جميع فصول : الفصل -الفصل 20

50 فصول

11食目・夕方の景色

窓の外に投げられた書類は紙飛行機のように飛んで、外の喧騒の中に消えていく。まさか、あれも魔法?飛んでいく紙を見届けたサミーさんはゆっくりとこっちに戻ってきた。「お待たせ。万来堂からのお返事は多分早くて3日、遅くても一週間ってところね。返事が来たらまず面接があると思うから、その時はこちらから連絡させていただくわね。だめでも他のお仕事紹介させて頂くけど」「分かりました。よろしくお願いします」「それまでは観光気分で街をゆっくり回って、少しでもこの世界について知ってくれたら嬉しいわね。今日はお疲れ様!どうせ転生して、家が決まってからここまで休みなしでしょ?ゆっくり休んで頂戴ね」「いえ、こちらこそ何から何までありがとうございます」にこりと微笑むサミーさんはまるで女神のような人で、とても優しい人だと思う。すごくフレンドリーで、エリザさんもそういう感じの人だし、今日であったクリステフさんや義政さんもそう。この世界の人はいい人だなぁ、とついつい思ってしまう。何より転生してきたこっちの人への気配りがとてもされている気がする。そういえば、今日はもう休むだけなんだと思ったら……どっと体に疲れが現れた。「ふわぁ……はっ、すみません!」「ふふ、いいのよ。だって疲れたでしょう?さ、帰ってご飯食べてお眠りなさい」「そうします。ありがとうございました」くすくすと笑うサミーさんに恥ずかしくなって、私はエリザさんの許へ向かう。エリザさんは待機用のベンチに腰掛けながら目を瞑って休んでいるようで、声をかけようか迷った。迷ったけど、すぐに気付いたようにその目は開いた。薄い黄緑色の瞳がじっと私を見て、エリザさんは「まあ」と嬉しそうな声でにこりと微笑む。
last updateآخر تحديث : 2025-11-28
اقرأ المزيد

12食目・不思議な街並み

 役所を出てから賑やかな街並みを歩く。  役所は大きな建物に囲まれた街並みの入り口に建てられているようで、左を向けば仰々しい建物ばかり、右に顔を向ければお店のような外観が並んでいた。  昼間はまだ辺りを見る余裕がないし馬車から降りた直後でもあった。  改めて見ると不思議な街だと感じた。 「ルシーちゃんったら、興味津々ね」 「あ、ごめんなさい。つい……」 「ふふ、いいのよ。寧ろこの町に興味を持ってくれて嬉しいわ。何か気になるものでもあったかしら?」 「ああ……左側は大きな建物が多くて、右側はお店が並んでるなって思って……」  思ったことをそのまま口にすると、エリザさんはにこりと微笑む。 「なるほど、そういうことね。私はあまり詳しくないから初歩的なことだけ教えるわね。左側、正面に見える緑の建物は商業ギルドなの。それから道なりに冒険者ギルド、製造ギルドがあるわ」 「ギルド……?」 「ルシーちゃんの世界には馴染みがないのかしらね?ギルドは民間経営で建てられた、それぞれ請け負った役割を果たすための施設よ。商業ギルドでは商売に関わる品全体を、冒険者ギルドは物作りに関わる素材を採る冒険者達を、そして製造ギルドは冒険者達が集めてきた素材から物を作り、商品に変えるの。この3つの団体が私達の生活を支えてくれてるのよ」 「ずいぶんと規模が大きそう……」 「そうね。日々の生活に欠かせないお買い物や食事は商業ギルドのお世話になっているし、その材料や道具も冒険者ギルドや製造ギルドが頑張ってくれるからだわ」 「えっと……つまり、この世界においては社会に深く浸透してるってことですよね?」 「ええそうね。とても有難い存在だわ」  にこりと微笑みながら、エリザさんは「あそこなんてどうかしら?」と一つの店舗を指差す。  それはギルドが立ち並ぶ左側ではなく、右側に並んだお店の一部。  看板はわかりやすくお酒の瓶と皿に盛られた何か、(多分)料理が描かれているが、そこに文字はない。 「えっと、ごはん屋さん?」 「ええ。初めてこの世界に来たルシーちゃんに、この世界のお料理をまずは楽しんでもらいたいなと思って!」 「わあ、ありがとうございます」  エリザさんの好意に甘えて、お店へと向かう。 入り口をくぐるとホールに入り、シャツにベスト、ネクタイをしたウェイターの青年が
last updateآخر تحديث : 2025-11-29
اقرأ المزيد

