جميع فصول : الفصل -الفصل 30

50 فصول

21食目・転生者、服を買わされる。

『ねえねえ、これはいくら?』『銅貨50枚だよ』『この服の素材は何を使ってるんだ?』『これはドゥルマの魔毛を使ってますよ』『この服素敵!試着してもいい?』『羽織る程度ならいいわよ』  出店を一軒通るたびに店員と客の会話が聞こえる。 馴染みのある会話もあれば馴染みのない会話もあって、なんだか不思議な気分。 お店に並んだもの、お客さんが手に持ってる物を見ても知ってるものや知らないもの、様々だ。 さっきの『ドゥルマ』ってなんだろう。これは絶対この世界特有のものだと思う。 「ねえエリザさん、今のお店から聞こえたんだけど、『ドゥルマ』ってなんですか?」「ん?悪魔羊はね、出会った相手を眠らせてしまう羊型の魔物の事よ。形はまんまるで、角もぐるぐると巻いていて、とても可愛いの」「まんまるで、角もぐるぐる……」「毛もモコモコで厚みがあるから荷物の緩衝材に使われたりもするけど、とても温かいの。だからお洋服の防寒着によく使われているのよ」「なるほど、それで……」  どうやら毛糸の原料に魔物が使われているようだ。 前の世界では動物だけど、こっちはモンスターが活躍してるみたい。 「こんにちは!お嬢さん見ない格好ね。もしかして転生者?」「え?あ、はい……!」  再び商店街を見回していると、声をかけられた。 振り向いて条件反射に返事をすれば、先程ドゥルマと答えた店員さんだった。 「すごく可愛い!ねえねえ、いいお洋服があるんだけど、見てみない?」「えっ、え??」  どうやらお姉さんに捕まってしまったようだ。 でもエリザさんがいるし、と困っていると、私に気付いたエリザさんがこちらに来てくれた。
last updateآخر تحديث : 2025-12-08
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22食目・初めての友達

 襟は前側で重なってる部分に隠れてボタンがつけられていた。 それを外して頭から被ると、一瞬スカート部の硬め生地に引っかかって窮屈に感じた。 でもその先の袖部分が伸縮素材なので一瞬にして着れる着やすさがあった。 ここでボタンを閉めればあっという間に異世界人。 よくよく考えたらこのエルドアマリナ王国で見かける女性は袖口が膨らんだ服を好んで着ている気がする。 どうやらそれがこの国のトレンド、というものなのだろうか。 襟元のボタンを閉めて再び外へ、エリザさんの許へ向かうと店員さんと並んで拍手が起こる。 「わあ、可愛い!ルシーちゃん最高に可愛いわ!」「ぬうぅっ、着てくれてありがとうございます!可愛い!素敵!これでお姉ちゃんも報われますうぅぅぅっ」(お姉ちゃん……?)  どうやら特別価格は店員さんのお姉さんが何かしら関わっているらしい。 それを探すような失礼な事はしないけど、報われるならいいのかな、と思ってしまう。 「あ、そうだ。折角だし髪の毛も弄りません?」「ふえ?」「髪を流しっぱなしにするよりも、面白みがある方が可愛いと思いますよ」  お姉さんは「失礼しますね」と前髪の左半分と頭頂部から髪を取っていく。 それから少しだけ引っ張られたりねじられている感覚がして……それが段々と後ろへ回っていく。 今度は右側の上半分の髪を取って、結ばれた感覚がした。 「できました!どうでしょう?」  きゃっきゃと楽しそうな店員さんが見せてきた鏡に私が映る。 前髪を含めて三つ編みされた髪が後ろに回ってハーフアップで結ばれたらしい。 中々おしゃれな髪形だ。 「わっ、お姉さん器用ですね……
last updateآخر تحديث : 2025-12-09
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23食目・お買い物のあとはご飯だよね!

