41. 第三話 本物の家政婦 「……で、今日もそのあと麻雀して帰ってきたってわけ? ほんと家政婦らしいことはしてないのね。アドバイザー兼メンツじゃないのそれ」と東所長は呆れ気味に紅中に言うと自分と紅中のタイムカードをガシャッガシャッと押した。定時である。今日の仕事はここまでだ。「ですね。まあそれをお望みであるなら叶えるまでなんですけど、変なことになりましたね。フフフ」「とか言って嬉しそうじゃない」「いえ、私が初めて行った時はバラバラだった家族がいつの間にか団結している。それがなんだか、自分の手柄のように嬉しくて。多分、これはこうなる運命だっただけで私の手柄ではないんですけど。でも、少しは役に立てたかなと思うと。この仕事引き受けて良かったなって思うんです」「そうね。でもアンタ……これからどうなるかわかんないよ」「と、言いますと?」「井之上家はお金が必要なんだし、もう片付けは終わって綺麗になったならアンタを雇わなくてよくなったってこと。井之上家での仕事、なくなるんじゃない?」「ですね。でも、私の仕事がなくなるのは良いことです。本来家政婦は必要ない仕事。余程忙しくて自分のやる事が山積みの一人暮らしなどならわかりませんけど、普通は頼むまでもなく自分たち家族でやれることを依頼されてるに過ぎませんから」 すると東は「ハーーー」と大きなため息をして帰り支度をした。 「お人好し。チュンは本当のお人好し。そんなんでよく雀荘メンバーやってたわね。仕事がなくなっていいわけないでしょ」「それは、こちらとしてはそうかもですけど。私は関わったお客様全員により良い暮らしをしてもらえたら、それこそが自分の幸いであると。そう、東所長に教えられてきましたから」「……言ったかもね、そんな事。たく、アンタ本物だよ。アンタは本物の優等生。本物の家政婦だ。おそれいったよ」「恐縮です♪ ウフフ」
Terakhir Diperbarui : 2026-01-02 Baca selengkapnya