13食目・異世界最初の夜ご飯

 店員さんはエリザさんの注文に、それはもう明るい笑顔で「では失礼いたします」と頭を下げてテーブルをふたつ挟んだ対面の壁の奥――厨房へと向かう。  ウエスタンドアのような扉の奥から、「オーダー、シェフのおすすめとバサームです!」と聞こえた。  シェフたちの姿は見えないけど、注文が入ったそばから人が動く物音がかすかに厨房から聞こえる。  明るい内装に落ち着いた店内、人はまだ2,3人だけど辺りを見回すとテーブル数がかなりあるから人がよく入るお店なのかもしれない。  周りを気にしているとさっきの店員さんがやってきて、「失礼いたします」とカトラリーを音もなく置いて行った。  凛とした姿で丁寧な様子はまるで、格式高そうなレストランのようだ。 「ところでエリザさん、バサームってどんな料理なんですか?」 「ふふ、気になる?バサームはね、柔らかいバケットに野菜やお肉を挟んだお料理よ。普通のバサームは自分でソースを選んで買わないといけないのだけど、ここのバサームは持ってきてくれる3種類のソースをこっちが好きにかけていいの。途中で味を変えることもできるのよ!どれも美味しいの~っ」 「そうなんですか。それは楽しみです」  ずっと朗らかな笑顔を見せていたエリザさんの表情が、うっとりとしたものに変わった。  まるで恋焦がれているような、待ち遠しいような、その様子を見てるとどれだけ美味しいものなのだろう、と自然に想像してしまう。  柔らかいパンで野菜やお肉を挟むなら、サンドイッチのようなもの?  名前のバサームは『挟む』っぽいニュアンスに聞こえて馴染み深い。  異世界の野菜、一体どんなものが出てくるのだろう、と考えると、つい興味が湧いてしまう。  そして体は正直なようで、「ぐううぅぅぅう」と特大の腹の虫が鳴ってしまった。 「あらあら!うふふ、役所の手続きって疲れちゃうわよね。今日この一日で大事なことはぜーんぶやり切っちゃったから、あとは美味しいご飯を食べてゆっくり休みましょっ」 「あはは……はい、そうします」  笑われてしまってちょっとだけ恥ずかしいな。  でも、そう言われると確か
last updateآخر تحديث : 2025-11-30
اقرأ المزيد

14食目・『定番のバサーム』

「はぐっ……!ん、んんん~~!」 まずは一口、何もつけずそのままの状態で口に運んだ。 長いパンの外側はザクっとしながらも歯切れがよく、中はふわっとしている。 そしてそんなパンに挟まれている新鮮なレタスと玉ねぎ、香ばしく焼かれたベーコンの味が広がった。 更には鼻腔を通ってニンニクの香りが漂って、とても美味しい。「どう?お口に合うかしら?」「とっても美味しいです!」「本当?嬉しいわ!次は是非、こっちのソースをつけて食べてみて。私のオススメはトマレッティよ」「じゃあ早速失礼しますね」 エリザさんのオススメに沿おうとパンを持ち上げる、ものの……ただでさえ長いパンを浸すのもなんだか嫌だな。 しかも口をつけてるし、エリザさんが気にしたらどうしよう。 そんな一瞬の迷いの間に、エリザさんは「これをどうぞ」とスプーンを手渡してくれた。 なるほど、スプーンでかければいいのか。「ではいただきます!……――んむむ!」 トマレッティと呼ばれるものの赤いソースをすくって、バサームの切れ込みにかけて一口。 美味しい下地にトマトとオリーブオイルがマッチしたソースの味が加わって、一気にイタリアン感が増した。 なるほど、トマレッティはトマト、オリヴァーオイルはオリーブオイルのことだ!「私が住んでいた世界の、異国の料理にもこんな味付けの料理がありました!私も好きです!」「そうなのね?なんだか嬉しいわ」 次は緑色のソース。 確かヴァージルって言ってたっけ。 この調子なら名前で予想がつきそうだけど、とりあえずトマレッティ同様ソースをかけてみる。 匂いから、すでに感じるアレ。 食べる前からさっきのトマレッティのソースに合うのではないかと思ってしまう。 それでも、食す……!「はぐっ……んむ、美味ぁ……」
last updateآخر تحديث : 2025-12-01
اقرأ المزيد