 まだ家を出た時にはまだ夕暮れ前だった陽は傾いていた。 あれからエリザさんと買い物を続けていた私は編み上げブーツ、ニーハイソックスを購入して全身コーデを揃え、容量がある肩掛け鞄も買った。 もちろんそれだけじゃ足りないから、服と靴、靴下は数着まとめて購入、流石に大荷物になるからといくつかに纏めて梱包してもらって、後日『運び屋』と呼ばれる人達が運んでくれるみたい。 飛んでいったお金は金貨2枚と銀貨5枚、中々大きなお買い物だ。 ネリーさんの所で購入したワンピースが特別お高いだけで、物価はそこそこ、女性用の服はワンピースが殆どで価格は殆どが大体銀貨3枚程度だった。 ――のだけど。 「――今日は何だか、お得なお買い物沢山しちゃったわね」「結構値引いて貰っちゃいましたけど、そういうセールの日なんですか?」  そう、何故か行く先々で購入物を値引いてもらってしまった。 銀貨3枚が2枚になったり、銀貨2枚が1枚と錫貨5枚になったり。 どうしてそんなことが起こったのか分かっていないが、かなりお安く手に入れてしまったみたいだ。 「せー……る?っていうのは聞いた事ないわね。販売してるお洋服も製造ギルドから商業ギルドを経て金額確定しているはずだもの。販売員の不利益にならないと良いのだけど」  どうやらこの世界において金額というものは決まっていて、それが安く売りだされるという概念もなさそうだ。 それならこのワンピースも、もしかしたら定価で買うべきだったんじゃないだろうか。 「あ、いたいた!おーい、ルシーちゃーん!」  2人で不安になっていると、どこかから声をかけられて辺りを見回す。 すると後ろからネリーさんが手を振って走ってきていた。 「あれ?ネリーさん!お店はいいんですか?」「ん?だってもう閉店の時間だもん。ルシーち
last updateآخر تحديث : 2025-12-10
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24食目・『アグニード・キュイ』

「ここだよ!」 ネリーさんの案内で来たのは商店街の中央。 中央はその名の通り大きな道が交差した真ん中で、前の世界ですら見慣れないくらい大きい筈の噴水すら小さく感じてしまうような、とても広々とした空間――を飲食屋台が貸し切っている状態だった。 屋台がぐるりと中心を囲んで並んでいる。 屋台から噴水までの間をテーブルとイスが所狭しと並んでいて、それでも空席を数える方が早いくらい。 既に席に座っている人は住民だけでなく何かしらの制服を着ていたり、冒険者っぽい人だったり、本当にいろんな人が入り乱れている状態だった。 そんな中でネリーさんが選んだのは、屋台に文字が書かれた看板を下げたお店。 『カタリナ・ラリア』という看板を見たエリザさんはすかさず「ああ、カタリナ・ラリアね!」とこれまた嬉しそうな声を上げている。 誰もが知ってる、有名なお店みたいだ。「だって折角ならルシーちゃんにこっちのお料理を教えたいですよー。となったら紹介するのはここかなーって」「ふふ、大正解だわ。ネリーちゃんとはこれからも一緒にご飯が食べられそうね」「わあ、嬉しいです!ぜひぜひ、いつでも誘ってください!」 どうやらエリザさんとネリーさんは一瞬にして打ち解けたらしく、既に和気あいあいとした空気を出して会話している。 何も分かってない私は静かにするしかないのだけど、料理の注文はネリーさんがいち早く動いた。「大将ー!『アグニード・キュイ』と『テラーラ・パルテ』を3つずつちょうだい!」「おうよ、銀3枚と錫6枚な」「じゃあこれでー」「テーブルに届けるから待ってな」 ネリーさんが注文したものはどんな食べ物だろう。「じゃあ席に座ろ!」という声に合わせて近くの空席に移動した。 腰を下ろすとここで初めて商店街に来て椅子に座ったことに気付いた。「うあー……」と、ついでに情けない声すら出てしまう。「うふふ、今日も疲れたわよね。あとはここのご飯を食べて楽しんで、またゆっくりしましょ」「ルシーちゃんの
last updateآخر تحديث : 2025-12-11
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25食目・『テラーラ・パルテ』

