31. 第二話 負ける手順 宏と士郎はじっくり観察していた。紅中の麻雀に変な所はないか。妙な放銃はしてないか。ちゃんと打ってるか確認のために士郎は「チュンさんどんな手だったのー?」と覗き込むことも少しした。しかしプロフェッショナルである紅中はそんな覗き込みにも対応できる、さも『仕方のない放銃』に見せかける手順を採用しているので士郎では尻尾を掴むことはできなかった。 宏が見れば手順の矛盾に気付く可能性もあったが宏はそのような覗き込みをするような馴れ馴れしい人間ではないのでそれをしたら不自然である。人懐こい士郎にやらせるしかないので紅中の高度な『負ける手順』を選択している事実は判明することがなかった。 例えばリーチが入って勝負手でもなんでもない時には撤退するべきだが。その撤退する手順を紅中は悪い手順で撤退するよう選んでいた。 簡単な話が北家が北を切ってリーチしたとする。北はこれで場に2枚切れ。そこに北を引いてきたとして。 こんな手 例)手牌二七七①③④⑤225679 北ツモ A.北(リーチ者現物3枚目の字牌)B.9(リーチ者現物牌&親にも現物)C.①(リーチ者現物牌&南家にも現物)D.二(リーチ者にだけ現物) まぁ反撃する必要もなくて降りるのが正解そう。という場合なら期間限定の安全牌であるDから処理して行きC→B→Aの順で切っていくのが隙のない守備的手順である。しかし紅中はこの手順を逆に全国共通永久不滅安全牌のAからB→C→Dと選んで行く。そうするとどうなるか? それはつまり『降りているはずの手順なのに脇に放銃することになりうる』ということ。これを『ベタ振り』と言う。元々はリーチ者以外にアガらせる展開にした方が都合がいいと言う時に行う『ワザ放銃手順』だが、これを紅中はうまく接
Terakhir Diperbarui : 2025-12-23 Baca selengkapnya