15食目・『シェフのおすすめ・1』

 さて、非常に美味しいバサームを堪能してしまった。 ソースを楽しんで2/3程進んだところで、新たに店員さんが何かを乗せたトレーを持って現れた。「お待たせいたしました!こちらがシェフのおすすめ、本日は『森と海のパティポット』です!大変お熱いので、火傷をしないようご注意くださいね。ごゆっくりどうぞ!」 にこやかに店員さんは去って行って、テーブルには熱々の食べ物が置かれた。 両側に持ち手のある陶器っぽい器の表面にはドーム状になった金色の膜、湯気が薄っすらと立ち込めているけど、店員さんの言葉が真実なら中にはきっと具が入っている筈。 広げた両手でやっとこの食べ物を覆えそうな大きな物体は、見た所パイ包みといったところかな。 エリザさんは「まあ、美味しそう」と半音高い声が期待に胸を膨らませているようだった。「さあルシーちゃん、スプーンをどうぞ」「わ、私が割っていいんですか……!」「もちろんよ。さあ、一気に行っちゃって!」 たった一色、黄金色に包まれた生地を割るのは新雪を踏むような罪悪感がある。 でも胸に込められた私の期待とエリザさんの期待はそれを遥かに超えていた。 スプーンのヘリをパイに当てて、ぐっと力を込める。 すると、バリっと罪深い音が立ったと同時にぶわり、甲殻類と香ばしいバターの香りが辺りに充満した。「ふわあぁぁぁっ……!」 それだけで、なんと情けない声を出してしまったんだろう。 口の中に唾液が溢れて渇望してしまう。 美味しい。食べてないのに、既に美味しい。 中身の熱さを表すように湯気が先程よりもよく見える程出ているのに、中を覗きたくて仕方が無かった。「わああぁぁ……こんな、罪深い……」 ついに口にさえ出してしまう。 パイ生地を切り取ろうとスプーンを入れる度にザクザクと小気味いい音を立てて、円形に切り取って中へと落とす。 それをすくい上げると、パイには白いソースが絡ん
last updateآخر تحديث : 2025-12-02
اقرأ المزيد

16食目・『シェフのおすすめ・2』

 絶対さっきの風味の化物に負ける。  そんなことは分かりきってる。  でも、食べざるを得ない。  食べなきゃいけない。  食べるなら、ちゃんと味わいたい……ッ!  そんな欲が、私の中で溢れ返っていく。「い、いただきますっ」 もう一度覚悟を決めて、スプーンに乗せたテリュタロスを口に運ぶ。「んむっ、むむむっ!」 口に入れてひとつ咀嚼した瞬間、湧き出るように口の中に貝独特の風味が充満した。  ホタテ貝のようにころりとした大きめの貝柱のような具材はそのまま風味も強く、大振りで殴りかかってくるようで。  更に表面をソテーされたのだろう、わずかな焦げの味が深みを増して美味しさを際立たせている。  弾力が大きくあるわけではないけど、噛み応えは十分。  咀嚼するたびに貝の旨味が口の中にただ溢れかえっていく。  美味しい。 それからつい、ソースを口に運んでしまう。  滑らかな甘みがパンチの強い貝の旨味を包み込んで幸せに浸ってしまう。  ああ、これは計算ずくだ。  具を食べれば自然とソースに手が伸びてしまう。  こんなところに策士が居ようとは。  貝柱の余韻に浸ったまま、次はと自然にシュプリンガーに手を伸ばす。  身の見た目はエビというよりはカニ、大きくも細い繊維状になってるのが見えて、見るからに美味しいとわかる。  それでも食に興味が湧いてしまえば一緒、流れに任せて口に運ぶ。「あむっ……んんんん~~~~っ」 口に入れれば最速で甘みが、噛めば甲殻類独特の旨味が口内に溢れて負ける。  うん、負けてる負けてる。美味い美味い。  呻く声も止められない。  幸せに頬が吊り上がって下がらない。  永遠に嚙み続けたい旨味が口の中で暴れ回っている。  美味しいって罪だ。  罪の食べ物を頂いている、そんな気すらしてしまう。「うふふ、ルシーちゃんが幸せそうだわ」 先程バサームの美味しさに更なる可能性を見てしまったエリザさんは、今回
last updateآخر تحديث : 2025-12-03
اقرأ المزيد

