3人それぞれの個性が際立っているのに、完璧に調和している。完成されたエンターテインメント。まごうことなきスターの姿だった。「……うわ、俺めっちゃカッコつけてんなー」 こたつの上から聞こえた間の抜けた声に、私は現実に引き戻された。 目の前にはゴロゴロしながら、自分の映像をボーッと眺めるハルくんがいる。その横ではセナさんが眼鏡を外して目をこすり、レンくんはあくびを噛み殺している。 レンくんのスウェット姿は(悲しいことに)見慣れてしまった。 だがセナさんとハルくんまで……? 画面の中の「完璧な偶像」と、こたつの熱でふやけた「無防備な男たち」。そのギャップがあまりにも大きくて、私は呆気にとられた。「あー……」 ハルくんが、天井を見上げながらポツリと漏らした。「ここ、マジで帰りたくねーな」 ただの独り言のようで、ひどく切実な響きがあった。セナさんもそれを否定しなかった。「外は敵とカメラばかりですからね。ここは酸素が濃い。息ができる」 彼らは戦っているのだ。あのきらびやかで過酷な世界で、常に完璧であることを強いられながら。 だからこそこのボロアパートの生活感にまみれた空気が、彼らにとっての「安全地帯(セーフティゾーン)」になっているのかもしれない。 テレビの画面の向こうでは、輝くようなアイドルが歌っている。 あれもまた、確かに彼らの姿。 けれども目の前の3人も、彼ら自身なのだと感じた。 ◇ 深夜になると、セナさんの運転手付きの車が迎えに来て、2人は帰っていった。祭りの後の静けさが戻った部屋で、私はキッチンの片付けを始めた。 すると、背後からふわりと温かいものに包まれた。レンくんが後ろから抱きついて、私の手からスポンジを取り上げる。「手荒れする。俺がやる」「でも、レンくん今日は疲れてるんじゃ……」「いいから」 彼は私を横に退かせ、慣れない手つきで皿を洗い始めた。その背中はいつもの甘えん坊な彼よりも、少しだけ大
Last Updated : 2025-12-30 Read more