 アグニード・キュイなる串料理は弾力があるのに硬すぎず、夢中に頬張ってしまう料理だった。 これだけでも満足してしまいそうなのに、ネリネラさんが注文した料理はもう一つある。「はいよ、お待ちどう」 再びガタイの良い男性が持ってきたのは籠に盛られた3つのコロッケ。 まるでハンバーガーみたいに紙に包まれて、分厚いから頬張るのは必至、更に揚げたてでどう見ても熱そう。 名前は『テラーラ・パルテ』、先ほどのアグニード・キュイと同じく魔法を司る神様の名前を冠した料理だ。 それだけで十分勝てる気はしない。「揚げてるから熱いんだよねー。火傷に注意してね?」「はい、いただきます……!」 覚悟を持って、テラーラ・パルテに挑む。 手に持つとずしりとその重みが伝わって、自然と《笑みが溢れた》。 ――ザクッ、ザクザクッ!「んむむ!」 一口齧ると衣のザクザク感と一緒に芋の甘味、肉の旨味、さり気なく味を効かせたコショウのようなスパイスの香りが口の中に充満した。 ――美味しくないわけがない。 熱いけど、それだけじゃなくて、ホクホクとしたじゃが芋のような、でもさつまいものような甘みも感じる。 でもそれを引き立たせてるのはアグニード・キュイとは違う確かな肉の味。 中を見ればコロッケにしては肉の比率が高く、香草を混ぜ込んでいるらしい。 明らかに手軽に作ったようなものじゃない。「こっちも美味しい…じっくり食べたくなっちゃう」「おっきいからねー。でもこれ本当に人気なんだよ。ほら」 テラーラ・パルテに感動していると、ネリネラさんが明後日の方に指を向けた。 そちらに視線を移すと、これらを作った屋台に仕事服に身を包んだ人たちが集まっている。「テラーラ・パルテくれー」「ほいよ」「俺もテラーラ・パルテ」「あいよ」 ひとつ注文が入ると瞬く間にテラーラ・パルテが売れていく。 5人程が集まってるけど、屋台からそこまで離れてないから全員
last updateآخر تحديث : 2025-12-12
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26食目・世界のお勉強2

 昨日はエリザさんと初めての友人・ネリーさんと食事をして別れた。 今日は祝日、第4サルーテの日。 月末最後の祝日でルミオールの月、つまり明日から5番目のノクスィ月が始まる。 この世界で祝日は何か特別なことをするのか、とエリザさんに訊いたところ……特に指定は無く、各々好きに過ごす日のようだ。 まだフォス=カタリナに来てから3日目、この世界に慣れた感覚はない。「そういえばエリザさん」「ん?何かしら」 目の前で編み物をしてるエリザさんに、ふと思ったことがあって声をかけてみる。 するとエリザは編み物を続けながら顔を上げた。「こちらに来てから一昨日、昨日と街を見回して思ったんですけど、この国の人?町の人?皆さん見分けがつくというか、分かりやすいと言うか、すぐにこの仕事の人だなーとか分かるようになってますよね。なんでですか?」「うふふ、ルシーちゃんは目ざといわね。前も言ったと思うけど、この世界には定期的に異世界人が来るのよ」「そうですね。私もその一人で、私にこの世界を教えてくれたクリステフさんは何度もそういった説明をされているようでした」「そ、かれこれ何十年になるかしらね?そういう世界だから分かりやすいに越したことはないのよ。ところでルシーちゃんは昨日この世界についてお勉強していたようだけど、どこまで知ったのかしら?」「え?」 問われ、ふと昨日のことを思い出す。 そういえば昨日勉強をして、息抜きに飲み物を貰ってから勉強は進んでいない。 フォス=カタリナの歴史と言えど、知っているのはこの世界の住民は皆生活レベルの魔法を使うようになった、その程度だ。 「あー、えっと、魔生歴……でしたっけ。フォス=カタリナという名前をつけられたこの世界と、この世界では生活レベルの魔法しか使わない、というルールが定められた辺りを知ったと思います……」 若干うろ覚えに近い感覚がしつつ、それでも覚えてる範囲を要約して口に出してみる。 するとエリザさんは驚いた様子
last updateآخر تحديث : 2025-12-13
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27食目・それはきっと切なる願い

