものだと思う。 「ねえエリザさん、今のお店から聞こえたんだけど、『ドゥルマ』ってなんですか?」「ん?悪魔羊はね、出会った相手を眠らせてしまう羊型の魔物の事よ。形はまんまるで、角もぐるぐると巻いていて、とても可愛いの」「まんまるで、角もぐるぐる……」「毛もモコモコで厚みがあるから荷物の緩衝材に使われたりもするけど、とても温かいの。だからお洋服の防寒着によく使われているのよ」「なるほど、それで……」 どうやら毛糸の原料に魔物が使われているようだ。 前の世界では動物だけど、こっちはモンスターが活躍してるみたい。 「こんにちは!お嬢さん見ない格好ね。もしかして転生者?」「え?あ、はい……!」 再び商店街を見回していると、声をかけられた。 振り向いて条件反射に返事をすれば、先程ドゥルマと答えた店員さんだった。 「すごく可愛い!ねえねえ、いいお洋服があるんだけど、見てみない?」「えっ、え??」 どうやらお姉さんに捕まってしまったようだ。 でもエリザさんがいるし、と困っていると、私に気付いたエリザさんがこちらに来てくれた。
آخر تحديث : 2025-12-08 اقرأ المزيد