17食目・おかあさん

途中にしていたバサームも、パティポットも食べてゆったりと幸せな時間が流れる。 こんなに楽しくて美味しい食事、いつぶりだっけ。 家での食事が多かったから、外食も殆どしたことが無かった。 それがこんな美味しいごはんを食べられるなんてなぁ。 となると次は、ちょっとだけ家庭の味を食べたくなってしまう。 でもここはもう、私が生きていた世界じゃないのだ。 身も心も、異世界であるこのフォス=カタリナの人間にならなければならないのだろう。 「ルシーちゃんがこのお店の料理を好きになってくれて良かったわ」 「とても美味しかったです。えっと……私、前の家ではお母さんが作ったご飯ばかり食べてて、お外のご飯ってあんまり食べたことが無かったんですけど……美味しいって幸せなんだなぁって、初めて理解した気がします」 「それは良かったわ。元々の世界にはもう戻れないって考えると寂しいと思うから、少しでもルシーちゃんがこの世界で『好き』を準備して、見つけてあげたかったの。一番見つかりやすいのは、こうして食べることよね」 「あ……」 しんみりと、撫でる手元を覗きながら。 どうやら、エリザさんがこのお店を選んだのは、私の為だったようだ。 「故郷を離れるって、寂しいわ。しかもそれがもう戻れないと知ったなら尚更よ。私ね、元の世界から離れても、この世界に好きがあるならその好きに縋って生きても良いと思うの。それでこの世界を、フォス=カタリナを好きになってくれたなら、少しでも一緒に居てくれるかと思ったのよ」 「私の為に……ありがとうございます。今日一日出会ったばかりの私に、こんなに親身になってくれるなんて……」 「ふふ、だって家族だもの。ルシーちゃんは私の娘になってくれるのでしょう?」 これはもしかして、エリザさんなりの愛情だろうか。 「……ところでルシーちゃんにお願いがあるのだけど、いいかしら?」 「お願い、ですか?」 「ええ。私達、親子になったじゃない?私の事、『お母さん』って呼んでくれないかしら?……って、初日にこんなお願い難しいわよね!ごめんなさいね、気が急いてしまって……」 恥ずかしそうに俯くエリザさんの表情は、少しだけ陰ってしまって、それは思い詰めたようにも映ってしまう。 そういえば子供を諦めて宿主制度をお願いしたんだっけ。
last updateآخر تحديث : 2025-12-04
اقرأ المزيد

18食目・世界のお勉強

 創造歴735年、この世界は数多の魔法に包まれていた。 世界を形成する魔素と呼ばれるものが自然を形成し、生命を作りだす。 産まれた生命はありとあらゆるものへと変化し、生態系が生まれた。 それから最後に人間が作り出され、人間は生態系の中で唯一魔法を操る力を得た、言わば魔法生態の頂点だった。 そんな世界で、人々は火、水、土、光、闇、治癒の6種の魔法を使って自身が満足するままの生活をしていた。 しかし、法も裁きも無いこの世界が長く続くことはなく、この年を境に世界は崩壊の一途を辿っていく。 創造歴771年、魔法という存在が強くなる一方で全ての生命がその歯止めを利かせられなくなっていた。 魔性生物が多く蔓延り、制御の利かない荒天が続き、世界は焦土と化す。 それから世界の再構築が提唱され、創造歴は800年を迎えることなく終わりとなった。  新たな世紀、魔生歴1年。 世界の再構築を終え、微かな魔素とほんの少しの魔法だけが生き残った時代で新たなルールが作られた。 それは、要約すると『魔法の使用を生活レベルのみとすること』。 強すぎる力は世界の崩壊を呼び起こし、再び創造歴の終焉を呼び起こす可能性がある。 この時からフォス=カタリナと呼ばれた世界の人々は魔法の使用に制限をかけたのだ。 なお、フォスとは創造歴から呼ばれていたこの世界の名前、カタリナはこのルールを制定した人の名前らしい。 「……ふぅ」  分厚い本から目を離し、椅子にもたれかかる。 手を組んで体を伸ばすと詰められたものがバラバラに散っていく感覚がした。 私、ルシェット・サイファ=明音は今、このフォス=カタリナについて勉強をしている。 場所はこのおうちの2階の個室、私の為に割り振られた部屋だ。 大変美味しい料理に舌鼓を打った昨日、親子となって朝食を共にしたこの世界の母・エリザさんに『この世界に住む以上、何も知らないのは駄目だと思う
last updateآخر تحديث : 2025-12-05
اقرأ المزيد