「でもね、ルシーちゃん、安心してほしいの」「え?」「戦争はね、とうに終わってるの。原住民も、魔族も、この世界に生まれた生き物でどちらもその尊厳はある。この世界に生まれた以上、そこに優劣は無いのよ――ってことで、丸く収まったの」 エリザさんの言葉に「そうなんだ……」と、ほっと胸を撫でおろす。 戦争が無事に終わったのならば、私の命はすぐにでも危機に晒されることは無いのだと、安心できた。 ……否、まだこんなことで安心できる訳がない。「でも、ちょっと待って。この世界に生まれた以上?それって転生者は含まれるんですか??」「あはは、良い所に目をつけるのねぇ!そう、そこが問題なの!」 潔く、そして大きく、それでも優雅さを保ちながらエリザさんは笑い飛ばす。「戦争が無事締結するのは良かったのだけど、心許ない魔法の力を集約させて編み出した召喚魔法は強力だったわ。戦争は終わってもその召喚魔法には終わりが無くて、この世界に転生者は増えていく。戦力として呼び出された転生者、そして戦争が終わってもなお呼ばれる転生者、今度はこちらが問題になってしまったわ」「わあ、泥沼……。その上で、私が来たということですか……」「ルシーちゃんはまだいい方ね。だってあなたはどんな結末であれ、ちゃんと人生を終えてこちらへ来たでしょう?でも、この時の転生者は違うのよ」「えっ……」「彼らはまだ人生の途中、転移者だったのね。魔法で人手を呼ぶことに精一杯で、呼ばれた人については思考の外だったようよ。ある意味、研修職らしさはあるけどね」「じゃあ、今ある環境があるのは……」「こちらの世界に呼ばれた彼らの為に、これから呼ばれる転生者の為に、宿主制度も転生者免許も見た目で誰がなんのお仕事をしているか分かる制服も、ぜーんぶ転生者の為。転生者を生み出してしまった私達エルドアマリナ王国民は、転生者を同じ王国の民として認めなければならない。どれもお互いの距離感を広げない為に作
last updateآخر تحديث : 2025-12-14
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28食目・『ミルファンテ』と我が家の魔法使い

 第五ノクスィ月、アグニードの日。 今日から日記を書こうと思う。そう思ってさっき、商店街に行ってペンと紙を買って来た。 あいにくこの世界の文字は読めても書くにはまだ分からなくて、日本語だ。 少しずつこの世界に慣れていきたいなと思うけど、どうなることやら。  まずは初めて一人で商店街に行ってみた。 商店街はやっぱり賑やかな場所だ。 人通りは多いしお店も多く、食べ物の匂いが食欲をそそる。 お金はまだちゃんと使える自信がないから最低限だけ買って帰ってきてしまった。 気になる料理が一つあったけど、なんて名前だったかな。ちゃんと見ておけばよかった…。 でもネリネラさんに会えたよ。 おんなじ所で洋服を売ってて、今日はどうしたの?って声かけられちゃった。 ちょっとお話できて嬉しいな。 そう考えたら、ちょっとだけこの世界にワクワクしてる気がする!  あ、朝ごはんは『ミルファンテ』を食べたよ。 こんがりと焼いた厚切りのバケットの上に卵や野菜が乗って、お洒落な料理!チーズが入ったスープをかけた料理。 コンソメスープみたいな野菜たっぷりの香りが漂って、外はカリッとしてるのに中はとろーりとスープが染み込んだパンがふわふわっとしてて、すごく美味しかった! 野菜にはチーズが入ってたみたいで、ナイフでパンを切って、持ち上げればチーズが伸びてびっくり! 野菜と卵のスープにチーズを入れて、それを上からかける料理なんだって。私も覚えたら出来 いやできないわ。 あれ、また食べたいな…ぐぅ、魔法があればお料理できるのに…。  さて、ここまで日記を書いておいてこの世界に来て4日目なんだけど、今日はどうしよう。 ぶっちゃけ全然何にも考えてない。 お仕事のお話って早くて3日って言ってたっけ?それならもうそろそろかな?何か他の勉強とかしたほうがいいかな?
last updateآخر تحديث : 2025-12-15
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29食目・突撃!サイファ家のお昼ごはん

「ルシーちゃん、折角だから一緒にお料理しない?」「へっ!?」  突然の提案に私はびっくりしてしまった。「どう?」と期待を込めた笑みを向けられているけど、生憎私は魔法が使えないから足手まといだ。 そんな私に一緒に、なんて言われても……。 「ルシーちゃん、お料理をするのに火を使ったりするのは確かに魔法だけど、それだけじゃないのよ?包丁で食材を切ったり、材料を捏ねたり、混ぜたり、味付けするのはちゃんと人の手を使うんだから♪」「あ……」  確かに、それはそうだ。 何かをするには魔法を使うけど、それだけじゃないじゃないか。 優美な笑みを見せるエリザさんは楽しそうに調理の準備を始めた。 「今日はモルデがけストゥリアを作りましょう!ルシーちゃん、お手伝いお願いできる?」「私、頑張ります……!」  料理名を教えてもらったけど、どんな料理なのかは全然想像つかない。 エリザさんは作業台にボウルを用意すると紙袋を取り出し、ひっくり返した。 「ぶひゃっ」  少しの粉塵を上げながら投入されたのは真っ白できめ細かい粉。 そこに卵が片手割りで入れられ、エリザさんに「はい、どうぞ」とボウルごと渡された。 「ひと思いにやっちゃって♡」  手をわきわきさせながら期待の眼差しを向けるエリザさんを見て察した。 なるほど、私が参加するお手伝いはどうやら混ぜる工程のようだ。 それなら前世のお母さん(敢えて前のお母さんを前世ということにしよう)がストレス発散にパンを焼いていた姿を見たことがある。 勢いに任せて両手を生地に突っ込み、私は指を立てて混ぜ始めた。
last updateآخر تحديث : 2025-12-16
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30食目・魔法とはなんぞや?

「実はね、魔法にも色々あるのよ。……とは言っても、まずは復習から始めましょうか。さあルシーちゃん、魔法の属性はなんだったかしら?」「えっと……火、水、土、光、闇、治癒……ですよね?」「そうね。ではこの世界の魔法は何を使うのだったかしら?」「魔素、ですよね。空気中に含まれてるんですよね……?」「ええ、そうよ。私たちはこの魔素を具現化させて、それぞれの属性魔法として使ってるのね。異世界転生者には使えないけれど、私たちが魔法を扱えるのは空気中に散布されたこの魔素の存在を把握して更に魔法としてイメージを持ち、変換できるからなの」「はえぇ……。私には何も見えないけど、お母さんは何か見えるんですか?」「いいえ、魔素は無色透明だから何も見えないわね。でも、感じ取ることはできるわ。空気中や物や、生物から溢れている量とかね。私は魔素があるかないかが分かる程度だけど、魔法を上手に使える子はどの程度の魔法を放てるか、も把握してると思うわ」 そう言って、エリザさんは「えい」と可愛らしい声を発しながら鍋を指差す。 すると鍋の下でコンロと同様に鍋を温める火が湧き出た。 その姿はまるで魔女さながらで、私は突然の魔法につい「わっ」と声が漏らしてしまった。「これが魔法よ。でも、魔素について一番大きい違いはフォス=カタリナで生まれた私たちと、ルシーちゃん達かもしれないわね」「というと?」「私たちは身体から魔素を感じるけれど、異世界転生者から魔素を感じないの。異世界転生者は魔法を使えない、でもその代わりに『スキル』という存在を貰うのだけど……私たちからしたら、スキルという存在自体が不思議だわ」「な、なるほど……」 人差し指を口元に当ててじっと覗かれて、少しだけ恥ずかしいような、なんというか、すごく困惑してしまう。 それは私自身受け取ったスキルというものが『ベビースマイル』とかいうよくわからないものだからかもしれない。
last updateآخر تحديث : 2025-12-18
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