19食目・エルドアマリナ王国の生活環境

「あの、お母さん……」「あらルシーちゃん、お勉強はどう?」「んー、ちょっとその休憩にと思って、お水をもらいに来ました」 一呼吸入れようと1階に降りると、エリザさんは洗濯を畳んでのほほんとしている。 降りてきた私に気付いて微笑む優美さは変わらず、私は昨日の今日でエリザさんのことを「お母さん」と呼ぶには恥ずかしさを感じていた。 「そんなに慌てて覚えることはないわよ。ルシーちゃんがこれから生活する世界なのだから、ゆっくりと過ごしていれば自ずと理解できると思うの」「それはそうなんですけど……でも、少しでもお母さんと自然に過ごしたり、お仕事のこともあるので」「――もうっ、ルシーちゃんったら本当にいい子なんだからっ!」 感極まったようにエリザさんに抱き締められ、恥ずかしさは更に昇る。 こう、娘とし気に入ってくれてるのは嬉しいのだけど、生前の私はそこまで母からの愛情表現は受けていたただろうか……。 「そういえばお水だったわね」と私から離れたエリザさんは水道の蛇口をひねり、出た水に手を翳してコップに注ぐ。 手をかざしている間の水はやけにキラキラと輝いているようで、どうやらこれが浄水魔法というものらしい。「はい、どうぞ」「ありがとうございます……――ふぅ、とても美味しいですね」「うふふ、なんだか恥ずかしくなっちゃうわね」 手渡されたコップの中身は何の変哲もなく、そのまま口に運べばただただ美味しいお水。 ちなみに基本は地下で流れている水を井戸から汲み上げ、各家庭にある置いているタンクからお水を出しているらしい。「ところでエリザさん」「ん?何かしら?」「朝、このお水は外に置いてるタンクから出してるって言ってましたけど……そのお水は誰が用意してるんですか?まさか、エリザさんが……!?」「あはは、そんな訳が
last updateآخر تحديث : 2025-12-06
اقرأ المزيد

20食目・商店街へ行こう!

「じゃあルシーちゃん、そろそろお買い物に行かない?」「あ、行きます!」 水を飲んで一息つくと、エリザさんに声をかけられて、昨日に引き続き再び外へと向かう。 扉の先は昨日と変わらず見慣れない風景で、でも初めてだった昨日と比べて違和感らしいものは感じなかった。 今日今から行くのは生活必需品を買うための買い物。 昨日とはまた違う景色や人々を見るのだろうと思うと、自然とワクワクしてしまう。「今日も馬車に乗るんですか?」「ううん。ほら、昨日家を出たあと馬車に乗る前、一度大通りに出たでしょ?あそこへ行くのよ」「なるほど!……――えっと、どう行くんでしたっけ?」「昨日の今日で覚えてるとは思ってないわ。こういうのは何度でも通って覚えればいいの。こっちよ」 エリザさんにまた案内をお願いして、家を出ていく。 洋風で広い道が続く街並み。 靴ごしに響く石畳の感触はこれまで過ごしてきたアスファルトとはまた違って凹凸を感じる。 肌に触れる風はどこか優しく、ただ歩いているだけなのに、気持ちが跳ねるように自然と楽しくなっていく。 家を出て右へ、3本目の十字路を左に曲がって昨日と同じ景色に出た。 右は静かな住宅街なのに対して左に顔を向けると、その先の賑やかさが既に肌で感じられる。 遠くの細かな音がやけに大きく聞こえた。「昨日は向こう側に言ったけど、今日はこっちよ」 道案内をするエリザさんが手を広げる先。 そこには広々とした道の脇にいくつもの露店が立ち並び、その中心を沢山の人が行き来してる景色が広がっていた。 お店は見た所洋服や鞄、帽子や靴などの小物や雑貨が並び、行き交う人はエリザさんのようにワンピースを着ている女性や、シャツにベストにパンツといった服装の男性、子連れ、多分この辺りに住んでいるのだろうと思われる人達で賑わっている。 様子を見てると後ろから私たちを抜かして商店街に入っていく人の姿があった。 見た所男性だけど、
last updateآخر تحديث : 2025-12-07
اقرأ المزيد
السابق
12345
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status